「この仮頼谷一樹は 愚民共(こいつら)とはわけが違うのだ」
概要
ぶどうヶ丘派出所の青年警察官。東方良平の部下。クレイジー・Dの悪霊的失恋におけるラスボス。
少年時代、吸血鬼の祖父から“万能の真実”にまつわる話を聞かされたことで歪んだ精神を植え付けられる。以後は自分を特別と見て他者を見下すようになる。
(祖父に関しては上記の吸血鬼のリンク先を参照)。
大人になった頃に祖父から吸血鬼にしてもらう(エキスを与えられる)予定だったようだが、その前になぜか祖父は失踪してしまった。
その後、ペットサウンズを従えたことで念願であった人類の頂点に立ったと考える。だがこれで終わりではなく、今度はトト神も手に入れることで“過去”と“未来”を我が物にしようとする。
同時に、ペットサウンズを取り戻しに来たホル・ホースと東方仗助の抹殺も目論む。
性格
普段は善良な“お巡りさん”の仮面を被っているが、内心では常に他者を見下している。
祖父の教えである「頂点を目指す者は下らぬ誇りや信念などに拘らず、最終的に勝てばよかろうの精神でいればいい」を実践しており、自分の邪魔をする者も邪魔になる者も容赦なく排除しようとする。
劇中では清原幸司にペットサウンズを貸し与え、ホル・ホースと東方仗助にけしかけさせた。だが清原は仗助に拘束され、そこを良平によって逮捕された。
用済みとなった清原をペットサウンズによって恐慌状態にするという形で口止めを行った(これにより清原は精神鑑定が必要という判断をされ、裁判が長引くこととなった)。
こんな性格の男だが祖父のことは慕っていたようで、今でも「お祖父様(おじいさま)」と呼んでいる。
能力
自分の身体の一部を食べた者と同調する能力。ペットサウンズは小動物のスタンド使いのため本能に影響を受けており、スタンドは使えるがそれで何かをするという考えが持てなかった。
そこに付け込んだ仮頼谷は、自分の意志でペットサウンズの能力を発動させることが可能となっている。
結末
2巻では笑顔でボインゴに近付き、気絶させてトト神を奪うことに成功する。続けて花京院涼子も捕らえて人質にした。
まずはボインゴに涼子の衣服を着せ、建設現場まで“涼子”を助けに来た仗助を罠に掛ける。仗助が涼子ではなくボインゴだと気づいて驚いた瞬間、ペットサウンズの能力を発動。DIOに配下が殺された時の過去を体験させる。
しかし仗助は自分たちの首にロープを巻くことで脳に送られる血液を減らして幻覚を打ち破る。
3巻では戦いの舞台を屋上に移し、再び仗助を幻影に捕らえる。今度はダニエル・J・ダービーがDIOとポーカーをした時の過去を味わわせる。その間に仗助に近付き、ガスバーナーで身体に穴を空けて殺害しようとする(建設現場に入り込んだ不良がガスバーナーで事故死した、というシナリオを考えていた)。
だが間一髪のところで仗助はペットサウンズにダメージを与えてまたもや幻覚から逃れる。
咄嗟に仮頼谷は「良平の部下」を名乗って仗助の背後に回り込み、ガスバーナーを手に襲い掛かる――というところで殴り飛ばされ失敗に終わる。
仗助曰く「オレみたいなナリしてるヤツを見たら警官は応援を呼ぶ。本気で心配して声を掛けるのはじいちゃんくらいだ」とのこと。
仗助「あんたがオウムを利用してオレ達を襲ってたんかよッ
一応聞いとくが一体どーゆーつもりだったんだ てめーはよお」
一樹「~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
仗助「あっ?? 何だって!? 聞きとれねーぞッ もっとはっきり大きな声で喋れよッ」
一樹「~~~~~~~~ッ
くくく くくくくくくくッ
…まんまとこの位置まで誘き寄せられたな!? このバカがッ
と言ったんだよ!!」
仗助が近付いて来たところで最後の足掻きとしてペットサウンズの能力を発動。最大最強のスタンドのラッシュを味わわせることで逆転を計る。
「オレを倒しただけで安心したな!? オウムにトドメを刺さずにいたなッ
オレとペットサウンズはあくまで別の個体
本体を動けなくすればスタンドも動けなくなるというルールは通用しねえんだよッ
先天的にスタンド能力を持っているからといって図に乗るなよッ ヌケサクがぁ!!!
オレは遥かな高みから お前ら人間共を見下してやるのだァアア!!!」
……が、しかし。仗助は幻覚に掛かっていなかった。
既にペットサウンズは嘴にヒビを入れられており、正確な鳴き声が出せない=鳴き声でのスタンド能力が発動出来ない状態となっていたのだ。
しかも仗助の“治す”能力によってペットサウンズの体内にあった自身の一部(耳たぶ)を取り出され、自分の耳に治されてしまう。こうなってはもうペットサウンズを操ることは出来ず。
仗助「そういやさっき 遥かな高みとかなんとか言ってたよなあ
なら お望み通りにしてやるよ」
逃走を試みるも屋上では逃げ場などなく、ドラララッシュを叩き込まれ敗北。
大きな布とガスバーナーを肉体にくっ付けられ、人間熱気球として空高く飛ばされてしまうのだった。
その後、木に引っかかっているところを良平たちに発見されたが……
「この仮頼谷一樹は 全ての生物の頂点に立ったのだッ
うけ…うけけけけけッ」
という妄言を吐くだけの精神状態になっており、まともに会話も出来なくなっていた。ペットサウンズの能力で恐怖とトラウマを人々に植え付けた悪党は、同じく恐怖によって再起不能となったのだった。
なお、仮頼谷は無断で拳銃を持ち出していたため逮捕・処罰などを受けることになると思われる。
関連タグ
東方仗助:祖父を慕っており正義感の強さを受け継いでいる。
カーズ:こちらは正真正銘生物の頂点に立った男。だが空高く飛ばされ考えるのをやめた。
ヴァニラ・アイス:敬愛する吸血鬼からエキスを与えられた青年。
虹村億泰:幼少期の頃、既に親族が吸血鬼の配下になっていた。
吉良吉影:4部ラスボスということでセルフオマージュが見られるが、実は対照的な点も多い。