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ガエリオ・ボードウィンだ!火星人は火星に帰れぇぇ!!

概要

武力組織「ギャラルホルン」に所属する特務三佐。

監査局付きの武官であり、マクギリス・ファリドの補佐を務める。

モビルスーツパイロットとしても優秀で高い練度を誇り、MS戦では高速機動と突撃槍による一撃離脱戦法を得意とする。

彼が駆るシュヴァルベ・グレイズガンダム・キマリスガンダム・キマリスヴィダールもまた、その戦闘スタイルに併せてランスユニットを装備する。

組織を束ねる「セブンスターズ」の一家門ボードウィン家の出身であり、初代ボードウィン家当主であるガーギン・ボードウィンの子孫。飄々とした態度や若干粗暴な言動が目立つものの、育ちの良さもあって正義感が強く、火星出身者と地球出身者のハーフであるアイン・ダルトンの身の上や経歴について差別しないなど、相応の礼節は弁えている(しかし、石動・カミーチェが生まれで全てが決まらない平等な世界を望んでいると発言した際には、自身もマクギリスに理想の世界を夢想させられ騙されたこともあって同じく手駒とする為に見せただけのまやかしと称して哀れみながらも切り捨てている)。

腐敗の進むギャラルホルンの改革を強く望んでいるが、人体改造に対して嫌悪感を抱いており、阿頼耶識システムの施術を行った者を「人間ではない」と断言するなど、彼自身その腐敗の中で育まれた思想から脱却出来ていない。

また、物事の一側面だけを目にして残りすべてを断定するという物事の捉え方には特権階級故の純粋ともいえる傲慢さが見え隠れする。

更に言うと同じセブンスターズの中でも直属の部隊を保持しているラスタル、部下からの人望の厚いカルタやイオク、革命の為に大勢の同志が立ち上がったマクギリスと比べるとあまり人望があるとは言えない(部下と明言できるのはアイン1人だけであり後述に決起する際も父親の名前を使用していた)。

同じセブンスターズの一門ファリド家の出身であるマクギリス、及びイシュー家出身のカルタ・イシューとは幼馴染の関係。

特にマクギリスに対しては経歴を抜きにその能力を認めており、彼の隣に立つに相応しい友人となるべく、彼の本心と向き合おうと努力を重ねている。

また、妹のアルミリア・ボードウィンとは口喧嘩が絶えないが、彼女の事を憎からず思っている一方、彼女とマクギリスとの政略結婚については「親友が妹を押し付けられた」と思っている節があり、その事もあって何かとマクギリスの事を気遣っている(また、彼自身にも縁談が何度も持ち上がっているが、任務を理由に度々家を空けており、その事をアルミリアから咎められる事も多い)。

監査官としてギャラルホルン火星支部へ派遣されたマクギリスの護衛として彼に同伴。桜・プレッツェルの経営する農園で三日月・オーガスと邂逅し、火星低軌道で鉄華団を追撃した際にお互いが敵である事を認識した事で因縁浅からぬ間柄となった(ただし、この際に一悶着あったため三日月に対して快い感情を抱いておらず、また三日月からはマクギリスの行動の印象も相まって「チョコレートの隣の人」と認識されている。後に再会した際も名前を聞き間違えられ「ガリガリ」と呼ばれており、その名で呼ばれる度に怒りを露わにした)。

その後はマクギリスと共に地球へ帰還。アインを部下に加え、乗機をガンダム・キマリスに替えアインに自身のシュヴァルベ・グレイズを託し鉄華団を追撃する。

ガエリオにとって鉄華団追撃は、当初は火星で煮え湯を飲まされたことへの腹いせでしかなかった。だが、アインと交流を深める内に彼の一途さに心打たれ、鉄華団追撃の目的は、上官の敵討ちというアインの悲願達成へと変化していった。

しかし、セブンスターズの立場を以ってしても自由に立ち回るには権限に限界があり、行き詰った末に地球外縁軌道統制統合艦隊を纏めるカルタを頼るが、その際の戦闘に於いてアインは瀕死の重傷を負い、彼の治療の手立てを得る為に奔走。しかし、機械的な手段でしか延命出来ない事を知り、最終的な手段として自分たちが忌諱する阿頼耶識システムに手を伸ばす。

カルタを喪いながらもエドモントンに侵攻した鉄華団を迎撃するべく阿頼耶識システムによってグレイズ・アインと一体化したアインと共に出撃、三日月らと対峙する。が、彼の前に現れたのはグリムゲルデを駆るマクギリスであり、マクギリスにとってガエリオもまた、打倒するべき目標の一つに過ぎなかったことが明らかとなる。

そして、戦闘の最中にマクギリスの理想実現の為に自分とアイン及びカルタが利用されていた事を知り、彼への怒りをぶつけるも、より強い怒りの中で生きていたマクギリスに彼の想いは届かず、敗北。

共にギャラルホルンの変革を望んではいても、内部からの是正を願いながらも無自覚ではあっても自身が唾棄してきた連中と同じくクーデリアを妨害し既得権益を守ろうとするガエリオと一度破壊してからの再生を目指すマクギリスには埋めがたい大きな溝が存在していたのだ。

その後、表向きは戦死の報がなされていたが、実際にはセブンスターズの一角であるラスタル・エリオンによって命を救われ、以降は彼の庇護の下、これまでの素性を仮面に隠し、アリアンロッド艦隊ヴィダールとして“復讐”を掲げ、ギャラルホルンの改革を進めるマクギリスの真意を確かめる為に「仮面騎士」を演じ、暗躍(なお、一期終盤であの状態から、自分が何故生き残れたのかは疑問を抱かなかったらしい)。

三日月らに対抗する目的でアインの脳を取り入れた擬似的な阿頼耶識、「阿頼耶識タイプ・Eシステム」を搭載したガンダム・ヴィダールを乗機として行動、やがてマクギリスの本質が「本来尊ぶべき感情を疎んじ、力に執着する」一点にあると判断したことで仮面を外し、ヴィダールではなく「ガエリオ・ボードウィン」としてかつての親友を逆賊として討つと宣言。

そして、アリアンロッド艦隊に合流した後に改めてラスタルへの協力を申し出、ガンダム・ヴィダール改め、真の姿であるガンダム・キマリスヴィダールを駆り、マクギリスと相対した。

また、仮面を被り名を伏せる中でパラダイムシフトを経験し成長したのか、ジュリエッタ・ジュリスに戦う姿勢と覚悟を説き、阿頼耶識に対する嫌悪感から唾棄すべき存在としていた三日月らに対しても自らの非を認め謝罪している(ただし、積極的に和解を模索しているというわけではなく、「対等な敵手として認め、正々堂々と迎え撃つ」との意味合いの方が強い)。

尤も、物事の捉え方や性格に変化は無く、これがマクギリスに指摘される「すぐに他人を信用する」(自分に対しての一面だけを捉え残りも同じと判断する)という欠点に繋がっている。これに関してはガエリオも自覚しているが、上記の発言をしたのが自分と仲間を裏切った張本人なので深く言及はしなかった。

後に、単身突撃してきたマクギリスとのガンダム戦での死闘の末MS戦は相打ちに縺れ込んだ。ラスタルらに一矢報いようとバエルを降りてきた瀕死の彼の前に、再度仮面を付けたヴィダールとしての姿で登場し、銃にて彼に致命傷を負わせ、その結果彼の想いの丈、マクギリスからの本音を耳にし、首を締め彼の言葉を遮る形にはなったが彼の死を看取る事となった。

最終回、マクギリスが起こした騒乱から数年後の病院で、阿頼耶識TYPE-Eを除去して自立歩行が再び不可能になった彼は車椅子に腰掛けながら療養している姿が描かれている。ただ、見舞いに来たジュリエッタに軽口を叩き、「食事をしていく時間くらいあるのだろう?」と言っていること、終いには車椅子を高速で彼女に押されていることから、どういう経緯で彼女と仲がよくなったのかは不明だが、楽しくやっているようで、「あいつのことをもっと早く理解できていたなら・・・」と言っていることからマクギリスを討ち取ったことに対しても、かすかに自責の念を抱えているようである。

一期終了後、既に彼は危篤状態であったようで、ラスタルに助け出された際には動くこと、喋ることもままならなかったようで、それをアインに施した阿頼耶識のデータを元に作られた疑似阿頼耶識有機デバイスを埋め込むことで、動けるようになった様子。

それ故に最終話ではアインの脳を取り入れた擬似的な阿頼耶識「阿頼耶識タイプ・E」システムに関する物を全て取り外してしまったが故にモビルスーツ乗りとしては、廃人と化し、再び車椅子生活となることを余儀なくされたようである(鉄ラジ最終話にて語られた) 。

余談

脚本を務めた岡田麿里氏のインタビューでは、「当初はマクギリスの友人程度にしか考えていなかったキャラクターだが、松風雅也氏の演技を受けて、役割を大きく変えることになった」と発言している。 これは収録現場でも周知の事実なようで、鉄血のラジオCDでは島﨑信長氏が「早めに死ぬ予定だったキャラが例えば生き残ったりだとか未来が変わったりみたいなこともあるようだということはすごく聞いている」と発言している。

岡田氏は終盤の展開について、「ガエリオに託した」とまで発言しているが、主人公の三日月が「ジュリエッタら無名の兵士達に倒される」末路を迎えることが早めに決まっていたことを考えると、託されたのはマクギリスに引導を渡す役であったのかもしれない(実のところ、ガエリオはそれ以外の部分について、それほど大勢に影響を及ぼしてはいない)。

またソロモン72柱に由来するガンダムがたくさん出てくる今作であるが、中の人である松風氏の(声優としての)デビュー作かつ主演作「KAIKANフレーズ(1999年)」で主人公の大河内咲也が所属するバンド・リュシフェルも由来が悪魔の一種・ルシファーに由来している。このため、16年後に同じ中の人が演じるキャラも「名前が悪魔に由来するガンダム」に乗るという偶然が発生する事となった。

それだけではなく同バンドにはマクギリス役の櫻井孝宏氏が演じるキャラ(永井良彦)もいたりする。つまり松風氏は櫻井氏とデビュー当時からいきなり付き合いがあったわけである。

SDガンダムシリーズでは

「マクギリスの親友」、「三日月達に立ちはだかる敵」という2つの要素をそれぞれ抜き出して描かれている。

SDガンダム外伝シリーズ

新約SDガンダム外伝 新世聖誕伝説では、本編とは、違い本当にマグギリスの親友となっている。ギャルホルン帝国の騎士であったがマクギリスと同様月の悪と呼ばれる機重奇神ジークドミヌスに操られて機騎士ガンダム・キマリスになって、度々騎士バルバトスと戦った。正気に戻ったマクギリスとの戦いの中、正気を取り戻し、新たな姿となったエイハブメイルを覆い、鉄血の騎士の一員としてバルバトス、グシオンイベイク、フラウロス、バエル、と共に機重奇神ジークドミヌスに戦いを挑んだ。本編では、敵であったがSDガンダム外伝では、味方となり鉄華団とマクギリスと共に機重奇神ジークドミヌスと戦った。

SDガンダムザ・ラストワールド

こちらではガンドランダーシリーズの敵である『クルガングレイズ』として登場。

ハシュマルを模したヘイムダムというモンスターを服従させており合体する事で『邪鉄王クルガングレイズ』となる。

厳密にはガエリオ個人だけではなくアインとイオクの要素も混ざっているのだが主人公に対する大ボスとしてのポジションを見る限りキャラとしてのメインはガエリオと思われる。

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