人種の概要
DLCの舞台である「影の地」の先住民族であり、頭部から何本も生えた捩れ角(“混じり角”とも呼ばれる)が特徴的な人種。この角は彼らが古き坩堝の諸相を宿している証とされる。
おもに「塔の街、ベルラート」を拠点として栄えていたが、メスメル軍の聖戦と称した大侵攻により、現在ではその大半が殺し尽くされている。
輪廻転生の概念や精霊信仰、神獣「獅子舞」といった民族宗教的な要素を多く携えている。神事のために勇士を募っており、中でも神獣獅子舞に扮することのできる者は「勇人」と呼ばれ深く崇敬される。
精霊をその身に宿すことで人ならざる膂力や天候の力を操る神降ろしの技術を持ち、この力を振るう戦士や術師が各所にエネミーとして現れる。
ちなみに伝統料理は影の地でよく見るサソリを黒い汁で煮込んだ「サソリ煮込み」。
狭間の地の癒しとも言える壺人の発祥でもあるが、発祥の製法は筆舌に尽くしがたい所業であり、その行為がマリカの怒りを買ったのは想像に難くない。
ボニ村に出てくる角人の大壺師が解体包丁を手に襲い掛かってくることからもその所業が察することができるだろう。
狭間の地において角が生えて生まれてきた赤子が「忌み角」として地下に幽閉されるなど、人として扱われないような存在となっているのもこの過去に由来すると思われる。
また、各種フレーバーテキストから得られる情報によれば、彼らは角を神聖なものとして自分たちを選ばれた種族と考える選民思想が強く、奴隷や病人を迫害し、信仰対象を脅かす存在はたとえ同胞であろうと徹底的に弾圧している。その野蛮で排他的な思考は、皮肉にも彼らを滅ぼした狭間の地の者たちと何も変わらないと言える。
奴らもまた、無辜なる善などではない
ただ、敗者となったにすぎぬ
おもな角人
角の戦士
頭に大量の角が生えている仮面を被り、大曲剣を携えて戦う重装の戦士。特大武器二挺持ちの攻撃ですら怯まないという異常なまでの強靭を誇り、数多の褪せ人を葬った強敵。また、一部個体は神降ろしの力によって天候を操り、雷槍や霜踏みといった凶悪な技を繰り出すことができる。詳細は該当項目へ。
呪剣士
おもに影の地の外れを徘徊しており、逆手剣(見た目上はチャクラム)と体術を織り交ぜながらこちらに襲いかかってくる。機敏な動きで翻弄しながら出血を蓄積してくる難敵。元は即身仏として土地神にならんとする修験者であったとされる。詳細は該当項目へ。
責問官
ローブを纏い面布で顔を覆った術師タイプの角人。手にした逆棘の燭台から火炎や「黄金の弧」「スピラ」などの祈祷を放ってくる。何故か異様に太った個体も存在する他、ボス個体として「責問の古老、イオリ」が登場する。罪人に刑罰を与える役職であり、心の迷いを避けるため精神的に成熟した老人達が担当しているという。
人蝿
文字通り人間と蝿の中間のような姿を持つ化け物だが、その正体は奇病によって肉体が変質してしまった角人である。強くはないが複数で集まっていることが多く、毒液を吐いたり掴み攻撃をしてくる。特に呪剣士との戦闘中に邪魔されると危険。
大壺師
前述のとおり、角人の因習の中でも特に陰惨な壺作りの神事を生業とする「ボニ村」の住人。気味の悪い「毛蟲の仮面」を被り、ふんどし一丁で解体包丁を振り上げ突進してくる。素っ裸ゆえ防御面はお察しな上に戦技「刃研ぎ」をしている間は隙だらけなので簡単に倒せるが、その所業と変態的な見た目が恐怖をかき立てる。
角人の老婆
ベルラートの倉庫で眠っている老婆のNPC。神獣獅子舞の戦闘ムービーで祈りを捧げているのはこの人物である。街を焼き払ったメスメルとマリカ達を「裏切り者」「奸婦の子ら」と呼んで憎悪し、神獣が彼らに報いを与えてくれるよう祈り続けている。
褪せ人に対しても当初はメスメルの手先と断じて敵意を剥き出しにするが、老齢のせいか伸び過ぎた角のせいか、こちらをはっきりと視認できていない様子がある。老婆の信仰する「神獣」に扮した姿で話しかければ、違った一面を見ることができるだろう。
人物の概要
…あの捩じくれた、影の大樹に向かうがいい
そして、精々殺し合え。黄金樹に与するもの同士でな
『エルデンリング』DLCに登場する人物。角人の復讐者の装束を纏い、毛蟲の仮面を被った双曲剣「ファルクス」を振るう剣士。本名は不明であり、専ら「角人」とだけ呼称される。
影の地にて、針の騎士レダをはじめとする同志と共にミケラを追う旅に参加する。集団の中で唯一影の地出身で、土地勘があるためか「影樹の破片」が落ちているミケラの十字の場所が書かれた地図を主に渡してくれるが、彼だけは思惑が異なる。
元は影の地に住む角人の一人であったが、角人の都市「塔の街、ベルラート」を永遠の女王マリカの命を受けたメスメル軍が侵攻し、ベルラートは陥落。愛する妻子と母親を失い、彼はマリカ達「黄金樹の民」への復讐を決意する。その憎悪は凄まじく、ミケラへの臣従よりもメスメル達への復讐に傾倒している部分が見受けられる。
他の同志達も彼の思惑は看破しており、レダに至ってはミケラに仇成す可能性があるとして注視している。また、彼自身も決して他人とは馴れ合おうとしない。
角人の老婆のイベントを進めることで彼女から貰えるアイテム「サソリ煮込み」を渡すことが出来、渡すと故郷の味を懐かしむ様子を見せ、礼としてアイテム制作素材「焼炉の面」を貰える。2度目はサソリ煮込みを渡そうとしても断られてしまう。
彼のストーリーを進め、ミケラの魅了が壊れた後、影の城、内部の召喚サインで「レダと共に角人を斃す」「角人に協力してレダを退ける」の2ルートに分かれる。
レダに協力した場合
出血属性付きの双曲剣「ファルクス」の戦技「復讐の刃」による連撃と白い弾を5発作り出し、時間差で相手に飛ばすアイテム「角水子」を使う難敵。特に角水子はフルヒットすると即死級のダメージを受ける為絶対に回避したい。強靭と防御力が低いためレダと共に猛攻を叩き込もう。
粛清に現れたレダを忠義面の雌犬と罵り、主人公に対しても駄犬の類と罵倒し失望と共にミケラの魅了の意図に気づいたような様子も見せ、最期は戦火で失った両親と妻子へ詫びながら事切れる。
粛清後、彼の防具一式と双曲刀「ファルクス」を入手、またレダに話しかけるとタリスマン「刺し貫く交差樹」を入手できる。
…すま、ない…
母よ。愛する、妻よ。幼…
角人に協力した場合
レダは接近戦では避けにくくこちらのバフも解除する戦技「針の貫き」、離れた相手には祈祷「重なり合う光輪」で攻めてくる強敵だが角人の戦技による連撃に対応している隙を突いて戦おう。
粛清に現れたレダを忠義面の雌犬と罵るが、主人公に対しては急な加勢を訝しむ。レダは主人公の協力した理由に角人の境遇への同情かと問い、愚かではあるが人の情に理解を示す。
角人に協力してレダを退けた場合は戦灰「速斬」、アイテム「レダのルーン」を入手できるが、レダイベントはここで終了となる。
俺の復讐を、邪魔するな…
協力してレダを退けた後、影の城の深部、種の保管庫のボス「串刺し公メスメル」戦でボス部屋内に召喚サインを出しており(なお、大司祭、ユミル卿のイベントも進めていた場合夜の剣士ヨラーンもボス部屋内にサインを出しており召喚できるのは角人かヨラーンのどちらか片方となる)ここで彼を召喚してメスメルを倒すか、召喚せずに倒すかでイベントがまた分岐する。
共闘した場合
メスメル!一族の仇よ!
火の報いを、今こそ、お前に刻んでやるぞ!
出血の状態異常の付いた手数の多い双曲剣の連撃で出血により大ダメージを与えてくれる心強い味方だが強靭及び防御力は低めの為メスメルの猛攻の前に倒れてしまう事も多い。
メスメルを倒し、家族の仇を討った後、主人公へも感謝の言葉を述べるが同時に復讐を止める気はなく、ミケラの救いも拒み、マリカと黄金樹に連なる者たちすべてに刃を向ける事を明かす。
…ミケラが、その救いが、復讐を忘れさせるのなら
俺は、もはや、そんなものは要らぬ
その後、ラウフの古遺跡の朱い腐敗の遺跡内でかつての復讐者の様に復讐に狂った角人が侵入してくる。
倒すと防具「角人シリーズ」と曲刀「ファルクス」を入手し、角人イベントは終了となる。
召喚せずメスメルを倒した場合
…ああ、母よ。愛する妻よ、幼子よ
復讐は、もう何処にもないのか?
…我が刃は、何を刻めばよい…
仇を討つ相手を先に主人公に倒されてしまい、ボス部屋内で嘆く姿が見られる。この分岐の場合針の騎士レダと同志たちとの戦いで現れ、彼と戦う事となる。
お前が、黄金樹の、マリカの王ならば
確かに、復讐に相応しい
即死級の威力を持つ角水子で乱戦に横槍を入れられるのが非常に危険なため最優先で倒しておきたい相手の一人。強靭、防御は低いため仲間と協力して早めに倒しておこう。レダと同志たち撃破後に大広間に出現する遺体から彼の防具一式と双曲刀「ファルクス」を入手できる。
…ミケラよ
一族を、救って…