概要
2018年12月、『ポケモンGO』でトレーナーバトルが実装され、多くのトレーナーたちの歓喜に包まれた。
リーグ別にCP制限が設けられ、これまで「CPが高いほど優遇されている」という常識を一変。最終進化形でもCPが低い種族らに光がもたらされ、より多角化された戦略が開かれることになった。
しかし、いざ蓋を開けてみると…
「カウンター」が他の通常技に比べ明らかに優秀過ぎる性能を誇っていたのである。
そして、この技を覚えたポケモンが環境に次々と現れ環境を一蹴。PvP界最強と言われるまでに上り詰めたのである。
カウンター族の伝説
- 覚えているだけで強い。控えめに言ってもカウンターがあるだけで優秀と言われ、他の優秀技が不遇に錯覚するほど。
- 撃てば撃つほどHPがゴリゴリ削れ、隙がなくチャージ技を撃たれるのは当たり前。
- シールドがほぼ無意味。折角張ってもカウンターで倒されるか、チャージ技をもう1回撃たれる運命。ブラフに張ってしまえば猶更。
- 1匹目に組み込んで有利対面の場合強制交代させ、試合を操る(通称:初手カウンター)
- カウンター族を倒したと思いきや別のカウンター族がやってきて絶望(通称:カウンター2(3)枚)
- しかも覚えるのはかくとうタイプだけでなく、別タイプのポケモンも多く覚えるためパーティーのバランスが崩れにくい。
- 耐性優秀な種族がカウンター「だけ」で溶ける。
- カウンターに弱いカウンター族がぶつかった結果、数秒で誰もいなくなる。
- かくとうタイプに耐性を持つポケモンで迎え撃とうとしても抜群のサブウェポンを撃たれ撃沈。
- 5秒に1回撃てる「グロウパンチ」でダメージがどんどん上がっていく。
- 同じスパンの壊れ技「のしかかり」でHPの半分を持っていく。
- 「つじぎり」でいきなり強くなってパーティーを半壊。
- 「アシッドボム」「サイコファング」「ブロッキング」で耐久を下げられ、カウンター族のいい起点のカモに。
- CP上限が500のリトルカップで漸くカウンター族は出禁…になりきれなかった。
- 「はっぱカッター」「あまえる」は弱体化されたのに、カウンターは据え置き。
- ジム・レイドでも顕在。メガシンカ個体でも出動させればハピナスも止まるどころか吹っ飛ばす。
解説
カウンターはかくとうタイプの通常技。威力8、チャージ7、硬直1秒という性能を持つ。熟練者にとってはこの時点でもうおかしいと分かるだろう。
トレーナーバトルでは威力の低い通常技を撃ち、それで溜めたチャージで大ダメージを決めるというのが基本。といっても高威力(DPS)を重視した型、チャージの回転率(EPS)に優れた型、どちらにも偏らないバランス型など、通常技にもさまざまなタイプがある。チャージ技を沢山撃ってシールドを削るか、高威力技を撃ってシールドを使わせずに落とすかが戦略の魅力。
ここで、いくつか通常技のスペックを見てみよう。
お分かりだろうか。ほとんどの技がバランスの良い配分をされているのに対し、カウンターだけ両方とも高水準で抜きん出ている。勿論DPSやEPSは高い方がバトルでは有利なので採用率を高くしている一番の要因である。
- なぜこんなにも優遇されているのか?
飽くまで考察だが、鋼を意識した可能性が高い。というのも、こいつらは殆どのタイプを半減で受けることができ、さらに耐久に振った種族値も多く存在する為、ぶっ壊れや不遇技のない平等な条件下では比較的生存時間を多くしてしまうことが想像できる。その状況を打破すべく考えられたのが「カウンター」の優秀な性能ではないだろうか。
対策
このように一時最強の烙印を押されたカウンター族だが、対策がない訳でもない。
- どくづき(エアスラッシュのときもある)+どくどくのキバで似たようなコンボが出来、特にかくとうタイプには痛手。
- たとえ抜群を突ける対面でも、相手次第では普通に詰む。デオキシスとアローラガラガラ等。
- 2019年7月DPSが最高の「あまえる」が登場。更に習得者も範囲が広いため「あまえる族」というワードも出てきつつある。あまえるをいまひとつで受けられるのはシュバルゴくらいしかおらず、本格的に逆風が吹き始めた。
このように、シーズンの移り変わりによってカウンター族への対策は増えており、今では環境破壊と言われるほどの存在にはなっていない。