アポロン(Fate)
あぽろん
概要
『Fate/Grand Order』にNPCとして登場するキャラクター。
パリスを現在の形にした張本神で、同時に彼の頭の上に乗っかっている羊さんのぬいぐるみ。ドゥムジのように羊飼いの神が羊の姿で登場した形。妹さんと同じく、意中の英霊の召喚に相乗りしている状態で、相手をゆるキャラにしてしまった妹とは対照的に自分の方がマスコット化している。
Fate界の神様はこんなのばっかりなのだろうか……?
人物
ボイスが皆無なため喋るような自我は皆無かと思われたが、後のイベントでタラスク同様実は喋れたことが唐突に発覚し、ユーザーたちを驚かした。後の2部5章ではよりガッツリ喋っている。
一人称は「私(わたし)」。
原典の苛烈なエピソードからさぞかし厳格な口調なのだろうと思いきや、かなり軽い。
だが、流石に色々確執がある息子と妹とその恋人の前では無言を決め込んだ。
なおパリスもパリスで、霊基再臨によってアポロンが増えた際に「お手玉ができますね!」と言っている上に攻撃にも使用(ボールのように敵に投げる、複数結合させてハンマーのように殴る、クロスボウの台にする)している。おそらくこっちも妹の他、ラーマのヴィシュヌ神やカルデアにいるジークの様に分身体が端末化したようなものだろうが、若干扱いが雑すぎではないか……?
ちなみにその妹さんや父親曰く、アポロンは「人間好き」「人を最も愛した神」らしい……嘘だろおい(劇中での言動を総合すると、自分を楽しませる対象として好きということらしい)。
パリスのバレンタインのお返しとして1体マスターにプレゼントされるがパリス曰く自分から離れると人形になるということでマスターの部屋に置かれるが、自律は依然できるらしく先客のミニクーちゃん、ヴィイと3体でマスターが寝た夜中に喧嘩する。そののちに3体仲良くマスターの睡眠を溶岩水泳部を初めとした不埒な者から守っている。たまに守れない。音楽の神ゆえか、このぬいぐるみには録音機能もあるらしく、呼延灼の声を再生して羞恥心を煽った。
アルテミスが肩に乗せているオリオンは彼女の聖獣である熊の姿を取っているが、アポロンは何故自分の聖獣でも無い羊になったのかというと、パリスがかつて羊飼いを勤めていた逸話の影響だろうと思われる(彼本来の聖獣は狼、蛇、鹿である。羊飼いの守護神の逸話を持つアポロンなら、狼の派生で牧羊犬になれば良かったんじゃないかと突っ込んではならない)。
ちなみに、アポロンの美少年好きなエピソードは原典にも存在しており、スパルタの王子であるヒュアキントスと仲良くしていた所、彼との仲に嫉妬した北風の神・ゼピュロスが円盤投げの軌道を狂わせて殺してしまい、アポロンはヒュアキントスの亡骸を抱えて大層嘆き悲しんだという。
そして真面目な事を言えば、パリスはアポロンの子供の一人、トロイロスの兄である。
トロイロスはパリスとヘクトールの母ヘカベーとの間に生まれ、アスクレピオスとは異母兄弟。
人間大好きアポロンは、もしかするとパリスに子供の面影を見ているのかもしれない。
ちなみにこの子は兄弟の宿敵とも因果関係があったりする。
関連人物
実の父親にして全能神。同じく美少年を愛する同好の士。
あまり敬っていなかったらしく、ポセイドンが主神の座を奪おうとした際はヘラと共に反乱に参加した。一説には、アスクレピオスを殺害したゼウスに疑問を抱いたのが反乱の動機だとされる。
実の叔母。彼女が母レトの出産場所を奪った事で一悶着あった。
その他にも妹をボコボコにした事があるため、良い印象を抱いてないと思われる。
実の妹(双子)にして月女神。妹の彼氏である乱暴者オリオンを良く思っていなかったため、アルテミスを騙して彼を射殺させた。その事を気にしてるのか、彼女の前では無言を貫く。
異母兄弟である美の女神。時系列的に恐らく妹。
彼女とヤってる所を拘束の上展示されたアレスを「羨ましい!」と抗議した。
実の叔父である海神。史実において波長が合ってる似た者同士。
彼を新たな主神として支持したほか、叔母のヘスティアの処女権を(勝手に)狙って喧嘩した。
実の息子であり、コロニスとの間に産んだ。しかし使いのカラスの誤報で誤ってコロニスを殺してしまい。母を奪ったことでアスクレピオスからは一生恨まれることになる。息子への愛はあったようで、ゼウスの雷霆によってアスクレピオスが殺された際は雷霆を作るキュクロプスを虐殺し、雷霆を二度と作れないようにした。これを八つ当たりとするか悪賢いとするかは意見が分かれる。
その後は罰として一年間、人間の奴隷として働くことになる。
まあ良い飼い主に恵まれて一年幸せに暮らしたのだが。
異母兄弟。ギガースとの戦いではタッグを組んで戦った。ギガースには神の攻撃を無効化する能力があるため、矢で目を潰したあとヘラクレスにトドメを刺させる戦法を取ったという。
かつての元カノである、オケアニスの一柱にしてニンフ。
アポロンが浮気をした故に怒り、最終的には浮気相手の女性を死に追いやったが彼女に向けて愛が向けられることは二度となかった。そして長い年月がたち、遂に彼女も別の形でカルデア入りすることになり、アポロンにとってはまたすごく気まずい再会となるだろう。ちなみにこの話は、アポロンの祖父クロノスの兄弟ヒューペリオンの息子で先代の太陽神ヘリオスでも語られている。アポロンとヘリオスは時代によって混同されており、クリュティエ自身が「あの人」とぼかして話しているので、どちらが真実なのかは当人の口から語られていない。マテリアルに書いてあるが。
余談
本来の姿は明らかになっていないが、史実においては幅広い権能と理想の青年像の持ち主であり、妹の黄金の弓に対し白銀の弓を有していたという。そして双子の妹の本体の構造からみて、軌道衛星上から惑星を監視する衛星兵器と思われる。主だった根拠としては双子=対となる存在である事、権能として妹と同じく射出武器(矢と表現される物)を創造できる事、パリスの使用する武器に『システムアポロン起動』とあり、その様子が太陽光エネルギーを使用している、という点。
この双子の元々の製造概念として、アポロンは太陽のある昼の側面から、アルテミスは太陽の隠れている夜の側面からそれぞれ、軌道衛星上から地上ないし宇宙空間から来る何かから星を防衛していたのではなかろうかとの判断が可能である。事実、第五異聞帯の真体アルテミスに対して、バーソロミューは「昼の時間の方が監視システムが比較的緩む」とコメントしている。
細部は違うかもしれないが、大まかなデザインとサイズそのものは、妹の本体と同型(巨大な弓のような形状)である可能性が高い。また、アバター体(及びサーヴァントとしての)のアポロンの容姿は、アルテミスを男性化して、アスクレピオスと似ている部分がある男と言うのが有力。
遠矢の名手で、即死させる金の矢のほか、イリアスにおいては疫病の矢を放ってギリシア人を苦しめたという。アスP激怒不可避。またボクシングの神でもあり、アカイアの城壁を一撃で粉砕したという文武両道の神でもある。これほどハイスペックならさぞモテるだろうと思いきや、ダフネやヒュアキントスの件で分かる通りほぼ自業自得でフラレたりショタとの悲哀話ばかりである。
なお第2部5章の副題が「神を撃ち落とす日」となっているが、これは自身の権能でアルテミスを撃ち落とす矢を作り出したアポロンにも掛けているサブタイトルなのではないかと思われる。
かつてアルテミスにオリオンを射抜けと命じたアポロンが矢となってオリオンを助ける事になろうとは……奇妙な巡り合わせである。即死効果を持つ神話通り、アルテミスへ引導を渡す切り札となった(黄金の矢はギリシャ神話ではエロースが持っているとも言われ、こちらは射抜いたものを恋に落とすとも伝えられる。つまりこの矢はオリオンからアルテミスへの愛の証とも言えるのだ)。