『サイクロン!スカル!』
概要
『風都探偵』において語られた、サイクロンメモリとスカルメモリを用いて変身するとされる、仮面ライダーWのフォーム。
敵組織である『街』の情報収集で示唆される、シュラウドが想定していたとされる本来のW。
「シュラウドがダブルドライバーを託したのは鳴海荘吉であり、左翔太郎の同行と荘吉の死は完全に想定外のことであった。ゆえに、本来は荘吉がフィリップの相方としてWに変身していたものである」と『街』のリーダーである万灯雪侍は仮定した。
この場合、荘吉は引き続きスカルメモリを用い、この姿を基本フォームとしていたのではないか、と考察されている。
もしW用の6本から選ぶ場合、武器性質の近いトリガーメモリを選びサイクロントリガーを用いたのではないか、と予想もされている。
精神干渉波に耐性のあるフィリップに加えて、荘吉もスカルメモリの特性で精神干渉波攻撃を無効化できていた可能性があるため(あるいは彼も耐性持ちか)、シュラウドが実際に想定していた究極のWと同じくテラーの力を無効化できていたと思われる。
しかし、荘吉の急死と想定外の人間がWに変身してしまったことで、シュラウドは新たな人選を余儀なくされた。
劇中ではスカル側のデザインは不明となっていたが、『仮面ライダースカルの肖像』でついに姿が初公開。漫画版と違いサイクロン側にも変化が出ている。
顔はサイクロンジョーカーに似ているが、骸骨の口の意匠がソウルサイドのサイクロンにも出現している。胴体はボディサイドがスカルそのもの、ソウルサイドは色こそサイクロンだが胸部のデザインがスカルのものになった。また、マフラーはスカルと同じものが首に巻かれている。
ファングジョーカー同様一方のメモリがもう片方の範囲にも影響を与えていることから、スカルメモリがファングメモリ同様強力なメモリであった事が伺える。
本編を踏まえての評価
『街』のメンバー達は同時に「それだけでミュージアムに勝てていたとは思えない」「ダブルは左翔太郎とのサイクロンジョーカーが基本形態だからこそ最強の戦士となりえた」と分析して結論付けている。
この最大の要因とされているのが、ジョーカーメモリの特殊な性質と、翔太郎がジョーカーと非常に高い適合率を持っていたことにある。エクストリームメモリはメモリの能力を極限まで引き出すが、これに加え感情により限界を超えるジョーカーメモリの力もあったからこその強さである、と考察され、『街』が自分達にもジョーカーの力が必要と考えるに至っている。
また、エクストリームメモリに初めて取り込まれて以降、フィリップの能力が向上したためにWの変身が不安定になる不具合が発生している。翔太郎は感情と気合で克服しエクストリームを使える状態に至ったが、これが後にジョーカーメモリと翔太郎の特性として説明されたことにより、荘吉とスカルメモリでは同じ状況に対応できずエクストリームに至れない可能性もある。
この問題はシュラウドも気付いていたようで、Wより後で製作されたアクセルドライバーには、使用者とアクセルメモリの力をブーストする機能が設けられている。
こうした経緯から、本来のWではあっても、結果論としてこのWでは数々の戦いに勝利し続けることはできなかった、初期プランゆえの不完全な姿という位置付けで言及されている。
余談
- 玩具版で再現できるにはできるが、メモリの仕様上音声が思いっきり被ってしまう。
- 『仮面ライダーW』の初期案では1人の主人公・フィリップ(※という名の翔太郎ポジション)がおやっさんの魂を身体に宿らせてダブルに変身するという案も存在した。サイクロンスカルは、ある意味ではこの初期案に近い形態だったのかもしれない。
関連タグ
サイクロンアクセルエクストリーム:同じくシュラウドが想定していた本来の究極のW。こちらはフィリップと照井竜で変身したWである。