概要
厄祭戦後期に開発された「ヴァルキュリア・フレーム」を採用したモビルスーツ。
機体名はワーグナーの歌劇「ニーベルングの指環」に登場するヴァルキリーに由来し、その名には「仮面の守護」の意味が含まれている。
深紅の装甲と、兎の耳(正確には羽飾り)のように後方に伸びた二本の頭部アンテナが特徴的な機体であり、専用の近接格闘兵装の存在も相まって甲冑を纏った騎士のようなシルエットを持つ。
パイロットは仮面の男モンタークことマクギリス・ファリド。彼が代表を務めるモンターク商会が所有する機体であり、主にギャラルホルンの一員である事を隠して行動する際に使用される。
鉄華団に協力する為にシュヴァルベ・グレイズに代わり運用した他、マクギリスの部下である石動・カミーチェが偽装形態であるヘルムヴィーゲ・リンカーを運用した。
機体を構成するヴァルキュリア・フレームは、ガンダム・フレームと同じく長期に渡る戦争の局面を打破すべく開発され、軽量化による機動力強化と、エネルギー効率の向上を重点に置いて設計された。
同時期に開発されたガンダム・フレームにも匹敵するポテンシャルを秘めていたものの、結果としてガンダム・フレームの跳梁跋扈によって歴史の陰に隠れる形となってしまい、生産数も少なく実戦データも僅かしか残されていない。
しかし、簡素かつ洗練された設計にありながら高い性能を発揮するヴァルキュリア・フレームは、戦後ギャラルホルンによって再評価され、同組織の主力モビルスーツ開発の母体として採用された。
設計思想と基本構造はギャラルホルンの主力であるEBシリーズへと受け継がれており、現行の機体であるグレイズにも、その意匠は色濃く残されている。
グリムゲルデはヴァルキュリア・フレームのコンセプトを反映し、高機動近接戦闘を得意とする。
軽量化によって宇宙・地上双方で小回りのきく機動を可能としているが、その結果重心の制御を困難としており、更に機体の軽さが攻撃の軽さにも繋がってしまっているため、対象に効果的な打撃を与えるには高い技量を要するなどパイロットを選ぶ機体となっている。
頭部にはグレイズと同じく高感度センサーが内蔵されており、これを展開して戦闘対象のデータを解析する。
機体データ
型式番号 | V08-1228 |
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全高 | 18.5m |
本体重量 | 29.2t |
動力源 | エイハブ・リアクター |
使用フレーム | ヴァルキュリア・フレーム |
武装 |
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パイロット | モンターク(マクギリス・ファリド) |
武装
ヴァルキュリアライフル
装弾数に優れた大型のドラムマガジンが目を引く射撃兵装。口径は110mm。
その形状は機体の重量バランスを考慮して設計された専用の物であり、グレイズのライフルよりも長銃身だが難なく取り回す事が出来る。
非使用時はマガジンを側面に回してリアスカートにマウントされる。
ヴァルキュリアシールド
両腕部に装備される専用シールド。
縦長の独特な形状を持ち、裏面にはヴァルキュリアブレードをマウントする為のラッチが備わっている。
ヴァルキュリアブレード
特殊な超硬金属から精錬された近接格闘用兵装。
非使用時にはヴァルキュリアシールドの裏面にマウントされ、シールドに装着したままラッチを回転してブレードを展開する事も可能。
軽量で取り回しに優れ、他の武器にありがちなパワーと質量で「叩き壊す」「叩き斬る」鈍器としての性質よりも、刀身の硬度と切れ味によって「切断する」刃物としての性質により特化した代物。二刀流も相俟って素早い攻撃を連続で繰り出せる上、これを使用するグリムゲルデの機体重量であっても、利点である機動力を損なうことなく優れた威力を発揮する。ただし、真価を引き出すには重心バランスに大きく左右されるため、そのコントロールを見誤った場合は敵機の防御に容易く攻撃を弾かれる危険性が高く、扱いには相応の技量が必要とされる。
余談だが、同じ合金の剣を持つガンダム・バエルの設定からMSのフレーム材に用いられる稀少金属を精錬したものとされる。
バリエーション
ヘルムヴィーゲ・リンカー
型式番号V08Re-0526。
ヴァルキュリア・フレーム機の一機「ヘルムヴィーゲ」のデータを基にグリムゲルデを偽装した機体。
詳細はヘルムヴィーゲ・リンカーの項目を参照。
ヘルムヴィーゲ
型式番号V06-0526。
ヴァルキュリア・フレーム機の一機。グリムゲルデを偽装した機体「ヘルムヴィーゲ・リンカー」のオリジナル。
詳細はヘルムヴィーゲの項目を参照。
オルトリンデ
型式番号V03-0907。
ヴァルキュリア・フレーム機の一機で、ギャラルホルンの内部統制部隊「オレルス」に所属するジジル・ジジンの乗機。
詳細はオルトリンデの項目を参照。
ジークルーネ
型式番号V07-0126。
ヴァルキュリア・フレーム機の一機。
詳細はジークルーネの項目を参照。