グラップラー刃牙
ぐらっぷらーばき
「強い」ことは美しい!!! 「強い」ことはスバラシイ!!!
アリガトウ範馬刃牙ッッ
ストロングイズビューティフル!!!
概要
地下闘技場の最年少チャンピオン範馬刃牙と、刃牙の父で地上最強の生物と謳われる範馬勇次郎を中心とし、様々な格闘家との闘いが織り成す長編格闘ドラマ。
通常の格闘技の試合のみならず、色々な条件下での死闘が数多く描かれており、本作の持つ「『地上最強』は誰か?『地上最強』とは何か?」のテーマに深みを持たせている。作者は本作を「闘いのテレクラだ!!」と称した。
多くの描写を割いて相当の強者と演出されたキャラクターをあっさり負けさせる意外性、大ゴマや見開きを多用し迫力を持たせた構図、叫び声や悲鳴を表すセリフの最後に「ッ」、「ッッ」といった文字を使用するのが特徴。
1991年の連載開始以来、30年近くにわたって続くほどの大人気を獲得しており、現在の週刊少年チャンピオンを代表する漫画と言える。長期連載のため、世相を反映して作中年代が変わる。例えば作中で明らかになっている歴代総理大臣は中曽根(幼年編)→波斗山征夫(ピクル編)→神崎尚人(親子喧嘩編)→野田(親子喧嘩編)→安倍(クローン武蔵編)という順。ただし、キャラクターの年齢は進まないサザエさん時空である。
また、現在では日本の格闘漫画の代表格となっているが、連載当初である第一部では、
- 初期に対戦相手として格闘家ですらない単に身体能力が高いだけの医師が出る。
- 主人公が強い理由が「技術」「流派」ではなく「血筋」。
- 技術よりも身体能力が重視され、劇中の強キャラの一角が「何の武術・格闘技も身に付けていない身体能力が異常に高いヤクザ」。
- 更には、その「何の武術・格闘技も身に付けていない身体能力が異常に高いヤクザ」に憧れてる「何の格闘技・武術も身に付けていないばかりか身体能力も普通の人間より少々上なだけの根性だけが武器の暴走族特攻隊長」がプロの格闘家を打ち負かす。
登場するほとんどの格闘家は「地上最強」を目指して闘い続けているが、主人公の刃牙だけはあくまで勇次郎を超える事のみを目標としており「地上最強」を目指してはいない。これは作者も途中で気づいて驚いたとの事。
構成
このうち『グラップラー刃牙』は初期のタイトルであり、「第1部」の位置づけ。
第2部以降は作品タイトルが変更され、シリーズ全体は『刃牙シリーズ』と称される。世界観やキャラクターは同一。
第1部『グラップラー刃牙』は、地下闘技場で極秘に行われる格闘試合を扱っている「地下闘技場編」、地下闘技場編より以前の時系列になる「幼年期編」、世界中から集められた選手達によるトーナメント戦を描く「最大トーナメント編」の3編構成。そしてそれ以降は、最凶死刑囚編・中国大擂台賽編・神の子激突編から成る第2部『バキ』、シャドーファイティング編・監獄バトル編・野人戦争編・地上最大の親子喧嘩編から成る第3部『範馬刃牙』、クローン武蔵との戦いを描く第4部『刃牙道』、二代目野見宿禰の存在を巡る第5部『バキ道』、現在連載中の『刃牙らへん』の6部構成となっている。
シリーズ一覧は『刃牙シリーズ』の記事を参照。
OVA
1994年に東映ビデオより発売。
尺は約45分で、今作の冒頭(末堂厚戦)~鎬昂昇戦を一部省略しつつ描いている。
監督は後にアニポケで活躍する浅田裕二。キャラクターデザインを馬越嘉彦が手掛けている。
原作の外連味あふれる格闘アクションを見事に映像化した高クオリティの作画、原作から変更を加えつつも過不足なくまとめた脚本、声優陣の絶妙なキャスティングと熱演、その中で唯一凄まじい棒読みを披露する審判など見どころは数多く、古参ファンの間では傑作として名高い。
ただし残念ながらDVDなどでの再販、ネットでの配信などはいずれも行われておらず、中古ビデオを漁るなどしないと見られない。
刃牙のモデルとなった格闘家の平直行、空手家の佐竹雅昭、そして原作者がそれぞれゲスト出演している。例の棒読み審判を演じているのが平である。その一方、神心会の師範を演じる佐竹の方は、妙に演技が達者で発声も良く、解説者ポジションを見事に演じ切っている。エンドロールを見るまでゲスト出演だと気づかなかったファンもいるほどである。
ちなみに販売は東映ビデオが担当しているが、制作はあのナックだったりする。