概要
第一部のエピソードの一つで、四獣編の次の話。人間界編の最終シナリオにあたる。
四年に一度に行われ、料理の世界一を決める料理人の祭典、クッキングフェスティバル。開催される月の世界料理人ランキングトップ100のランカーのみが出場できる。
会場は数億人もの観光客が訪れるクッキングアイランドという島で、メイン会場は収容人数1億人のクッキングスタジアム。ここから世界中に生中継されるフェスのテレビ平均視聴率はなんと95%(決勝が放送されるゴールデンタイムの瞬間最高視聴率は99%)。
その人気ぶりから決勝戦の日はクッキングホリデーと呼ばれる国民の食日(祝日)に指定されており、世界中の人は皆クッキングアイランドに集まる程。
当然経済効果も数千兆円であり、世界中のTV局はフェスの放送権を巡って億単位の費用を投じ、わずか数分で放送枠が完売。他にもフェスに関連する曲のCDや書籍といった商品も一種類につき数千万~億と
いう数が売れるが、それらはあくまで一時的な経済効果に過ぎない。
一方、優勝した料理人はスーパーコックという称号が貰え、料理人としての地位や名声はもちろんのこと、この先何十世代に渡っても決して使い切れない程の財が湯水のように入ってくる。
200年の歴史を持ち、作中で行われたフェスは第50回目。過去49回で優勝した料理人はザウス(14回)、節乃(28回)、ブランチ(1回)、ユダ(2回)、千代(4回)の5名のみ。
第1回はジョアが優勝したが、数々のルール違反が発覚した事により失格となり、次点の節乃が優勝となった。
種目
- トライアスロンクッキング
予選1回戦。トライアスロンと料理を合わせた種目で、ゴールの調理場で作った料理が美味かった上位50名が勝ち残る。
まず米の砂浜ライスビーチから750m沖にあるたこ焼き島をスイムで往復し、先着順で食材を選ぶ。つまりタイムが速い選手が美味な食材をゲットでき、遅い選手は逆に料理の技術で食材をより美味しく調理しなければならなくなる。
次は選んだ食材を出前用の自転車で運ぶバイク。ルートは複数存在(アニメではデリバリー峠、豆腐荒野、天然の石橋を走る)し、楽なコースは距離が長い一方、近道は猛獣が生息する険しいコースである。当然だが欲張って多くの食材を選びすぎると運びづらくなる。
最後はマラソン。途中(アニメではコンペイ峠を越えた先のおかか丘)にある給水所ならぬ給具所に選手の調理器具が置かれており、それを手に入れてゴールに向かう必要があるが時間が経つと閉じられてしまい、その場合一般の調理器具で調理しなければならない。
小松にとっては運動面が不利で、スイムでは高級食材を全て持っていかれたが食材に好かれる才能を持つ彼にとっては大したハンデにはならず。
その様子を見たブランチに気に入られ、彼の助力もあって小松はメルク包丁を使わずに勝利。アニメでは小松はダイヤモンド級の甲羅を持つ蟹「カタカニ」を96.2度の油で9分と6.2秒で揚げ、甲羅もパリパリに頂ける「渚のチャーハン」(米は勿体無いからとライスビーチのを使用)を作った。
- 天秤デスクッキング
予選2回戦。原作では省略され、アニメでようやく描写された。
巨大な天秤皿の上でお互い全く同じ食材を調理する。相手より早く調理すれば使用した食材の分だけ天秤が軽くなって皿が上がり、逆に遅ければ下に傾くという仕組みで、皿が下がるほど炎に近くなる。
そしてお互い料理が完成したら客に早く完食してもらった方が勝ちとなる。
わぶとらはモルス油だけでなくすぐに高温となり素早く食材が揚がる「瞬間湯沸かし油」で揚げ物小皿を一瞬で調理。美食屋四天王曰く「揚げ物が得意でない高齢者も楽しんで喜んで食べられる」「味だけでなくボールメンチカツ、唐揚げ、トンカツを一口サイズに食べやすくしている」「沢山の料理を見ただけで満腹にならないよう客に少しずつ料理を出し、食欲を刺激して食べさせている」とのこと。
一方で小松は皿が下がりきったタイミングでモルス油と巨大なミンチを投入し、火が通るのに時間がかかる特大ハンバーグを調理。ついでに常温ではコロっとした硬さだが加熱するとトローリと溶けるコロットローリチーズもトッピングし、食べる箇所によって味も違うジャンバーグを完成させた。
すると客は小松のジャンバーグの方に流れていく。
小松曰くモルス油は濃厚だけどサラサラでしつこくなくどんどん食べられる一方で、瞬間湯沸かし油を混ぜると食材は早く揚がるが、ほんの僅かしつこくなってしまうとのこと。
サンドガーデンで猛暑を経験し、グルメカジノでのグルメテイスティングでどんなに不利な状況でも諦めず冷静に考えていたココの姿、皆で分けて食べれば食欲も増してより美味しく頂けるというトリコの考え。四天王との狩りに同行したランク88位の小松がランク14位のわぶとらに勝利した瞬間である。
- 一島丸ごとクッキング
予選3回戦。こちらもアニメでのみ描写。
クッキングアイランド周辺の島々の中から一つを選び、その島の食材を丸ごと捕獲・調理するのだが(周囲の気候は恵まれている為、草木はすぐに生え揃うので環境に配慮する必要は無い)、選手は会場からパートナーを一人選べる。料理の腕だけでなく食運も試され、食材が豊かな島を選べればそれだけ有利になれる。なお島の食材を勝手に食べたら失格。
この種目で決勝トーナメントに出場する選手は32名に絞られる。
節乃はののと共に可愛らしい食材が豊富な乙女島へ。
ココとタイランは毒食材だらけの毒々島へ。毒抜きが難しい特殊調理食材だが、毒のお陰で外敵が居ないので身がよく育っている「ポイズンサソリ」の丸焼きで勝利。
ゼブラとブランチはギガン島へ。もちろん二人共喧嘩となり、巻き込まれて気絶した猛獣をブランチがギガ肉盛りに調理。
サニーとユダは薬膳島へ。サニーは薬膳食材が美容に良さそうだと気に入っていた。
ザウスはゾンゲを選び、島ほどの大きさの烏賊「イカサマ島」をデコピンでノッキング。姿焼きにしようと呟いた。
小松はもちろんトリコと共にグルメ島を選ぶが他の料理人は誰も選ばず。その島は食材は豊富な反面どれだけ捕獲してもすぐ再生するため途方に暮れていたところ、島の栄養及び旨味が丸ごと詰まった水を吸収して育った海中の島ことオイースター島が浮上。
トリコのフライングフォークをものともせず突撃してきたが10連釘パンチで殻が開き、極上の身が顕に。
島で捕獲したアーモンドの香ばしさを持つレモン「レーモンド」を絞ると更に美味く、カキフライも用意して勝利。
- 闇料理対決
決勝トーナメント1回戦。お互い何も見えない暗闇の中で食材を選び、調理する。中には激マズ食材や特殊調理食材も存在するため、一つのミスが命取り。
この種目の途中で美食會が攻め込んできたため、第50回フェスは中止となった。
美食會、NEOとの争い
シャボンフルーツ編終盤にて、料理人達を拉致している美食會が一ヶ月後に開催されるフェスに現れる事を懸念したIGOから、第0ビオトープから光才老と栗坊、第1ビオトープからマンサムと茂松とリンがフェス会場に派遣される。
予想通り美食會は上記の決勝戦の途中で会場に到着し、副料理長以下のメンバーや多数の灰汁獣と超大型の新型GTロボに加えて、ニトロまでもが攻め込んできた。
料理人を守るべく、美食屋四天王や料理人達が激しく争う中、両陣営に紛れ混んでいた第三勢力「NEO」が暗躍し双方は大打撃を受けてしまう。
トリコはスタージュンに敗北し、小松はトリコに蘇生包丁を施す事を引き換えにスターによって攫われ、残る三人も戦闘不能に追い込まれる。後に美食會も総本部を襲撃され、多くの幹部連中がNEOに寝返ってしまう。
そしてグルメ界で三虎がメテオスパイスを放ったことで三つ巴の戦いは休戦となり、人間界はIGOの備えた防衛網で多くの人々が無事だったものの、食材枯渇によって壊滅状態に陥ってしまった。
なおアニメ版では中盤以降が改変されており、ジョアの乱入に気づいたトリコとスターは一旦戦いを止め、フェス会場へ戻る。
そこからは次郎、節乃がジョアに洗脳された鉄平をノッキングし、四天王とスターは小松を守るべくジョアと対峙。最終的に自らのグルメ細胞を制御したトリコがジョアを退け、メテオスパイスによる被害も人間界壊滅とまでは至らなかった。