CV:高島雅羅
「蘭?あなたも幼馴染みと探偵には気をつけることね……ロクな目に遭わなくってよ!」
概要
『名探偵コナン』のヒロイン・毛利蘭の母親で、毛利小五郎の別居中の妻。弁護士。
『コーヒーショップ殺人事件』での初登場時は37歳だったが、本編で誕生日(10月10日)を迎えているので現在は38歳と思われる。なお、主人公の江戸川コナン(工藤新一)以外で誕生日が設定されている数少ない人物(後に鈴木次郎吉が3人目の該当者になるが、彼の誕生日はアニメ版『まじっく快斗1412』で明かされたもの)。
名前の由来はエラリー・クィーンから。
人物
猫好きで、現在は「ゴロ」という名のロシアンブルーを飼っている。愛車はミニクーパー。
誰もが見惚れるほどの美女であるうえに極めて頭脳明晰で、民法や刑法を暗唱できるほど記憶力にも優れる。その頭脳は高校1年の時点で東都大学(現実の東京大学に相当)の入学試験を満点通過し、ハーバード大学への留学を薦められるという超人レベル。考えをまとめる時は音楽を聴く癖がある。
特技は小五郎から教わったという一本背負い。また、編み物も得意。蘭の真面目でしっかり者な性格は彼女譲りである。
一方で、料理は極めて下手。原作では小五郎が「特徴的な味」「一風変わった味」などの曖昧な表現をしている。
劇場版『瞳の中の暗殺者』では、コナンが幼少期の新一時代にその腕前を披露されたらしく、英理が張り切って料理を振る舞おうとした際は小五郎と一緒に逃げ出そうとしており(小五郎に至っては「麻雀の約束がある」という嘘をついてまで逃げだそうとした)、続く『ゼロの執行人』では、英理が作ったものとは気付かずに料理を食べた小五郎が真っ青になっている。
ただし、結婚してから別居するまで8年間家事はそれなりにこなしていたようで、料理も全て完全に食べられない程最悪というわけでもなかったようだ(一人暮らしの現在も仕事柄外食も多いだろうが、特に自炊に困っているような描写などはない)。
なお、両親が料理下手な環境下で別居された後の幼かった蘭が、どうしてあそこまで料理上手になれたのか詳細は不明だが、一説には英理の友人である有希子が料理上手だったので、英理に頼まれて毎日のように息子・新一と遊んでいた蘭に料理の仕方を色々教えていたのではないか、とも言われている。
弁護士として
個人事務所(妃法律事務所)を経営。10年前の法廷デビュー以来連勝記録を更新し続けている凄腕で、「法曹界の女王(クイーン)」の異名を取る。当人は初公判の前には「初めてだから多分コテンパンにされる」と工藤夫妻に言っていたがむしろその逆だったようである。
凛とした態度と圧倒的な弁論術で関係者を恐れさせているが、その一方で「他人を信じ過ぎる」面があると指摘されている。実際、『容疑者・毛利小五郎』では、自身をライバル視する女弁護士に陥れられかけたり、『弁護士妃英理の証言』では、親しい美容師にアリバイの証言者として利用されそうになったりしたこともある。
ただし、訴訟相手に対しては毅然な態度を崩さないあまり、いささか高圧的になってしまう傾向にあり、敗訴した相手方から逆恨みを買ってしまうこともある上、その対処については詰めが甘い所もある。『妃弁護士SOS(妃英理誘拐事件)』では、自身が引き受けた離婚訴訟で敗訴した「妃英理被害者の会」を自称する被告たちに拉致され、「服を全部脱がして素っ裸にし、謝罪する様子を撮影してネットに拡散する」という少年誌としては危うい、というかド直球過ぎる復讐方法に晒されかける。機転を利かせて、この後会う予定だった小五郎たちに居場所を知らせたことで事なきを得、誘拐犯のリーダー格に追い詰められスタンガンで気絶させられそうになっていたところを、間一髪で駆け付けた小五郎により救われた(その際に「英理の裸を見てもいいのは、この世で唯一・・・俺だけだ!」とカッコ良く決めつつも聞いてて恥ずかしくなるような台詞を言っている)。この事件を受け、コナンから蘭を通じて敗訴側の逆恨みへの対応について注意された。
このエピソードはアニメでも普通に放送されたが、全国の男性視聴者の一部からは、英理のエッチな姿を望む声も多かったようだ…。
来歴
米花町出身で、小五郎とは幼少期からの幼馴染であった。
大学生の時に小五郎と結婚し家庭を築くが、7年後に別居する。
劇場版『14番目の標的』にて、怪我をおして作った料理を「こんなもん作るくらいならさっさと寝てろ!」と小五郎に怒鳴られた(怪我自体は自分の不注意から負わせてしまったため、英理の体を気遣って言ったのもあると思われる)ことが怒りに火をつけ、その時の大喧嘩が別居の決定打になったと語られている。
別居以前は、小五郎が出かける時にネクタイを直してあげるほど夫婦仲は円満だったようである。
現在は旧姓の「妃」を名乗っているが、小五郎とはあくまでも別居中の関係であり離婚したわけではないので、戸籍名は「毛利 英理」である(入院時の病室のネームプレートなどもこの表記)。
別居後も、蘭とは仕事の合間を縫って外でたまに会い、互いの近況報告をしている。その一方、小五郎に対しては自分で連絡をとらず、会うのは大抵蘭の計略か偶然ばかり、顔を合わせると悪口を言い合い、意地を張っては蘭を困らせている。結婚指輪を付けていることについては、「うっとうしい男を近づけないための虫よけ」と言っている。
しかし内心では想い合っており、小五郎から助けを求められることがあれば、仕事中であっても何とか助けようとする。OVAでは彼の身体を気遣う行動も見られたり、結婚記念日にはネクタイを贈ろうとしたり(未遂に終わったが)、初デートの衣装を着て小五郎に会いにいこうとしたりしている。小五郎が殺人容疑者にされ犯人だという結論が出た際は、普段の姿からは考えられないほど取り乱したこともあった。
小五郎から限界だと言われ復縁を求められた時は、イヤホンで音楽を聴いていたため二人の仲は振り出しに戻る・・・・・・が、実はしっかり夫の台詞を録音していたというオチ。
後日、弁護事務所でコーヒー片手に小五郎からの音声を聞き「こんなんじゃ許してあげないんだから」とにこやかに心の中で述べていた。
つまりは、(いい歳こいて)超ド級のツンデレ。実にめんどくせえ夫婦である。
劇場版『瞳の中の暗殺者』において一人娘の蘭が記憶喪失になった際には、小五郎と共に彼女のケアを懸命に行うなど、家族を大事にしている部分も多く見られる。
家族以外の人間関係
- 雨城瑠璃(本名・土井垣瑠璃)(CV:島津冴子)
昔から小五郎に好意を寄せていた同じ幼馴染で対抗意識を抱かれるが、現在でも同窓会で会っている。
「検察のマドンナ」と評される敏腕検察官。アニメオリジナルの法廷対決を繰り広げている。現在までに3回戦い、いずれも英理の無敗記録を止めるに至っていない。
- 工藤有希子
高校時代には、「帝丹高校のプリンセス」VS「帝丹高校のクイーン」としてミスコン対決を繰り広げた(同票数により未決着)。10年ぶりに再会した際は仲の良い様子を見せている。
幼少時に蘭共々厳しく叱られたこともあって苦手な存在であり、そのためか英理の顔を完全に忘れていた(その際の第一印象は「すげー美人」)。
一方で英理は、コナンの正体が新一であることこそ知らないものの、初対面時から普通の子供でないことは見抜いており、彼の推理力と知識量を高く評価している。事件に遭遇した際も、コナンと一緒に事件を推理したり情報を提供したりもするなど小五郎と違って邪険にすることはない。劇場版『銀翼の奇術師』ではコナンがいつも通り小五郎に時計型麻酔銃を打とうとした所、誤って英理に命中してしまい、コナンに探偵役にさせられたことがある。最近では「眠りの小五郎」についても小五郎本人が本当に推理しているのか疑問を抱くようになっている。
また、同じ顔のコナンと新一への対応も当然違っており、コナンは蘭にとって可愛い弟であるが、新一は蘭を泣かせる相手だと認識しているため、娘に相応しくないと常々思っている。
コナンと英理の間ではまだ良好な間柄であるが、新一とは長年会っていないことで関係性は薄いとされる模様。
OVA二作「16人の容疑者」以降会っている描写はないが回想シーンで蘭が平次の解決した事件の話をしているシーンはあり、お互いの存在認識はある。