概要
フォース、ソード、ブラストの3種のシルエットの特性を統合させた万能型モジュールシルエット「デスティニーシルエット」を装着したインパルス。
デスティニーシルエットに加え、デスティニーシルエットとのセットとなるチェストフライヤーに換装する。
ストライクのI.W.S.P.またはマルチプルアサルトストライカーに相当する統合兵装システム試験運用型とされている。
デスティニーインパルスは従来のインパルスの様に各シルエットモジュールを換装する必要無く、このモジュール単一で全状況に対応出来る万能MSとして開発された。
形式番号のΘはギリシャ文字の八番目であり、8番目に設計されたシルエットであるデスティニーシルエットを意味している。
デスティニーインパルスは全4機が建造されており、3機がロールアウトした。
チェストフライヤーの腕部にはビームシールドがボルトオン装備されたが、インパルス本体は基本的にそのままであり、分離・合体機構を有する複雑かつ緻密な機体構造には、過剰ともいえる重武装は大きな負担になり、不向きで在った(だからと言って空中分解等が起こるという事は無く、実戦投入されたエピソードでもその様な不具合は起こしていないものの、フォースインパルスの時点で機体への負荷はギリギリであったため、機体の扱いを間違えると本当にそうなりかねない程の負荷をかけることに違いはない)。
更にビームに偏った装備の為エネルギー効率も悪く、1回の出撃で2~3回のデュートリオン充電が必要という劣悪なエネルギー効率の実戦運用に難のある機体となった。
そもそもの話、万能機とした反面、インパルス元来の開発コンセプトである「パーツの換装による多局面の戦闘への対応」という意義が希薄なものとなってしまった。劇中の 「これは"インパルス"では無い」 とはテストパイロットコートニー・ヒエロニムスの談である。
その為、より強力な万能機開発は新規設計により行われる事となり、以降は本機の開発・生産は中止となっている。
試作された4機の内3機のデスティニーインパルスはそれぞれロールアウトされ、装備した各シルエットによりヴァリアブルフェイズシフト装甲の色に違いが生じている(後述)。
デスティニーシルエット
従来のインパルスの三つのシルエットモジュールの性能を単一で賄う事を目的として開発された統合兵装型シルエットモジュール。
MMI-710 エクスカリバー レーザー対艦刀
ソードインパルスと同じく2本装備されたレーザー対艦刀。
テレスコピック・バレル延伸式ビーム砲塔
2門装備されたビーム砲。
フラッシュエッジビームブーメラン
フラッシュエッジのデスティニーインパルス仕様で、簡易ドラグーン式のブーメラン。
チェストフライヤー側に搭載。
ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置
「アクタイオン・インダストリー社」から生み出された新機軸の防御システム。アクタイオンが技術提携を行っていたユーラシア連邦で開発された「モノフェーズ光波シールド」の技術を拠り所としている。
チェストフライヤー側に搭載。
ミラージュコロイド
ヴォワチュール・リュミエールスラスターのデバイスに発生器を備える。ミラージュコロイド・ステルスで培われた光線屈曲技術を応用し、空間に散布したミラージュコロイドへ自機の映像を投影し、残像として形成する一種の立体映像(ホログラフィ)技術。
ヴォワチュールリュミエール
D.S.S.Dが開発した惑星間航行システムの持っていた、エネルギーを光に変換する機能を採用した光子ロケットの一種。
カラーバリエーション
VPS装甲の色の違いは、もともと月刊ホビージャパンに連載していた企画に登場させる際「ベース色は青紫で」と条件を提示してデザインを発注したところ、デザイン担当の大河原氏がデザイン画を青紫より若干赤みが強い紫で彩色し、更にプラモデルの作例を担当したモデラーがそのデザイン画の色彩を空気遠近法と解釈して青みを抜いたカラーで塗装した結果、「ザフトレッド」の様な赤になった為。
その後、同誌のリニューアル1周年記念で再び、青紫のカラーで作例を製作した際、当時の担当者がデザイン画のカラーを1号機、「ザフトレッド」カラーを2号機、当初の想定である青紫のカラーを3号機と想定していたのをサンライズ側が汲み取って公式設定に取り入れた結果である。
1号機
VPS装甲のカラーパターンは赤紫。マーレ・ストロードに受領される事となる。
メイン画像の機体で、設定画として登場する場合はこの機体が多い。
下記のR(リジェネス)のカラーリングも本機を引き継いでいる。
Gジェネレーションクロスレイズにおいて、この1号機がデスティニーインパルスとして生産可能。
2号機
VPS装甲のカラーパターンは「ザフトレッド」の様な赤。受領については現時点不明。
3号機
VPS装甲のカラーパターンは青紫。コートニー・ヒエロニムスに受領される事となる。
メサイア攻防戦に投入された3号機は多大な戦果を挙げている。
Gジェネレーションオーバーワールドでは、この3号機がデスティニーインパルスとして生産可能。
4号機
その存在以外、詳細不明である。
マディガン機
『天空の皇女』に登場した、カイト・マディガンのMSコレクションの1機。
マディガンが所有する他のMSと同じく白い十字のマーキングが施されている。恐らく1号機だと思われるが詳細不明である。
バリエーション
デスティニー
新規設計により開発された3種のシルエットの特性を統合させた万能機。
詳細はデスティニーを参照。
デスティニーSpecⅡ
デスティニーの改修機。
詳細はデスティニーSpecⅡを参照。
デスティニーインパルスR
デスティニーインパルスの計画を引き継いだ民間企業が、独自のコンセプトを加えて完成させた機体。
詳細はデスティニーインパルスRを参照。
ガンプラ
映画に絡んだ小話
2024年1月18日に再販予約が始まったのだが、『機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM』公開直前という狙いすました様なタイミングで在った為、ファンの間では「インパルスガンダムSpecⅡがデスティニーシルエットを装備するのでは?」という憶測が飛び交っていた(同機は技術の進歩でエネルギー効率などのネックが改善している可能性がある事も裏付けになっていた)。
結局その憶測は外れだったが、公開後のスタッフトークイベントで実際に映画へ出す予定があったと判明。
CGモデルの発注までは行ったものの、見た目や戦い方がデスティニーSpecⅡと被ってしまうため、「インパルスがいろんな武器を使って戦ってた方が差が出る」とのことで登場は見送られたという。
要約すると結局は「これは"インパルス"では無い」という事である。
関連タグ
パーフェクトストライクガンダム:似て非なる全部乗せ。
イズナ・シモン:ビルドファイターズトライの登場人物