概要
1996年からスタートしている、SEGA開発のアーケードゲームシリーズ。
現在は『初代』『2』『Ⅲ』『4』と、初代の前日譚である『オーバーキル』、4の後日談である『4SP』が存在する。
またギャグ回として『愛されるより愛シタイ 〜THE HOUSE OF THE DEAD EX〜』も密かに稼働中。
『4SP』以降は10年以上新作の発表はなかったが、2018年に『スカーレット・ドーン』が稼働を開始した。(ナンバリングとしては5作目の扱い)
なお、理由は不明だがその際に名称が「ハウス・オブ・ザ・デッド」と微妙に変更されている。
正式名称は『THE HOUSE OF THE DEAD』と英語で表記される。略称は『HOD』。
いわゆるガンシューティングゲームであり、停止とスクロールを繰り返す画面の中でゾンビを撃ち続け、ステージボスを倒して面クリアを重ねていく形式となっている。
特徴として、作中に登場するゾンビのほとんどは人間由来のものではなく『ミュータント』という独自の生命体として設定されている。
この為バイオハザード等とは異なり、『Ⅲ』や一部のエンディングを除いて人間がゾンビ化する事例は少なく、この事がボスデザインの自由さや、同じ姿のゾンビが頻出する違和感の解消に一役買っている。
そもそも作中においてこれら敵が『ゾンビ』と呼ばれる事は無く、ゾンビというのはその外見から便宜的に付けられた呼称に過ぎない。しかし、ゲーム雑誌や公式でゾンビと呼ばれることは多い。
ちなみに、ステージボスにはオーバーキルを除いてタロットの大アルカナの名前が付けられている(現時点で未登場なのは、「No.XV The Devil」と小アルカナ)。
派生版も存在し、シューティングの代わりにタイピングでゾンビを打つ『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』や、ピンボールゲーム版『ザ・ピンボール・オブ・ザ・デッド』などが発売された。
家庭用も発売されており、xbox、PS3、Wii等(初代はセガサターンでも)で本編をプレイすることが可能。
また外伝作品として、『ダイナマイト刑事』ライクの格闘アクションゲームの『ゾンビリベンジ』も存在する。
日本語で『死者の館』を意味するシリーズ名は、初代の舞台であるゾンビまみれの不気味な洋館(後述)に由来している。
ただし『2』以降は街中や巨大施設での戦いに終始し、いささかタイトルの意味が無くなってしまっている(『SD』では久々に終始洋館が舞台となっている)。
なお2003年には映画化されているが、ゾンビが従来の蘇った死者として扱われ設定が生かされていない事からファンの間での評価は低い。
時間軸はOVER KILL→1→2→4→4SP→SD→IIIの順。
主な作中要素
ルート分岐
本作最大の要素の一つ。
本編に登場するステージには要所要所で分岐点が登場しており、プレイヤーの選択によって同じステージでも異なるルートを楽しめるようになっている。
『2』までは基本的に人質救出(後述)、『Ⅲ』以降は選択肢を撃ってルートを選べる。
ルート分岐はステージの難易度変化に関わる他、ボス戦の形式が大きく変わることもある。
また全シリーズを通し、スコアを一定量稼いでクリアする事で、スタッフロール後のおまけムービーも変化する。
ぞんざいなプレイでクリアしてしまった者には後味の悪い結末が…
人質救出
一般人を襲っているゾンビを、危害を加える前に倒すというイベント。
倒した場合はステージが別ルートに分かれたり回復アイテムが貰えたりするが、間に合わなかった場合は何も得られず、更に人質を誤射した場合はライフが減る事となる。
また多くの人質を助けた場合、ステージ終了時にもライフ回復が行えるメリットがある。
不評だったのか『Ⅲ』では敵に囲まれた相棒を救出する方式に変更。誤射した際のペナルティーは無くなった。
『4』ではこのシステムは完全に撤廃された。
余談だが『2』では子供の一般人の人質もおり、誤射してしまうと当然死んでしまう。(当時はCEROがなくこのような表現はメーカーの自主性任せだった)
ボスの弱点
全てのボスには弱点が存在しており、戦闘開始時にプレイヤーに開示され、そこを撃つ事で相手の攻撃をキャンセルすることができる。が『Ⅲ』以降からキャンセルゲージが表示されるようになり、何発も撃たないとボスの攻撃をキャンセルできない。
弱点以外の部位は撃ってもほとんど効果が無い為、救済措置というよりはボスを手ごわくする為の要素と言える。
シリーズ初代としての『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』
HODシリーズの第一作目。年代記では第二作目の作品に当たる。
ゾンビが研究員を襲う洋館に二人の男が突入し、黒幕の野望阻止を目指す。
ガンシューティングでゾンビを倒すというゲームは当時としては珍しく、画面に近づいて攻撃してくるゾンビがホラー的にもシステム的にも受け入れやすかった事からヒットを呼び、以降のシリーズ化を決定させた。
発売された年代もありポリゴン等はやや雑なものの(とはいえ当時では最新鋭基板だったMODEL2を使用しており同年代では破格のグラフィックである)、それ故かグロ描写の規制もゆるく、撃ち方によっては容赦なくゾンビの腕や胴体が吹っ飛びまくる。攻撃直前のゾンビの腕を吹き飛ばしてダメージを免れるなどということもできた。今ではあり得ない普通の人間のゴア表現もあったりする。
稼働当初はゾンビの血の色は赤がデフォルトで、内部設定で他の色に変えられるというふうになっていた。
しかし、余りに生々しいとクレームが殺到した上、稼働後にあの『酒鬼薔薇事件』が発生し、セガ直営店では一律緑色へと設定変更、以後の移植・新作ではデフォルトで緑色になり、赤色の選択肢自体がなくなった。
なお分岐システムの中でも、敵から攻撃を受ける事で分岐するルートがあるのは本作のみである。
あらすじ
主人公『トーマス・ローガン』と『G』は国際諜報機関『AMS』からの指令により、パニックの中で切られたとみられる不可解な電話と、研究員失踪事件の関連を調べ始めた。
そして科学者『Dr.キュリアン』がマッドサイエンティストに変貌し、非人道的な人体実験を行っていることを突き止め、彼が実験を行っていた洋館『キュリアン邸』に潜入し、生物学的に改良されたミュータントの群れを目にする。ローガンとGは自らの知力と拳銃を武器に、ミュータントが外の人間に危害を加える前にキュリアンを見つけ出し止めるために奔走する事となる…
登場キャラクター
人間
主人公。国際諜報機関『AMS』の隊員であり、キュリアン邸でのゾンビ打倒と恋人の救出の為に戦う。
相棒である『G』曰く、「真っ直ぐで正義感に溢れた男」らしい。
ローガンの相棒。2P側がゲームに参加した際、そちらのプレイヤーキャラとなる。
本名不明で謎の多い男だが、身体能力や精神力は強く頼れる仲間として活躍する。
ローガンの恋人であり、Dr.キュリアンの研究所で働いていた女性。
作中では後述するゾンビ『Chariot』の攻撃を受け、キュリアンの阻止を託し倒れてしまうが……?
キュリアン邸の主にして、天才生物学者の男。
生物学的ゾンビ『ミュータント』を駆使して人類の駆逐を企んでいる。
Dr.キュリアンの息子。SS版で言及されるのみで、その当時は病弱な少年だった。
カレッブ・ゴールドマン
2の黒幕。
ステージボス
Type 27 Chariot
- No.VII
- ヒューマノイド(スカーレット・ドーンにはサイブリッド)
- 突撃隊
- 鎧の右胸のひび以外は破壊不可
ステージ1のボス。
SFチックな鎧と斧を武器にしたゾンビ。
Type 041 Hangedman
- No.XII
- ビーストマン(コウモリ型)
- 猟人
- 非武装
ステージ2のボス。
コウモリの羽で自在に空を飛ぶビーストマン。
Type 6803 Hermit
- No.IX
- インセクトイド(カニグモ型)
- 地域防衛
- 頭以外は破壊不可
ステージ3のボス。
狭いトンネル内でプレイヤーを迎え撃つ、爪と粘液を繰り出すカニグモ型インセクトイド。無断侵入者を防ぐための地域防衛用として製作された。
Type 0 Magician
- No.I
- アンドロイド(サイブリッド)
- 殲滅
- 右顔、左上腕、右下腕、左太股、右脛以外は破壊不可
最終ステージのボス。
キュリアンの最高傑作である『人の上に立つ生物』。
主な雑魚ゾンビ
スキンヘッドと飛び出た内臓が目立つゾンビ。数が多く量産型らしい。
黒服を着たサムの上位互換ゾンビ。攻撃は爪ではなく拳である。
両手に斧を装備したゾンビ。斧投げ攻撃が撃ち落とし辛い。
映画「シュガー・ラッシュ」では悪役お悩み相談会に参加しており、モータルコンバットの悪役カノウに心臓を抜き取られたが、ゾンビなので平気だった。
何故か日本人っぽい名のミイラ型ゾンビ。一番倒しやすい雑魚キャラ。
苔まみれの朽ち果てたゾンビ。しかし体力は高く奇襲を得意とする。
ヘドロ状に体が溶けたゾンビ。水中から襲いかかって来る。
オーバーオールを着た上級ゾンビ。チェーンソーを攻防両方に使用する頭脳派。
肥満体だが素早いゾンビ。ドラム缶を投げつける怪力を持つ。
ガチムチ角刈りのイカついゾンビ。攻撃もベントリー並みの力まかせ。
サイモンの上位互換ゾンビ。左半身が無敵の装甲で覆われている。
皮膚の無い筋肉むき出しゾンビ。ハンマーを武器に殴りかかって来る。
ギルモアの上位互換。髭とロン毛が特徴的で、銃弾を弾く鉄球を操る。
ヘビ型ゾンビ。大量発生して交互に飛びかかって来る。
注意点
本作はどんなにスコアがあっても全ステージをクリアしない限り、ランキングに登録することができない。
残念な事にこの問題点は以降のシリーズも改善されてない。
関連タグ
せがた三四郎:「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」を扱ったCMが存在する。