…ほう、随分と久しぶりだ
新しい褪せ人が、円卓を訪れるなど
『百耳の男』
最初に円卓に訪れた際に話しかけられる四人の褪せ人のうちの一人。しかし他三人とは異なり自らの名は明かさない。
一応ゆっくり休んで行きなさい、と労ってはくれるものの、円卓の一員としては認めず、「居候」と呼んでくるなど、何処かその物言いは冷たいところがある。
その後、デミゴッドの一柱を倒した後、二本指に見えた事でようやく自らの名前を明かしてくれる。
人物
何処か冷たい物言いからも察する事ができるが、彼は自分の知識欲を満たすことを最優先に置いている節がある。
その為彼の人間関係は基本的には「役に立つか、立たないか」の二つだけであり、邪魔と見做せば躊躇なく切り捨てる冷酷さも見せる。
一応役に立っている間は、貴重な情報や祈祷も渡してはくれる。
鞭を振い、時に飴を与えることで人を自分の思う通りに動かすことに長けた、いわゆる政治家気質の人物であり、何気にSOULSシリーズの中では見られなかった珍しいキャラクターでもある。
- 百智の耳と目たち
基本的に彼は円卓から離れない。
それ故、彼には狭間の地を全てを知る為の自らの手足となり得る存在が必要である。
かつては、彼の象徴である瞳の紋章があしらわれたサーコートを着込む騎士達が、彼の目となり耳となり狭間の地で暗躍していたというが、彼らはある時壊滅した。
現在は義娘であるネフェリ・ルーがその役割を担っているようだが、百智卿はあまり彼女には期待してはいないらしい。
- 王骸のエンシャ
人骨をそのまま使った全身鎧の異形の人物。
一応ギデオンの従者であるとされ、円卓にあるギデオンの書斎の入り口近くに寄り掛かる形で守っている。
話しかけても一言も返してくれないが、その代わり最初に限って、「貴公、何用だ？」のジェスチャーを貰える。
その正体については色々と議論がある意外と謎めいた人物。
聖樹の秘割符の半掛けを入手していると、どんな小細工を篭したのか、不戦の誓いがあるはずの円卓で敵対者として侵入してくる。
撃破されると主であるギデオンからは、「早まりすぎた」とその行動を酷評されてしまい、その死を悼まれることも無かった。
祝福に目覚め、狭間の地を訪れた褪せ人の一人。二丁の斧を得物に、嵐を呼び出す蛮地の戦士。
祝福の導きを失ってしまったことで一時絶望に陥ってしまうが、後にギデオンに拾われる。
現在は彼の指示を導きの代わりとして、狭間の地の各地に赴いている。
彼女が言う「父」とは彼のことを指しており、自分を拾い上げた彼を深く慕っているが、ギデオン本人は彼女を自分の持つ「駒」の一つとして見ている。
ただエンシャとは異なり彼女に危険が迫った時には、遠回しながらもその結末を回避させる行動を取ったり、彼女が自分の意思を持った時には祝福とも取れる言葉を送るなど、冷徹な彼にしては甘さを見せる事が多い。
経歴
狭間の地では比較的名の知られた褪せ人であるようだが、その人物評は基本的に辛辣な物が多い。
これは、知る為には「どんな手段」を使ってでも知るという彼の強引な姿勢に起因し、狭間の地に足を踏み入れた後、彼がその裏で関わったと思われる事件は数知れず、時には独自の勢力を築き、デミゴッドとの間に戦争すら引き起こすほど。
手勢の殆どを失い、円卓に居を移した現在でもその性格は変わっていない様であり、その暗躍は未だに止まっていない。
- しろがね村
リエーニエの隅にひっそりと立ち並ぶ、忌み嫌われたしろがね人たちの村。
しかし現在は忌み潰しを中心とした調香師の一団によって壊滅状態に追いやられており、村には呪いがばら撒かれ、村人のほとんどは正気を失ってしまっている。
この惨劇から逃れていた一人である「しろがねのラティナ」は、彼女の半身である狼・ロボを奪った原因を作った人物に心当たりがあるようで、「百耳の男」と言う嫌悪を含んだ声で呼ぶ。
特徴から考えると、十中八九ギデオンであることは間違いないと思われ、この一件の裏には彼がいたことを暗に示している。
彼の行動の基本には知識に対する飽くなき欲求があるのはもう書いた通り。
だが時に他者を虐げても知ろうとするそのあり方ははっきり言って異常の一言であり、実際上記のしろがね村にて義娘のネフェリは彼の本性を知ってしまい、再び絶望してしまう。
それでも彼は探求を辞めず、今度はまだ把握していないデミゴッド達の居場所について、同志とみなした主人公に自身の知る秘密の祈祷を対価に情報交換を求めてくる。
物語も進むと、燃え上がった黄金樹の影響が円卓にも出始める。この時点で黒き剣のマリケスを倒していると彼は円卓から姿を消す。
行方をすっかり暗ませた彼が一体どこに行ったかというと...。
...ああ、やはり君だったか。
百智卿ギデオン・オーフニール
死のルーンを解放した後に転送される「灰都ローデイル」にて、かつて王の幻影と戦った「黄金の大聖堂」にて彼と相対することになる。
褪せ人は王になるべきではない、とそれまでとは真逆の言葉を言い出したかと思うと、突然こちらに襲いかかってくる。
戦い方としては魔術と祈祷の両方を駆使する遠距離主体型。
百智の名は伊達ではなく、使ってくる魔術・祈祷はどれもこれも高位の物ばかりである。
本人のステータスは、HPがボス並みなだけの典型的な貧弱魔術師である為、構築したビルド次第では簡単に倒せてしまうだろうが、やはり油断は禁物である。
特に周回を重ねていくと放つ魔術や祈祷に上方修正が掛かるため、近づく前にワンパンされることも珍しくなくなる。
如何に彼の懐に潜り込み、そして強力な攻撃を叩き込むのかが基本的な攻略法になるだろう。
褪せ人であるものの流石に死の状態異常は効かないが、実は発狂は効果的でありきっちり足を止めてくれる
特に祈祷「発狂伝染」はつかみ判定があるため回避されずにうつことができ終了後に再度つながるため格闘ゲームよろしく投げハメができたりする。バフ祈祷である「黄金樹に誓って」の必要能力値を満たせば使用可能になるため、勝てない人は使ってみるのもいいだろう。
以下は彼が使ってくる魔術と祈祷、戦技を纏めた物である。
| 名称 | 詳細 |
|---|---|
| ほうき星 | 魔術。輝石のつぶての上位版。振りが早く、威力も高い。貫通属性を持ち、直線上の敵を貫く。使ってくる魔術の中では総合的にこれが一番脅威 |
| カーリアの円陣 | 魔術。輝剣の円陣の上位版。自身の周りに魔法の剣を九本浮かせる。敵をロックすると自動的に飛んでいく |
| 彗星アズール | 魔術。言わずと知れた今作の最終兵器。青く輝く光の奔流を放つ。威力は凄まじいが、一度放つと向きを変えられないので避けることは簡単 |
| 三なる光輪 | 祈祷。三つの光の輪を前方に放つ何処かで見たことのある祈祷。放つと戻ってくるブーメラン仕様から見てもうアレである |
| 因果性原理 | 祈祷。回帰性原理と対になる祈祷。唱えると五回攻撃を受けると爆発する状態になるが、そのダメージは然程痛くはない。無論周回を重ねれば危険にはなるが |
| 黒炎の儀式 | 祈祷。神肌のあ奴らが使ってくる黒炎の祈祷。自身の周囲、円状にスリップダメージのある黒炎の柱を燃え上がらせる。使ってくる祈祷の中では強い部類に入る |
| 百智の世界 | 戦技。ギデオンの二つ名を冠する戦技。使用すると自分の周囲に一定時間魔術と祈祷に対する耐性が一時的に下がる状態を付与する |
また彼に居場所の分からぬデミゴッドの居場所を伝えていると、彼らに関連した魔術や祈祷を使用してくる。
| 名称 | 詳細 |
|---|---|
| ライカードの怨霊 | 魔術。ライカードに食われた英雄達の怨霊を放つ。炎を纏った骸骨の群れを飛ばす。追尾性があり、一定時間経たないと消えない強力な魔術 |
| 血授 | 祈祷。血の君主に由来する。頭上に現れた円陣から血炎を取り出し、前方に撒き散らす。炎上の他に、出血属性、スリップダメージとかなり嫌らしい属性の祈祷 |
| 朱きエオニア | 祈祷。腐敗の女神に由来する。宙に浮かび上がり、こちらに向けて飛び込んでくる。着地した後に朱い花が爆風と共に咲き乱れる。今作で最も嫌われている状態異常「朱い腐敗」が溜まるため、飛んできたら迷わず避けるべし |
倒すと何故か、褪せ人は王にはなれないという諦観混じりの言葉を残す。
丁度、黄金樹へと続く入り口となる場所に陣取っていただけあって、どうやら是が非でも主人公を王にはしたくなかったらしい。
彼のこの突然の変心の理由は、戦いが終わった後に入手できる彼の防具の説明から僅かながらうかがえる。
知とは、自らの無知を知ることであり
知ることの終わりなきを知ることである
だが、女王マリカの遺志に触れた時
ギデオンは恐れてしまった
あるはずのない終わりを
今の世界が終われば自分の知るべきことは無くなってしまうかもしれない。
それは何よりも知ることに執着し続けた老人にとって容認し難いことであり、足掻き続けると言いながら、今の壊れかけの世界に居続けることを選択したのだろうか？
他の褪せ人は理想とする世界を作るために、それぞれの修復ルーンを見出したものの、彼の場合は何も見出さなかった。
だが、ある意味現状維持とも言えるエンディングの一つ「壊れかけの時代」は彼の望んだ結末だったのかもしれない。
関連タグ
心折れた戦士...ある意味この人の系譜にある人物。円卓を火継ぎの祭祀場と見れば、初期の頃から居る諦念に囚われた情報通で、戦ってみると案外強いと共通点も多い。
メンフクロウ...彼の兜のモデルになったであろう鳥。フクロウは伝統的に知恵を司る動物とされた。
最初に語られる褪せ人
忌まわしき糞喰い 百智卿ギデオン・オーフニール
