概要
母親をプッチ神父に殺され、G.D.st刑務所にこっそりと住んでいる少年。
11歳と自称しているが正確な生年月日は不明。(2000年生まれなのは間違いない。)
G.D.st刑務所に収監された母親が刑務所内で出産し養育されたという経歴を持ち、刑務所外の世界は知識としてしか知らず就学経験も無い。父親や母親については劇中で明確に描かれてはいないが、母親がスタンド能力者であった事が判明している。
子供ながらも博識であり二進数の計算や美術品の知識はもちろんヘリや車といった乗り物の操作も出来る。スタンド能力についても精通しており、エルメェスにスタンドを教えたのも彼である。
博識な一方で、外の世界を知らないためか初めてG.D.st刑務所の外に出た際には本でしか見たことのないガソリンスタンドやバス停を見てはしゃいだり、脱獄囚の身からバスに乗れないことにしょげたりなど年相応の幼さも持っている。
プッチ神父の存在を危惧しており、徐倫と承太郎の刑務所内での面会を警告する為に登場して以降、仲間であるウェザー・リポートとナルシソ・アナスイを徐倫らに対面させるなど、サポート役として随所で活躍した。
作中ではフルネームが明かされていなかったため、pixivでは「エンポリオ」タグの方が多く使われている。
スタンド
「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」
【破壊力 - なし / スピード - なし / 射程距離 - なし / 持続力 - なし / 精密動作性 - なし / 成長性 - なし】
物体の幽霊を操ることができるスタンドであり、スタンド像は持たない。作中ではピアノやパソコン等の幽霊が登場しており、いずれも本体のエンポリオによって使用可能。
ただしあくまでも「幽霊」であり、拳銃の幽霊は発砲しても着弾することは無く、現実世界に影響を与える事は不可能。そのほか壊れたり飲食して消費してもいつの間にか修復されており、逆に現実世界からの影響も受けないことが窺える。
また部屋にはマーズチョコレートとフロリダオレンジジュースがそのまま置かれているがそれらも物体の幽霊なので食べたとしても身体をすり抜けて空腹を満たすことはできない。それでも味はするらしくエンポリオ曰く結構美味しい。
物体の幽霊は必要な時以外は実体化させないで置くことが出来るらしく、劇中でエンポリオは握りこぶしからブラウン管モニターの古いパソコンとキーボードを瞬時に出現させていた。
物語の終盤ではスタンド能力が変質したのか、通じていなかったはずの携帯電話で承太郎との連絡が可能だったり、着弾しないはずの拳銃をプッチ神父に向けて構えたりと、現実世界へ影響力を持っているかのような描写がなされている。
エンポリオの知識はスタンド能力によって「本の幽霊」を幼少から多数読んできたことに由来する。また、この能力が遺憾なく発揮できるのも、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所が過去に火事になり改修されたこと、言わば刑務所内に「屋敷の幽霊」がいることに関係が深い。エンポリオはこの能力で、過去に焼失した刑務所の音楽室に隠れ住んでいた。なお、殺害されたエンポリオの母親もこれに似たスタンドを持っており、それを利用して秘密裏にエンポリオを出産・育成していたことが単行本にて明かされている。
このように見せかけの部分が強く、直接戦闘にはまったく向かない。前作に登場したミスター・プレジデントに近い支援的な能力と言える。
このため戦闘でもエンポリオが敵を倒したりすることはなかったのだが────。
※以下、ネタバレ注意
運命は決まっていて変えられない………
……のなら………
おまえに変えてもらう事にしたよ……
おまえの腕が入口のスキ間でぼくの頭に押し込んだんだ
【破壊力 - A / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - A】
プッチ神父のメイド・イン・ヘブンに仲間たちが全員殺され、徐倫のおかげで唯一、新たな世界にたどり着いたエンポリオは、自分たちにとって因縁深きグリーン・ドルフィン・ストリート刑務所に佇んでいた。
世界の一巡が目前にまで迫ったその時、プッチ神父が現れエンポリオの抹殺を宣言。エンポリオ一人で太刀打ちできるはずもなく恐怖を露わにしながら逃げ惑う。
そして『部屋』に逃げ込むも神父は手を伸ばし、引きずり出されそうになる。
しかしそこでエンポリオは思わぬ奇策に転じた。なんと、神父の手を利用し、ホワイトスネイクによって作られたスタンドDISCを自らに押し込んだのだ。
※漫画では徐倫がDISCを渡したような描写は無かったのだが、アニメ版では徐倫がイルカから糸を切り離す際に、切り離された糸と繋がったDISCがエンポリオの胸元に一瞬見える描写がなされた。
それはウェザーから徐倫が受け取り、その徐倫を承太郎やアナスイ、エルメェスが守り、そして徐倫からエンポリオへと受け継がれたウェザーのスタンドDISC「ウェザー・リポート」であった。DISCを押し込めたエンポリオは
みんなが繋ぎ、自身に託してくれたウェザー・リポートの力をついに覚醒させる。
その瞬間、怯えて逃げまどっていた少年の顔つきから、亡きウェザーを思わせる冷静さに満ち溢れた精悍なものへと変貌。神父との最終決戦に突入する。
「ウェザー・リポート」を宿したエンポリオの決死の反撃は、天候を操る能力を利用した純粋酸素の拾集であった。その力でエンポリオは部屋の中に純粋酸素を大量に集めこむ。
それは地球に生きる生物にとって必須の大気であり、同時に最も身近にある『猛毒』。
その濃度は空気中では40%以下でなくてはならなず、100%純粋な酸素を吸えば人体の細胞分子なら電子を奪って「酸化」させ、次々と組織を破壊し、やがて死に至る。
加速した時間の中であろうとそれは変わらない為、スタンド能力の実態を把握せずに安易に時間の加速能力で事態打開を図った結果、短時間でエンポリオより多量の純粋酸素を吸ったプッチ神父は自らの能力を逆手に取られ、細胞が破壊され立つことさえ出来なくなる。
エンポリオ「わからないのか? おまえは『運命』に負けたんだ」
プッチ「ほざくな小僧……!」※
エンポリオ「ぼくひとりじゃあない……ぼくをここへ送り込んだ徐倫おねえちゃんの意志だ! ウェザーも、F.F、エルメェス、アナスイ、それに承太郎さんもだ! みんな未来なんか知らなくても『覚悟』があった! 覚悟ができていなかったのはおまえだ プッチ!」※
「『正義の道』を歩むことこそ『運命』なんだ!!」
プッチ「やめろォオオオオ 知った風な口をきいてんじゃあないぞオオオオオオ」
「このちっぽけな小僧がああああああああああ」
※ アニメ版で追加された台詞
命乞いをし、それが敵わないと知ると本性を現す神父。最期はウェザー・リポートの拳により頭蓋骨を砕かれた挙げ句、猛烈なラッシュを喰らい死亡した。
ウェザーも知らなかった能力をエンポリオが使えたのは、知識の差と思われる(そもそも上記の酸素=猛毒の解説をしているのはエンポリオである)。
主要キャラとしては唯一生き残ったものの、プッチ神父が死亡した事で世界はまた別の世界へと再構築され、エンポリオはその世界に以前の世界の記憶を持ちながらただ一人投げ出されるという悲しい結末を迎えた。だが物語の最後、エンポリオはその素晴らしい世界で徐倫達の生まれ変わりと思しき女性達と巡り会うことができた。彼女に名を問われたエンポリオは、溢れる感情を抑えながら声を振るわせこう言った。
「ぼくの名前は…
エンポリオは彼女達の車に乗せてもらう。彼を乗せた車が雨の中から虹のかかる青空へと走り去る場面で物語は幕を閉じる。
なお、今でもエンポリオのその後は描かれておらず、一切不明である。
声優
関連イラスト
関連タグ
フー・ファイターズ エルメェス・コステロ ナルシソ・アナスイ ウェザー・リポート 空条承太郎