ケビンマスク
けびんますく
概要
CV:置鮎龍太郎
“難攻不落の鉄騎兵”の渾名を持ち、キン肉マンⅡ世に登場する超人の中では最強クラスの実力者。
その容姿や名前の通り、かつて人類のために戦った伝説超人(レジェンド)の1人、“超人幕僚長”ことロビンマスクの息子でもある。
作中においても読者内でも非常に人気が高く、人気投票では本編での第1~3回、加えてVジャンプ版でも第1位となり4連覇を成し遂げた。ほとんど出番が無かった第4回でも2位であった。
これに関しては、作者のゆでたまご先生も「予想以上の人気」と評しており、主人公のキン肉万太郎の不人気っぷりを絡めて、作品タイトルを『鉄騎兵ケビンマスク』に改題するというブラックジョークが振られたことすらある。
幼少の頃、実父・ロビンマスクから立派な正義超人になるように勉学からトレーニングまで徹底したスパルタ教育を施されるが、それに嫌気がさし家出。
その後、父への反逆として悪行超人入りし、d.M.p(デーモン・メイキング・プラント)の刺客として新世代超人たちと対峙する。
キン肉万太郎とは、当初は正体を隠して彼の駐在する東京の美波理公園を訪れ、彼に難癖をつけていたガゼルマンを軽くいなし、その高い実力を見せつけた。
しかし、結局d.M.pのやり方も性に合わず、仲間のMAXマンとテルテルボーイが敗北すると、あっさりと悪行超人からの離脱を宣言。その後は正義にも悪にも属さない、一匹狼の超人となる。
以降は万太郎の試合会場にたびたび登場し、父・キン肉スグル同様の潜在能力に目を見張りつつ、いつか彼を倒すことで父・ロビンマスクを超えるとともに父の代から続くロビン王朝とキン肉族の因縁を払拭しようと目論む。
数十年ぶりに開催された超人オリンピック決勝で万太郎に勝利しチャンピオンベルトをロビン王朝の元へと戻した功績から、ロビンとの仲も無事修復された。
TVアニメ版ではこの決勝戦がラストバトルとなっているため展開が変わり、最後は万太郎のマッスル・グラヴィティを喰らって敗北するという逆の結末となった。しかし、満足する試合が出来たことでキン肉族に対する蟠りが無くなり、ロビンにもその思いが伝わり、仲は修復された。
「オール超人大進撃」では悪行超人の世界に嫌気が差して正義超人軍に自首・捕縛され、仮釈放されたという設定だった。
『究極の超人タッグ編』では悪行時間超人・サンダー&ライトニングにの奸計によってこの世から完全に消滅してしまいかねない状況に陥っていたが物語後半で復活、決勝戦にて(ひと悶着あったものの)万太郎とザ・坊ちゃんズを再結成し、サンダー&ライトニングを打ち破った。
必殺技は「ビッグベン・エッジ」「マッハパルバライザー」「OLAP(オラップ)」等。
超人オリンピックの中頃からは、父の技である「タワーブリッジ」や「ロビンスペシャル」も使用する。
当初は、勝利時に格闘家のケビン・ランデルマンのような開脚ジャンプを見せていた。
また、最近は技のあとやアピールの際に武藤敬司のムーブをとることがある。
d.M.pに所属していた頃スカーフェイスに命を救われたことがあり、彼とはとても仲が良い。
主な技
ソロマッチ
- ビッグベン・エッジ
相手を天高く捻り上げ、空中で相手の側面から腕、足、頭をロックした状態で逆さまに固定し、そのままマットに叩きつける大技。
新シリーズでは父であるロビンマスクがこの技の前身となると見られる技「ブリテッシュ・スティール・エッジ」を披露している。
- マッハパルバライザー
ケビン版「スクリュー・ドライバー」。
両手を合わせた状態で前方に突き出し、そのまま高速で回転しながら相手に突撃する。
つまりスクリュードライバーの要領で貫手をする技。
- ロイヤル・ストレッチ
ロープ技。ロープを挟んでケビンが上下逆さまの状態で組み付く。ケビンの両脚で相手の両肩を、ケビンの両腕で相手の両脚を締め上げつつ、相手の背中を大きく反らせて痛めつける技。
キン肉マン(および万太郎)の超人絞殺刑と似ており、あちらは組み付く箇所が首と両手首になっている。また、ロープが引っ掛かる位置も異なる。
- OLAP(オラップ)
パロ・スペシャルのリバース技。相手が技をかけられる体勢はパロ・スペシャルと同じだが、技をかける側が相手に背中を向けることでよりダメージを引き上げる。
超人オリンピックの中頃からは、父・ロビンマスクの技である「タワーブリッジ」や「ロビンスペシャル」も使用する。ただしロビンのものとは若干技のかけ方が異なる。
容姿
ロビン家伝統の鉄仮面(色はブルー)をかぶっている。キン肉族同様、人前で素顔を晒すことはご法度であるらしく、飲食時も常に装着している。
仮面のデザインはロビンマスクと酷似しているが細部に微妙な違いがあり、ケビンの甲冑は全体的に刺々しいデザインをしている。また、左耳にあたる部位に羽根のピアスが付けられている。
髪を伸ばしており、仮面から金髪がはみ出して背中に届くくらいの長髪。
また前髪の一部に赤いメッシュを入れたり、モミアゲからあごにかけて薄めの髭を生やすなど独特のこだわりが見られる。
鎧の色は、ロビン家の白い甲冑に反する意味を込めての黒。父を始め、ロビン家の当主たちが闘いの中で破損した鎧の断片を集めて作られたものらしい。父と和解後は、仮面と同じブルーに変色している。
プライベートでは黒のロングコートにadidasなどの有名ブランドのTシャツ、腕時計はNIKEのデジタルランニングウォッチ、黒いグローブを装着するなどストリートファッションを意識した服装をしている。
背中には大きな蜘蛛の巣の刺青(スパイダーネスト・タトゥー)があり、試合で超人を倒す度にその超人が巣の餌食となった姿を追加している。
性格
ドライな個人主義者で馴れ合いを好まない一匹狼気質の持ち主。
自由を尊び誰の指図も受けず、超人としての属性や派閥にもさしたる関心は無い。
中身の無い建前や権威・伝統といったものに対しては常に反抗的な態度を示す。
ただし、ケビンの非行に関してはあくまで父・ロビンの存在を前提にしており、それに反抗するだけの主体性の無いファッション的なものである。
決して大多数の性根の腐った悪行超人のように心の底から悪事を楽しんでいるわけではない。
あくまで箱入りのお坊ちゃんが未知の刺激に触れてハイになってるだけの状態といえる。
芯の部分では人並み以上に負けず嫌いで血気盛んな人物であり、正義感も強く卑怯な振る舞いや筋の通らないことを嫌っている。
リングの中では残虐ファイトも躊躇いなく実行に移すが、試合のルールそのものを破ったことは一度も無い。
また、常に『最強の超人になりたい』というストイックな意志を抱いており、自己実現のための努力は惜しまない。
クロエに出会ってからは、かつての頑なさが氷解し、相手の気持ちを思い遣って飾らない優しさを見せたり、最良の結果の為にプライドを殺して頭を下げるなど、精神的にも大きな成長を遂げている。
余談
実は『キン肉マンⅡ世』が連載開始される以前に特別編『マッスル・リターンズ』にて登場している。その時の姿はロビンマスクをそのまま10代半ばぐらいの背丈にしたような風貌であり、現在のデザインとは大幅に異なっていた。キン肉マン37巻に収録された同作品では、おなじみのマスクを被った身なりの整った少年といえる姿に改稿された。