概要
「デザイアグランプリにおける『世界を作り変える力』の根源」とされている存在。見た目は背から複数の翼を生やし、手に球体を持った女性の彫刻のような物体。
ベロバは女神の奪取を計画しており、その力を悪用してジャマトの支配する世界を作ろうと目論んでいる。
デザイアグランプリの運営が所持しているヴィジョンドライバーは、創世の女神にアクセスする鍵となっている。
ただし、創世の女神の力を発動するには、ゲームマスターとプロデューサーの2つの権限が必要である(ニラム曰く「創世の女神を我が物にしようとした野蛮な輩が以前にもいた」らしく、セキュリティーが以前より更に強化されている模様)。
能力
「創世」の名を冠するだけあり、世界の理そのものを容易に作り変えてしまう程の超常的な力を持つ。
運営陣はこの力によって、デザイアカードに書かれたデザ神の望む理想世界の創造を可能としている。
力を発動させる際には荘厳な鐘の音のようなものが鳴り響き、それとともにカードに記された願いに従って世界が改変される(なお、英寿が叶えたある願いは女神の力が発動した時点で一切の途中経過無しに問答無用で叶っており、デザ神の願いに関わる過去のあらゆる出来事・記憶なども改変対象になる模様)。
これに伴い脱落者や巻き込まれた犠牲者も復活する(ただし、元の生活に戻される際にはデザイアグランプリに関する一切の記憶を運営により削除される他、特に脱落者の場合は参加の動機たる自身の願いも失うため、復活後にまるで別人のように人柄が変わってしまうこともある)。
創世の女神そのものには善悪の区別が存在しないらしく、「全ての仮面ライダーを倒す力」「人類が滅亡した世界」等、デザイアグランプリの運営そのものに影響が出かねない望みすら受理している。
一方で浮世英寿がデザイアカードに書いた「母に会いたい」という、一見すれば簡単な願いが受理されない(=女神の力を以てしても叶えられない)等、叶えられる願いにも可不可がある模様。
また、女神が叶えるのはあくまで「デザイアカードの記述通りの願い」までであり、記述の背景にある本当の願いや思いまでも汲み取ってくれるわけではないため、望まぬ形にならないようきちんと考えて願いを書く必要がある。なお、これを逆手に取る形で利用することもでき、中には願いをあえて記さなかった者や想像を絶する超長期的な戦略を立てて願いを叶えた者もいる。
後述の創世の女神の正体から、その力の本質は「世界を望み通りにデザインする」ことが能力の本質と思われる。
主な動向
第1話や「邂逅編」(第2〜9話)の時点では、勝ち抜いたデザ神の理想の世界を叶えるだけに留まっており、第21話でベロバの口から初めて存在が明かされる。
第26話で英寿が持つブーストレイズバックルに、過去に存在した「エース」の名を持つ4人のデザ神の「生まれ変わった俺がいつか、世界を救う覚悟を決めた時、それを実現する力」という願いを受理し、5つのブーストバックル(英寿の持っていた1つと、宇宙から飛来した4つ)を合体させ、「ブーストマークⅡレイズバックル」を生み出した。
第28話では吾妻道長がベロバの奪ったヴィジョンドライバーを借り、創世の女神と初めて対面。
第29話では、11年前に本物の一人娘である鞍馬あかりを誘拐犯に殺害され、その現実に憔悴してしまった鞍馬光聖がデザイアグランプリのスポンサーになることへの対価として「私が理想とする娘・祢音が生きている世界の創造」をニラムに提示。
女神の力で願いを叶え、あかりの代用品の仮初めの娘として鞍馬祢音が生み出された事実が判明している。
関連タグ
その正体は、浮世英寿の前世における最初の母・ミツメが、古代DGPのエグゼクティブプロデューサー・スエルのヴィジョンドライバーによって変化させられた姿である。英寿の最初の願いが叶えず文字ごと消されたのも、それ自体が女神の存在に対し自己矛盾を引き起こすものだからであった。
ちなみに劇中描写を見るに、(ブーストマークⅡバックルの件のような、タイムラグが必然的に生じる特殊な願いを除けば)2つのヴィジョンドライバーを所持し、女神の面前でデザイアカードをかざすことで初めて願いが叶えられる仕様らしい。DGPでは願いを書いたカードを回収→デザ神のもののみをかざして叶えさせていたと推測される。
一部どう考えても女神の力が必要とは考え難い願いもあるが…(おそらく運営側を縛る契約として機能していると思われる)
『仮面ライダーギーツ』の世界において女神の力を使う上では、人間の幸福と不幸は一定になるようにバランスが保たれており曰くケケラ曰く「世界中の幸せの総量ってのは決まっている」。理想の世界を創造したいと願う個人の幸せを叶えるには、不特定多数の不幸が存在しなければならない。そしてデザ神の理想を叶える際のエネルギーとして、デザイアグランプリに巻き込まれ命を落とした人々や退場者の幸福そのもの、および脱落者の願いを叶えたいと思う心が使用されている。景和の両親のように、プレイヤー全員が死亡し、ゲーム攻略失敗となった事例に巻き込まれて復活できなかった人物が存在する原因にもなっている。
つまり、他者の幸福を吸い取りつつ同時に不和を煽る要因にもなっており、本作における悲劇の根源とも言える。
なお、女神に作り変えられたミツメ自身も人の幸せを踏みにじる行為に苦しんでおり、運営によって道具として利用される現状に時折嘆きの声を上げている。
そして、彼女の存在を巡って英寿と道長はDGPの破壊、景和と祢音、桜井沙羅はDGPの存続に向けてそれぞれの思惑が交錯していくことになる。
実はこれまで数多くの願いを叶えてきたことで限界が来ており(直前に道長・ベロバ・ケケラらの願いを、短期間に連続して叶えていたことも拍車をかけたのかもしれない)、グランドエンドと同時に崩壊する定めにある。
女神が失われると理想の世界を叶えることができなくなるものの、この事態を前にしてもスエルは「女神(の力)は新たな後継者へと引き継がれる」と言及しているが…
そして37話〜38話にて遂に崩壊が始まり、グランドエンドの遂行と同時に完全に破砕。
しかしその間際に内部空間にて、英寿とミツメは束の間の再会を果たすことができた。
彼女の想いを受け取った英寿は、運営が想定していなかった「もう一人の女神の後継者」として、「誰かの幸福が誰かの犠牲の上に成り立つ世界」を否定し「誰もが幸せになれる世界」を「創世」すべく、新たな戦いに挑むことになる。
ちなみに創世の力に目覚めると、徐々に自我や意志を失っていき力を発動するだけの石像と化してしまう。
ネタバレを踏まえた上での関連タグ
- 創世王(BLACKSUN):「ギーツ」と同時期に世に出た作品にて登場し、その設定面で共通性がある存在。