概要
ゲルミアの火山館の主にして法務官の肩書きを持つ、大ルーンを宿した破片の君主の一角。
百智卿ギデオン曰く「慈悲なき裁判官にして責問吏たちの長」「蛇のように忌み嫌われた男」。
冒涜の罪を侵したことで、破砕戦争において許されざる敵となった人物であるという。
ラダゴンとレナラの子の一人で、ラダーン、ラニと共に外戚としてデミゴッドの一員となった。魔術の学もあったのか、溶岩を操るゲルミアの古い呪術を魔術として蘇らせるなどの活動も成していた様子。
その実態は、かつて自らをゲルミア火山に巣食っていた「冒涜の蛇」なる存在に大ルーンごと喰らわせたことにより大蛇と一体化し、巨大な怪物に成り果てた異形の存在。
火山館の表向きの主人は側妃のタニスが務めており、火山館の同志として英雄の道を歩み続けた者だけが館の深奥に鎮座する王に謁見を許されるのだが、ライカードはそうした数多の英雄たちを貪り喰い、蛇の腹の中で血を同じくした家族として取り込み成長を続けていた。
火山館にいるゲルミアの蛇人たちもまた、デミゴッドを食らった大蛇に産み落とされた存在とされている。
ライカードの野心
彼が冒涜の道を突き進む目的は黄金樹、ひいては神に対する叛逆。
タニスによると、かつてライカードはデミゴッドや褪せ人がそう求められたように、黄金樹から分け与えた力を漁り争う浅ましい生き様を強要されることに憤り、冒涜を犯してでも自分達を愚弄する黄金樹と神に尊厳の反旗を翻すことを決意したのだという。
自身が大蛇となり人を喰らっていたのも永遠に生き、貪り喰らうことで成長し続け、ついには神喰らいを成すという果てしない野望のためであった。
しかしながら、大蛇と化してからの彼は覇王の雄心とすら称えられた理想と雄心を失い、自身の延命と強化のために強者を傘下に加えては貪り食うという下卑な貪欲に堕ちてしまったと語られている。それは主を止めるため蛇殺しの武器を求めたゲルミア騎士を始めとした配下らの離反を招くこととなり、結果として蛇となった彼の元に人として残った者は今やタニスただ一人である。
大ルーンを求めると同時に火山館の一員となった褪せ人であるプレイヤーは、館内に現れるゲルミア騎士の霊から、王の間に残された蛇殺しの槍とライカードの討伐を託されることとなる。
戦闘
火山館でタニスからの依頼を完遂した末に王に見える、もしくは自力でダンジョンとしての火山館を攻略することでライカードの元へと辿り着くことができる。
「神喰らいの大蛇」「冒涜の主、ライカード」との2連戦となり、どちらも体力が非常に高い上に足元周辺が常時スリップダメージを受ける溶岩に浸っているためまともに接近戦を仕掛けるのは困難。遠距離攻撃で削り切るのも体力の膨大さ故にあまりに現実的ではない。
普通に戦うにあたっては勝ち目がほぼないのだが…
『大蛇狩り』
大剣でもあり槍でもある武器
古い時代、不死の大蛇を狩ったとされ
大蛇と対した時、長き光の刃を生じる
このボス戦の基本的な攻略法は、大蛇と相対する前にまるで「使ってくれ」と言わんばかりに掲げられている、本戦闘でのみ長い光の刃を発生させる特殊な大槍「大蛇狩り」を手に取り、これを振るってボスに大ダメージを与えていくことである。過去作における彼等に近い系譜のギミックボスと言えるだろうか。
この大蛇狩りは戦技を含む全ての攻撃モーションで光の刃が発生する。強化に伴い光刃の火力も上がるため、先にこの武器のプラス値を十分鍛えてから再戦に臨むのも手。
また、大蛇狩りをコピーさせることでプレイヤーと同じように光の刃で攻撃できる「写し身の雫の遺灰」も強力な助っ人となり得る。
神喰らいの大蛇
ライカードを喰らった大蛇とのボス戦。
激しい食らい付きや毒吐き、溶岩撒き散らし、岩盤割りといった範囲、リーチの広い厄介な攻撃を頻繁に繰り出す。
後隙の大きい攻撃の直後を狙って大蛇狩りによる反撃を差し込んでいくのが堅実な戦い方。(できれば次の戦闘に備えてFPに余力を残しておきたい所だが)戦技を連打すれば攻撃させる暇を与えず一方的に倒してしまうこともできる。
冒涜の君主、ライカード
「我、蛇の家族となり
共に神をも喰らおうぞ!」
倒れ伏した大蛇の頭に代わり身体に浮かび上がったライカードの顔が目覚め、蛇の口内から引きずり出した悍ましい大剣を装備。大蛇を見事打ち倒した英雄を讃えつつ共に神喰らいを成す家族に誘いながら、デミゴッドとしての戦いの本番が開始される。
先の大蛇戦よりも緩急の大きい攻撃が多くなり、巨大な大剣による広範囲の薙ぎ払いや突き攻撃、飛び上がりからの溶岩撒き散らしに加え、軌道に追従して爆発を起こす炎の怨霊を放ってプレイヤーを追い詰める。体力が中程まで削られると蛇の頭が再び動き出し噛み付き攻撃を織り交ぜてくるように。
さらに大技として、剣を天に掲げると同時に周囲の風景が一変、溶岩が噴き上がり無数の炎の怨霊が召喚され、トドメに掲げた剣を振り下ろして前方に激しい炎の衝撃波を飛ばすという危険な攻撃フェーズも存在する。
1戦目と同様に大蛇狩りの戦技によって怯むため、積極的に使って相手の手数を減らしながら戦うのが有効。派手な攻撃に焦らずしっかりと反撃のタイミングを窺い、戦技を惜しみなく使って体力を削り切ってしまうのが得策だろう。
これらの熾烈な2連戦を乗り越え撃破することで「ライカードの大ルーン」と「冒涜の君主の追憶」が入手できる。
…何者も、我を律せられぬ
蛇は、不滅よ
撃破後
「いや、貴公には感謝しよう。我が王はまだ弱かった、それが分かったのだから」
ライカードが褪せ人に打ち倒されたことで、主を失った火山館の者達は各々その事実を受け入れて館を後にし、火山館という組織は事実上の離散となる。
その後、無人となった火山館内にてライカードを倒した場所に赴くと、そこには不気味に蠢き続けるライカードの残骸を一心不乱に貪るタニスの姿があり…
ライカードよ、どうか、私の内に宿ってください
私は貴方の蛇、そして貴方の家族になりたい
そして今度こそ、共に神を喰らいましょうぞ…
アイテム
- ライカードの大ルーン
ライカードが宿していた大ルーン。
「西アルターの神授塔」で力を取り戻すことにより、敵を倒した時にHPが回復する効果を得られるようになる。
- 冒涜の君主の追憶
黄金樹に刻まれたライカードの追憶。
使用することで莫大なルーンを得るか、指読みにより「冒涜の聖剣」及び魔術「ライカードの怨霊」のどちらかと交換でき、彼の武器や技の一部を自らの力とすることができる。
- 冒涜の聖剣
ライカードが得物としていた武器。
喰らわれた英雄達の亡骸が剣身でウネウネと蠢いているという中々に強烈な見た目をしている。
武器種は大剣。信仰と筋技に補正が乗った上質寄りの信仰向けの武器で、敵を倒す度にHPを回復できる能力をもつ。
専用戦技「略奪の炎」は、炎を纏った剣を振り下ろし、地面を突き進む炎の衝撃波を放つ技。こちらも命中した際にHPを回復する効果がある。
- ライカードの怨念
貪られた英雄達の非業の怨念を操るライカードのおぞましい魔術。
炎属性の怨霊の弾を放ち、その軌道に間を置いて連続する爆発を生じる。
- 略奪のカメオ
火山館からの依頼を達成することで入手できるタリスマン。法務官ライカードの厳格な肖像が刻まれている。
冒涜を誓ったライカードの元において肯定されたというあらゆる略奪を体現するかのように、敵を倒した時にHPを回復する効果を有する。
- 世界喰らいの王笏
背律者ベルナールの得物である武器。
世界を喰らわんとする大蛇を象った巨大な王笏で「伝説の武器」のひとつに数えられている。
冒涜の君主がいつか掲げんとする象徴とされ、その様は大蛇に喰われたライカードが臨死に垣間見た未来の幻視であるという。
武器種は大槌。冒涜の聖剣と同じく信仰と筋技に補正を持つ。
専用戦技「世界喰らい」は、魔力を込めた王笏を地面に突き立て、周囲の敵からHPを奪い取る範囲技。
- 冒涜の爪
死のルーンの片鱗が刻まれた岩片。
黒き剣のマリケスとの戦闘において使用することで、特定の攻撃をパリィのように弾き大きく怯ませることができる。
陰謀の夜、ライカードはラニから謝礼としてこの片鱗を貰い受け、マリケスに対抗するための切り札としていた。
- 大蛇狩り
上述したライカード戦における実質的な専用武器。
それ以外のシチュエーションでは光の刃は発生せず、エンチャントはおろか戦灰も付けられないため無用の長物…と思いきや、大槍の中でも筋力補正に秀でている上に必要能力値が一切ないという唯一無二の性質から、ビルド次第では実用性の高い武器として十分運用することができる。
- ゲルミア騎士シリーズ装備
かつて法務官ライカードに仕えた騎士たちの防具一式。
ラダゴン王の子たるを象徴する兜飾りと、今や誰も掲げなくなった紋章で彩られている。
- 忘却の秘薬
辛い苦悩をすべて忘れさせる秘薬。
かつて冒涜を誓ったライカードがタニスに贈った物だが、タニスにとっては無用の品であった。
我が王よ、貴方を忘れてしまう以上に
辛い苦悩などあるでしょうか?
余談
- 作中では既に異形と化しているライカードだが、それ以前の姿はタリスマンや複数の肖像画などから窺い知ることができるほか、OPのワンシーンでは蛇に頭部を貪られるライカードの生首とおぼしき姿が描かれている。
- 声優はイギリスの俳優Simon Gregor氏。喉を震わせて絞り出したかのような独特の発声シーンは国内外のプレイヤーに強い印象を残している。
- 一応、弓矢や魔術、祈祷などの遠距離攻撃、凍結や腐敗といった状態異常、黒き剣のスリップダメージ等々を駆使すれば大蛇狩りを使わずに体力を削り切り撃破することも不可能ではないが、当然その労力に対する効率は悪いなんてものではないため、縛りプレイでもない限りあえてやる必要はほぼ皆無である。一方、溶岩によるスリップダメージや怯みをゴリ押す前提ならば接近戦を挑むことも可能だが、こちらはあえて懐に潜り込むことでボスの攻撃が当たりにくくなるというメリットがある。
- 同じレナラの子であり兄妹であるデミゴッドたちとの人間関係について、手段は違えど同じ神殺しを志すラニとは陰謀の夜に加担するという只ならぬ繋がりがあったことが判明しており、ラダーンについても火山館の客間の目立つ位置に彼の肖像画が飾られいる。詳細は明かされていないものの、彼等の兄妹仲は少なくとも悪い関係にはなかったのではないかとファンの間では推測されていることが多い。
関連イラスト
関連項目
- 神喰らいのエルドリッチ:過去作品の「元は人の形をしていた、人喰らいを繰り返す異形」枠。こちらは神喰らいを達成している。