概要
狭間の地の各所にボスもしくは復活しない通常エネミーとして登場する、かつて最初の王、ゴッドフレイに仕えた重装の騎士たち。
身に纏った赤褐色の鎧は原初の黄金樹、生命の坩堝の力が宿る赤みを帯びた黄金とされ、その表面には脈管にも似た紋様が浮き出ている。
本編では大剣と盾を装備し斧飾りを冠した個体、大槍を持ち大樹飾りを冠した個体の2種類が登場し、それぞれの意匠は坩堝の騎士の二大筆頭である騎士オルドビス、騎士シルリアとその部下たちを象徴している。
一方、坩堝の騎士の最古参とされる騎士デボニアは、既に狭間の地を去っているようだが…
坩堝の諸相
坩堝の騎士が駆使する、翼や尾など様々や生物の身体器官をその身に生じさせる異形の技。影の地においてはメスメル軍に属する黒騎士のうち特に手練れの者たちもこれを習得している。
かつて生命に近しい原初の存在であった黄金樹もと、あらゆる生命が混じり合った坩堝たる様に由来する力とされている。
この坩堝の名残りは古い時代、人の身体に部分的な先祖返りとして様々な諸相を生じさせ神聖視されていた。(中でもかつて巨人の身体に生じたとされる全ての諸相が混ざった巨大な塊は、塔の神話にて「坩堝の母」と呼ばれている)
しかし時代や文明が進むにつれ、やがて諸相は秩序なきものとして蔑まれ、穢れとして扱われるようになる。その内の1つである混種はこの諸相を持って生まれ、坩堝に触れた罰の存在であるとして虐げられてきた者たちの総称である。
角人たちは、坩堝を神聖視する
その洗練された進化の先に
彼らの角、混じり角があるのだから
戦闘
大剣を持った個体と大槍を持った個体とで戦闘スタイルが異なるものの、どちらも騎士らしく武器を振るう攻撃と、彼等の主の十八番でもある踏み込みとともに地面を隆起させる技を使う。
更に体力が半分近くまで減ると諸相の力を解放し、より厄介な攻撃を織り交ぜるように。
総じて動きはやや緩慢で予備動作も分かりやすいが、高い攻撃力と堅牢さを兼ね備えた強敵である。
強靭が凄まじく高く、よっぽどの攻撃を加えない限り全く怯まずにこちらを攻め立て続けてくるうえ、耐性面も強固で弱点となる属性はこれといって存在せず、出血が無効であるなど状態異常の通りも悪い。
また、聖杯瓶を使用すると積極的に狩ってくる性質があり、回復のタイミングには気をつけたい。
正攻法としては攻撃を堅実に避けながらこちらの反撃を差し込むか、パリィを狙うのが主な戦い方となる。
特にパリィは比較的取りやすい上に武器を用いた攻撃ほぼ全てに有効なため、彼等との戦闘でパリィを練習したというプレイヤーは少なくない。
意外なことに戦技「命奪拳」も有効である。
大剣
大剣による攻撃の他に、大盾を構えて突進し相手を突き上げるシールドバッシュを繰り出す。こちらと見合っている時はほぼ盾を構えていることもあり、大槍持ちに比べて隙の少ない厄介な相手。
体力減少による行動パターン追加後は、翼を生やし滑空しながら突進する攻撃のほか、個体によって尻尾による薙ぎ払いか喉袋を膨らませて炎を吐く攻撃のいずれかを繰り出すようになる。
大槍
盾を持たず大剣持ちよりは後隙が分かりやすい一方、大槍による攻撃はリーチに優れる。
距離を大きく離すと槍から衝撃波を飛ばす遠距離攻撃を放つ。
体力減少による行動パターン追加後は、翼を生やし滞空してから一気に強襲する攻撃と、肩に角を生じさせ突進する攻撃か片手を角に変化させて貫く高威力の掴み攻撃のいずれかを繰り出すようになる。
登場個体
ボス
坩堝の騎士(嵐丘の封牢)
リムグレイブの嵐の丘方面にある「嵐丘の封牢」で戦うことができる大剣持ちの坩堝の騎士。
封牢での戦闘のため遺灰は使えず、早い段階で挑むとかなりの苦戦を強いられる序盤の強敵。
倒すと「坩堝の諸相・尾」を入手。
混種の戦士&坩堝の騎士
ケイリッドの「赤獅子城」にて最奥の広場で戦うことになる複数ボス。(ラダーン祭り開催中は出現しない)
最初に戦闘になるのは混種の戦士のみだが、時間経過もしくは体力が半分近くまで減った段階で大剣持ちの坩堝の騎士が増援に現れる。
乱戦になる前に混種の戦士の方を早急に処理し、坩堝の騎士1人に集中できる状況に持ち込むのが望ましい。
坩堝の騎士、オルドビス
アルター高原にある「アウレーザの英雄墓」のボス。大剣持ちのオルドビスに加えてあろうことか大槍持ちの坩堝の騎士との2体同時戦闘となる。
オルドビスや後述のタニスの騎士は通常の攻撃パターンの他に、大剣を回転させて地面に叩きつけ衝撃波を発生させる固有の攻撃をもつ。
アウレーザの英雄墓自体がかなり厄介なダンジョンである上にただでさえ単体でも強いボスが複数という難所であるため、隙を狙ってパリィ狙いやヒットアンドアウェイで削る、耐久やタゲ取りに優れた遺灰に分断してもらうなど、戦略的な戦い方が求められる。
撃破により「オルドビスの大剣」と坩堝(斧)装備一式が手に入る。
坩堝の騎士、シルリア
深き根の底にフィールドボスとして登場する大槍持ちの坩堝の騎士。
正面から正々堂々と戦うこともできるが、遠距離攻撃手段があれば近くの建物の屋根から一方的に削ってしまうことも可能。
倒すと「シルリアの樹槍」が手に入るほか、シルリアの背後にある宝箱からは坩堝(樹)装備一式を入手できる。
タニスの騎士
火山館にて常にタニスの側に従うように立っている大剣持ちの坩堝の騎士。作中では珍しく褪せ人に敵対的でない個体だが、NPCのように話しかけたりすることはできない。
冒涜の君主、ライカード撃破後、ライカードの元へ移動したタニスを攻撃すると敵対NPCとして侵入してくる。
倒すと「坩堝の諸相・喉袋」を入手。
霊呼びつむり(行き止まりの地下墓)
湖のリエーニエの南西にある「行き止まりの地下墓」のボス。
ボス部屋に入ると坩堝の騎士の霊体が召喚され、これを倒すと本体である霊呼びつむりの姿が視認できるようになる。ある程度攻撃を加えると再び姿をくらましつつ霊体を召喚するため、ボスを倒すにはまず坩堝の騎士を倒してから霊呼びつむり本体を攻撃し体力を削る必要がある。(ただし、実は姿が見えなくても攻撃を当てることは可能なので、霊体を無視して透明なままの霊呼びつむりを殴り続ければ坩堝の騎士をまともに相手せずとも戦闘が終わる。)
何度も召喚を繰り返しているとやがて大剣、大槍2体の坩堝の騎士を同時に召喚してくるようになるため、戦闘が長引く前に本体を倒してしまいたい。
その他
ストームヴィル城
城壁下層の昇降機前に大剣持ちの個体が1体。
倒すと「坩堝の諸相・角」を落とす。
永遠の都、ノクローン
「四鐘楼」から行けるエリアに大剣持ちの個体が1体。
「シーフラ川の水道橋」エリアには大剣持ちと大槍持ちの個体が各1体ずつおり、倒すとそれぞれ「坩堝の角盾」と「喪色の鍛石【6】」を落とす。
王都ローデイル
大槍持ちの個体が計2体。
崩れゆくファルム・アズラ
大剣持ちの個体が計2体。
ファルム・アズラの獣人たちと敵対している。
DLC『SHADOW OF THE ERDTREE』では
影の地の北西に位置する、かつて坩堝の生命が息衝いていたとされる自然豊かな地「ラウフの古遺跡」。
そんなエリアの中腹にあたる一角にて、兜に槌飾りを頂き、大槌で武装した特異な姿の坩堝の騎士が登場する。
必ずしも戦う必要はないが、撃破により「デボニアの大槌」と「デボニアの槌兜」を入手できる。
パリィ不可の大槌による重い通常攻撃、地割れを伴う振り下ろし、武器を回転させ叩きつけるお馴染みの大技に加え、胸にミランダフラワーを生じさせ光の降雨を呼ぶ、下半身を六本足の獣の身体に変化させ半身半獣姿で駆け回り踏みつけで地割れを発生させるなどインパクトの強い新たな諸相の力も披露し、狭間の地で戦った坩堝の騎士たちとは全く異なる強敵として多くの褪せ人たちの前に立ちはだかった。
なお1体しかおらず復活しない特殊な強敵ではあるがボスではなく、名前が表示されず体力バーも雑魚敵と同じ扱いのため、プレイヤーは撃破後のアイテムから初めて「騎士デボニア」の名と素性を窺い知ることができる運びとなっている。
デボニアは、坩堝の起源を追い求め
一人黄金樹を旅立ったという
アイテム
- オルドビスの大剣
原初の黄金の古い聖性を宿す大剣。坩堝の騎士の筆頭の一人、騎士オルドビスの得物。
筋力寄りかつ信仰にも補正をもつ。
専用戦技「オルドビスの渦」は坩堝の渦の力で剣を激しく回転させ、地面に叩きつけ衝撃波を発生させる技。タメ使用で衝撃波が強化される。
- シルリアの樹槍
生命の坩堝たる様を模した大槍。坩堝の騎士の筆頭の一人、騎士シルリアの得物。
こちらも筋力、信仰向きの補正を持つ。
専用戦技「シルリアの渦」は樹槍を回転させ、風の渦を纏って突き出す技。タメ使用で射程の長い風の渦を前方に放つ。
- デボニアの大槌
打撃面に生命の奔流が刻まれた、原初の黄金の古い神聖を宿す大槌。坩堝の騎士の最古参、騎士デボニアの得物。
やはり筋力、信仰に補正を持つ特大武器。
専用戦技「デボニアの渦」はオルドビスの渦の特大武器版といった具合で、オルドビスの渦と同じく回転させた大槌を地面に叩きつけ衝撃波を発生させる技。
- 坩堝の角盾
坩堝の騎士たちが用いる、敵を穿ち貫くための太い曲がり角が突き出た大盾。
シールドバッシュの戦技を持ち、盾としては攻撃性能が高い。
- 坩堝シリーズ防具
坩堝の騎士たちの鎧一式。兜、胴鎧は「坩堝の斧兜」「坩堝の斧鎧」と「坩堝の樹兜」「坩堝の樹鎧」の2通りがあり、手甲と足甲はどちらも共通。更にDLCにて「坩堝の槌兜」が追加された。
全ての防具が坩堝の諸相に属する祈祷の威力を強化する付帯効果を有する。
- 坩堝の諸相・喉袋
古い黄金樹の祈祷のひとつ。
喉袋を生じさせ、歩きながら炎属性のブレスを吐く祈祷。タメ使用でFPを消費しながら炎を吐き続けることができる。
- 坩堝の諸相・尾
古い黄金樹の祈祷のひとつ。
しなやかな尾を尻に生じ、前方を薙ぎ払う祈祷。タメ使用で2段目の薙ぎ払いが追加される。
- 坩堝の諸相・角
古い黄金樹の祈祷のひとつ。
肩に大角を生じさせ、踏み込んで突き上げる祈祷。タメ使用で踏み込みがより距離の長い突進に強化される。
- 坩堝の諸相・花
DLCにて追加。
ラウフの古遺跡内で拾える、同遺跡で見出された坩堝の諸相の祈祷。
胸に生じさせたミランダフラワーが光の降雨を呼び、敵の頭上から光柱を降らせる技。
タメ使用でダメージと攻撃範囲が上昇する。
- 坩堝の諸相・翼
DLCにて追加。
懲罰砦のボス「騎士エドレッド」を倒すと入手できる戦灰。坩堝の生命に由来する技の中では珍しく戦技カテゴリ。
坩堝の騎士を象徴する攻撃の一つでもある、黄金の翼を生じて羽ばたき武器を掲げ突撃する技。両刃剣にセットした場合は、黒騎士が振るうものと同じく突進が回転攻撃となる。
余談
- 坩堝(るつぼ)とは、金属などの物質を高温で溶融させる際に使う容器のこと。転じて、多種多様な物が混ざり合い、渦巻いている意を表す。
- オルドビス、シルリア、デボニアの名前は古生代の時代区分の名称、オルドビス紀、シルリア紀、デボン紀に由来するものと思われる。一見ファンタジーにしては突飛に思われるかもしれないが、元ネタはいずれもイギリスの地名やケルトの部族名にちなんで命名されているので、人名としてはそれほど不自然というわけではない。