概要
武者(SD戦国伝)・騎士(SDガンダム外伝)・コマンド(SDコマンド戦記)に次ぐ新シリーズとして1990年にスタートした。
デザインは当時レイアップに所属していた絵師・ガンマ浜田こと浜田一紀。自画像がフルフェイスヘルメットのひと。『武神綺羅鋼』編のコミックワールドも担当し、後年ハロボッツのSDデザインも手がけている。
またバンダイ側の担当者であるガンドラ中西こと中西浩之(にゃご神の後任)もあちこちの漫画に登場しており、印象に残っている人も多いだろう。
商品展開はガシャポン戦士とカードダスを中心にしており、デラックスボンボン誌上では友杉達也による漫画版が連載され、単行本全7巻が刊行された。
ガンドランド大陸の住人に人間型の種族は存在せず、モンストロ・スレイヤー種(略してMS種)には「非常に長命である」「腹部から大気中のエネルギーを摂取する」などの設定がある。
最大の特徴は体の各部に生物的な角あるいは棘を持つことで、また背中にはマントの代わりにチューブ(コード)状のパーツをまとめたものがある。
設定上は「過去とも未来ともつかない平行世界」となっているが、先史時代・古代文明をモチーフに取り込んだファンタジー世界を舞台とし、根幹的なイメージソースは映画『ハイランダー 悪魔の戦士』(1986年)とされている。
…が、ガンドランダーシリーズの特徴的なデザインやストーリー展開等に『ハイランダー』との明確な相似性はなく、一部のキャラクター名(クルガンサザバルガ等)に小ネタが見られる程度。
また、『ハイランダー』は1991年以降続編となる映画やTVドラマシリーズが公開されているが、これらもガンドランダーシリーズに影響を及ぼしてはいないようである(要検証)。
BB戦士コミックワールドでは、ガンドランダー系のセリフが関西弁になっている(かなりガラが悪い)。武者ナイトコマンドランダーガンダムも参照。
闇の黙示録編
第一作(1990年)。ガシャポン戦士でマーク5まで、カードダスはマーク2までリリースされた。
キャラクター名が他のSDガンダムより強めにアレンジされており、モチーフとなったMS等がわかりにくいという特徴がある(愛好家にとってはこれが魅力の一つ)。
ストーリー
若き領主ガンドランダーとその仲間たちが、天から降ってきた伝説の『星』を巡り、魔道王サザバルガ率いる赤い盗賊団との戦いを繰り広げる。
魔封の聖剣編
第二作(1991年)。ガシャポン戦士でマーク4まで、カードダスは一弾全21種のみリリースされた。
また本作の主人公スペリオルランダーはBB戦士で商品化された唯一のガンドランダー系キャラであり、同じく主人公格のアレックスランダーと、三人の主人公が合体した姿であるフェニックスランダーが元祖SDガンダムで商品化されている。泣くな嘆くなゼファードプラス。
ストーリー
前作の戦いから百年後、神殿で武術修行に励んでいた三人の若者が魔封の聖剣を折ってしまい、太古の魔物たちを目覚めさせてしまう。三人は新たな聖剣を作るための冒険に向かう。
竜の守護神編
第三作(1992年)。ガシャポン戦士でマーク4およびマークファイナルまで、カードダスはネオバトルカードに統合されている。
ちーびー戦士として超竜守護神フォーミュランダーJr.が商品化されている。
ストーリー
第一作と第二作の中間に当たる時代、フォーミュランド大陸の竜女王ビギナ・ギナが豹変し、召喚された異次元の魔獣によって大きな混乱が起きる。事態を収拾すべく、竜の守護神を復活させる聖戦士たちの戦いが始まる。
復活の星勇士編
第四作(1993年)。当初からシリーズの総決算的な位置づけと予定されていたが、事実上の打ち切りによってガシャポンは第二弾をもってファイナルとされ、コミックボンボン増刊号で連載スタートしていた漫画版の新章も第2話で終了(単行本未収録)。
ストーリー
第三作から一年後、邪神グランザムの手によってクルガンサザバルガが蘇り、新生赤い盗賊団によってガンドランド大陸の英雄たちは封印されてしまう。残された戦士たちの窮地に星勇士(スターロード)たちが飛来し…
終局、そして復活?
難解なモチーフやストーリー展開の複雑さゆえに商業的には苦戦を強いられたが、一部で言われているように「人気が低迷したため打ち切られた」だけとは言い切れない部分もある。
1993年当時はSDガンダム全体が業績不振により事業縮小の方向に舵を切っており、SDコマンド戦記(第四作グレートパンクラチオン編)とガンボイジャー(スタート直後の新シリーズ)も未完のまま強制終了の憂き目に会っている。
一方でSDガンダムの原作に相当するリアルタイプのガンダムは(TVシリーズとしては6年ぶりの新作である)『機動戦士Vガンダム』が放映されガンプラの売り上げを伸ばしており、関連市場全体が大きな転換期を迎えていたともいえる。
またここでの打ち切りは回避したSD戦国伝とSDガンダム外伝も、翌年以降の『アナザーガンダム』という潮流の中で試行錯誤の綱渡りが続き、『SDガンダム聖伝』(1997年)や『ムシャジェネレーション』(2000年)など、人気作となりうるポテンシャルを持ちながら短命で終わったシリーズが散見される。
実際、ガンドランダーシリーズの強烈なデザインと独特の雰囲気が残したインパクトは大きい。
近年、進化したガシャポンや食玩のラインナップにガンドランダー系のキャラクターが起用され、ファンを驚かせる事例もある。
『アルティメットバトル』で闘神ヴォーディンランダーという新キャラクターが登場している。
『SDガンダムザ・ラストワールド』では、第一作『闇の黙示録編』から三千年前を舞台とした『ガンドランダーZERO』が設定され、この時間軸から召喚されたバルバトランダーとクルガングレイズが登場。
実際、鉄血のオルフェンズのワイルドさガンドランダーとの相性の良さを見ている人はいた。
時空の旅人である騎士ユニコーンガンダムもガンドランド大陸に訪れている。
初代主人公
ここまではシリーズ名としての『ガンドランダー』について述べたが、『ガンドランダー』は作中に登場するキャラクター(メイン画像)の名前でもあり、さらに父親であるダッドランダーから「ガンドランダー領の領主」の地位を受け継いでいる。
『闇の黙示録編』の中で二度に亘るパワーアップを経験しており、「ガンドランダー」→「ニューガンドランダー」→「ガンドランダーG(グレート)」と進化している。
『復活の星勇士編』で星勇士レオーネランダーとして復活登場。
余談
新SD戦国伝『超機動大将軍』に登場する闘覇五人衆は、主人公である武者號斗丸以外の四人に「天宮の外からやってきた異邦人」という設定が為されている。
真紅主はマゼラン大陸(SDコマンド戦記)、鷺主はスダ・ドアカワールド(SDガンダム外伝)、輝龍は影舞乱夢(新SD戦国伝 地上最強編)をそれぞれ故郷としているが、冒流斗の出身地だけは具体的に明言されていない。
が、冒流斗の容姿、「ボルトランダー流」と称する戦闘スタイル、関連するコミック作品等の小ネタ等、ガンドランド大陸出身者であることが示唆されている。
ハイランダーの舞台はイギリスだが武者頑駄無ではロシアが舞台という可能性がある
関連タグ
ヴァルキランダー・・・ガンダムビルドダイバーズRe:RISEに登場するガンプラ。
ドラゴンと女神の戦士2つの姿を持つアストレアFのSDガンプラだが、なんとベースはガンドランダー。
ナナチ・・・メイドインアビスの登場人物で、ナナチの角がガンドランダーに由来したものである事がつくしあきひと氏から言及された。