よう、あんた、よくきたな。新しい奴は、久しぶりだ
青ニートの歴史
デモンズソウル
いわゆる「SOULS」シリーズの初代、デモンズソウルにて初登場した、青く発光するソウル体の男。ゲーム中の正式なキャラクター名は「心折れた戦士(Crestfallen Warrior)」。自らも「心が折れちまったからな」と語る。ゲーム中の拠点となる「楔の神殿」の要石の前に腰掛け、ただじっとしているさまからプレイヤーたちから「ニート」扱いされ、併せて「青ニート」が通称となった。
使命を果たすことを諦めた彼はかなりやさぐれており、旅を続ける主人公を馬鹿にした態度をとることもあるが、其の実、様々な話を聞かせてくれる存在であり、提供情報量は作中でもトップクラスである。
心折れた戦士と馬鹿にするなかれ。調子に乗って試し斬りの材料とばかりに切り掛かってきた初心者不死を片っ端から返り討ちにしてきた強者。
落ちぶれては居るがボーレタリアに挑んだ勇者であり、倒すと伝承の戦士のソウルを落とす。
2009年版では肌こそ浅黒いもののサモア系のような南方人種的な顔立ちであったが、2020年発売の通称リメイク版ではポリコレ傾向が黒くなったことにより、人種も変更。ネグロイド系の顔に変更されてしまった。
ああ...誰だ...? 全部忘れちまったよ...
ダークソウル
デモンズソウルの事実上の後継作、初代「ダークソウル」にも同じ「心折れた戦士」の名を持つキャラクターが登場する。同一人物ではないためプレイヤーによっては「Ⅱ世」などと区別する者もいるが、現在ではデモンズソウルよりダークソウルシリーズの方が知名度が高いせいか、単に「青ニート」と呼ばれる文脈では二代目である彼のことを指す場合が多い。本項のトップ画像も彼のイラスト。
初代青ニートと違って青いソウル体ではなく生身の肉体の持ち主で、かつ銀色のチェインメイルを装備しているので彼はどちらかと言うと銀ニートなのだが、鎧が祭祀場の青空を薄く反射しているせいもあってか一応青みがかって見えなくもない。
先代同様、ゲーム中の拠点「火継ぎの祭祀場」の篝火の前の瓦礫に腰掛け、動かない。話しかけると本作の舞台・ロードランについての情報を語り始め、力なく笑って口を閉ざすところも共通している。彼にも不死ゆえの使命があった模様。
彼も馬鹿にするなかれ。試し斬りにしようとしたらパリィされ返り討ちにされた不死は数知れず。
プレイヤーが物語を進めていくとその奮闘に刺激され、かつての生気を取り戻し己の戦いのため再び立ち上がるが、しかし・・・
ハァ・・・ 俺も、少しだけ頑張ってみるかなあ・・・
後輩青ニート名簿
その後のSOULSシリーズの中でも、上記の二名とは異なるキャラクターながらも、作中の世界の厳しさに挫けて立ち上がれずにいたり、プレイヤーに舞台設定を語り教えるなどの共通する振る舞いをするキャラクターの登場が定番となった。そのため、後輩たちも「青ニート枠」などの呼ばれ方で同一視されている。
ダークソウル2
正式名称は「心を亡くしたソダン」。
名前も一新。今までの皮肉めいた嫌な奴からかなり悲観的な男に変更された。見た感じ初代やⅡ世ほど青くはないが、スタート地点で拠点の村「マデューラ」の岬に腰掛け、青教の誓約を結べるところから青ニート3世として認められた。
彼は立ち上がる事はないが、最後は人の存在がある事の安心感を思い出し、多くのNPCが居着いたマデューラを騒がしいような...懐かしいような...と称し、何もない。と思っていた自分に大事な事を教えてくれた主人公にプレゼントをくれる。
終盤にNPCが拠点に集まってくると少しポジティブになるが、旅立って亡者化することは無いので安心を。
あなたも青の神々に包まれているのです
ダークソウル3
正式名称は「脱走者ホークウッド」。
拠点となる「火継ぎの祭祀場」にいる。皮肉めいた嫌な奴に戻った最後の青ニート一族、青ニート4世。だが青要素は無い。
引きこもりだった先代たちと少々異なり、内陣の階段に腰掛けているだけでなく外の墓標の前に移動することもあるが、話しかけると皮肉かつ諦念を滲ませた台詞を口にするのは同じ。
が、こちらは白霊としてたびたび呼び出す事が可能。つまりニートのくせに働く。しかもかなり強い。
それもその筈、彼は「始まりの火」を継いだ王の一人「ファランの不死隊」の元隊員だった。
そのせいか間違いなく最強の青ニートであり、立ち上がった際には白サインを出しており、たった1人で青空の下、目的地を目指し目前の敵を蹴散らしまくる。
そして、何処までも絶望的な王の宿業を知り隊から脱走した彼はやがて「竜」となる事を選び、その証として主人公たる「火の無い灰」を因縁の地に呼び出して、決闘を申し込むのである。
ああ、まさかお前とは…
だが俺はもう逃げぬと決めたのだ
恨んでいい。竜の力を俺にくれ
後継作品の類似したポジション
フロムソフトウェアのファンタジー系作品には、これらのキャラクター以外にも世界の厳しさに心が折れたキャラクターが出現する。
それらのキャラクターは時に主人公に様々な情報をもたらすものの、最終的に主人公の前に立ちはだかるがことが多いが、戦う際には総じて強力な大ボスとして出現する。
ルドウイークは心折れぬ。ただ狩りの中でならば
Bloodborneにおける心折れた戦士枠。ただし、作中で主人公に情報を与える際には、ほぼテキストでの言及であり、その姿を見せるのは「狩人の悪夢」にて実際に戦う時だけである。
本作におけるムーンライトソード枠も担当しており、本作において様々な意味で重要な人物として出現する。
……お前さん、ありがとうよ……
SEKIROでは、心折れた戦士として設定されたと思しきキャラクターが複数人登場する。
なんなら、主人公である隻狼自身も心折れた戦士として登場する。
その中でも特に荒れ寺の仏師は、「過去に忍びでありながら忍びをやめ、様々な情報を主人公に与える」と言うまさに心折れた戦士枠としての役割を担っている。
この他にも、巴、黒傘のムジナ、死なず半兵衛など、様々な理由で心が折れたと思われる人々が出てくる。
‥‥人は、神を殺せぬのだ
エルデンリングにおけるネームドボスの一体であり、エンディングを目指すにあたって倒さなければいけない敵の一体。
円卓の住人の一人であり、狭間の地における数多くの事柄について知悉し、主人公にその情報を教えてくれるが、どこか信用の置けない素振りを見せる。
何を知ったのか、最終的に絶望して主人公の前に立ちはだかることになる。
そこの不死
新たなソウルシリーズが出たときにあまりの難しさに心折れ、心を亡くし、新たな地で青ニートになるのはそこの貴方かも知れない。
希望を求めこの地を訪れる者はやがてその希望を失い亡者となる。
遅かれ早かれ…皆そうなるのです。
あの塔のたもとにいる青の騎士も既に心折れたひとり。
あの者の話は貴方のお役に立つでしょう。貴方の未来の投影かもしれませんから…
by緑衣の巡礼