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“儂は、仏を彫らなきゃあならん お前さんはお前さんで、好きにしな”

Cv.浦山迅


概要編集

葦名のはずれの『荒れ寺』に閉じこもり、奇妙な仏を彫り続ける片腕の怪老。

弦一郎に敗れた狼を助け、失った彼の左腕に忍び義手をあてがう。そして、彼に「竜胤の御子」が捕らわれ、その血に眠る力を利用されんとしていることを伝えた。

口調こそぶっきらぼうだが、その後も狼に義手の改造や助言など、様々な形で手助けをしている。

『荒れ寺』には死なず半兵衛などのように不思議な者が流れ着くとの事だが、彼はそういった者たちを邪険にすることなく、好きにさせているようだ。

その見かけによらず、葦名一心薬師エマとの交流もある謎多き人物。

「猿酒」という、度の強い珍酒を好む。


本作の「篝火」ポジションである鬼仏は彼が彫ったもの。仏とは言うものの、その形状は「四本の腕を合掌させ、憤怒の顔を浮かべるやせこけた人型」という奇怪極まるもの。

「儂が彫る仏は、いつだって怒り顔だ」との事。

荒れ寺にも大量に置かれており、彼が「仏師」と呼ばれる所以である。


本作の目玉要素である『義手忍具』の作成と強化は彼が担当している。

また、一定以上の義手忍具を作成すると『忍び義手技の秘伝書』を渡してくる。「忍義手あればこそ意味を持つ、技や体術」との事だが……。



荒れ寺編集

仏師がねぐらにしている、荒れ果てた古寺。正面におびただしい数の札が貼られているのが特徴。

本作におけるプレイヤーの拠点であり、鬼仏のほかNPCとの模擬戦傷薬瓢箪の強化などが行えるほか、条件によっては商人NPC「情報屋の藤岡」も揃う。

ただし、ストーリーの進行によっては一部NPCが移動するため注意。



関連タグ編集

SEKIRO 隻狼 エマ(SEKIRO) 死なず半兵衛


我王火の鳥鳳凰編の主人公。隻腕の仏師で過去に多くの人を殺めていたと言う共通点を持つ。また、過去に愛する女性と離別した。作る仏が怒り顔で異形であることが多い。など、多くの共通点があり、おそらくはモデルとなったと思われる。














以下、ネタバレ注意



過去編集

落ち谷の「猩々」編集

かつての仏師ははぐれ忍びであり、「飛び猿」あるいは「猩々」(しょうじょう)と呼ばれていた。在りし日の彼の得物『飛び猿の忍び斧』は平田屋敷で入手でき、義手忍具『仕込み斧』として狼に受け継がれることになる。


まともな師もいない中、似た境遇のくのいち「川蝉」と共に過酷な落ち谷を駆け、飛び、ひたすらに打ち合うという過酷な修行を積んでいた。彼女の吹く指笛の、悲しげな音色が好きだったという。

「川蝉」はその後獅子猿に食い殺されたが、彼はそのことを知らなかったようだ。


その後はいかなる理由か戦場へ赴き、幼いエマを拾う。子連れとなった彼は葦名の国に腰を落ち着け、葦名一心の配下として仕えることとなった。

その際に、親しくなった薬師道玄の元へ「忍びといるより、よっぽど幸せだろう」とエマを養子に出している。

だがなお二人の交流は続いており、エマは仏師の事をいまだに「猩々」の名で呼んでいる。


余談だが、後のアップデートにより追加された「姿変え」で狼が変わる事の出来る姿の中に「葦名の古忍び」という忍び装束があり、そのテキストから仏師の現役時代の忍び装束ではないかと言う考察が上がっている。


これは、かつて葦名に仕えた、ある忍びの記憶

腕を斬っていただいた

隻猩の名をいただいた

その恩を、きっと返さねばならん


修羅と怨嗟編集


そんな「猩々」が今の「仏師」になったのは、ある事がきっかけであった。

一心が彼の左腕を切り落としたのだ。


“…斬って…くださったのじゃ”


“飲まれかけた、儂のためにな…”


曰く、彼は『修羅』になりかけていたのだと。

それは「何のために斬っていたかも忘れ、ただ斬る悦びのみに、心を囚われ」た者であるという。


片腕を失った「猩々」、改め「隻猩」(せきしょう)に、道玄が作ったのが『忍び義手』であった。彼はそれを用い、なおも忍びとして戦い続けた。

その過程で生まれたのが『忍び義手技』であり、秘伝書をしたためたのも仏師自身であった。……が、それほどまでに使いこなした義手を、「隻猩」は手放した。


(ゲーム本編にて、天狗に扮した葦名一心が初めて狼と出会ったときに、その忍義手をつけた姿を見て刀を納め、すぐに「隻狼」と呼んで狼を気に入ったのも隻猩を思い出したからである)


極め、殺しすぎた。怨嗟の炎が漏れ出すほどに


『修羅』に成りはしなかったものの、今度は戦場に渦巻く『怨嗟の炎』が彼の身を蝕んでいたのだ。


こうして、「猩々」は忍びを捨てて荒れ寺に籠った。





仏師が鬼仏を彫るのは『怨嗟の炎』を消すためであった。が、それも大して効果はなく、押し留めるのがせいぜいである。

己の記憶の世界を見せる「やさしい顔の仏様」に何を供えようと、もはや彼には「葦名を焼き尽くすような炎」しか見出せなかった。

エマも彼の身を案じており、いざとなれば怨嗟に飲まれた彼を自身が討つという悲壮な覚悟の元、一心の下で剣術を極めることになる。



そして、内府軍の襲来の折。

再び葦名は戦火に包まれ、溢れ出た『怨嗟』によって、ついに「仏師」は……





“なあ、おまえさん…”


“お前さんが、斬ってくれ”


“あの子に斬らせるのは… ちと、忍びねえ…”


“頼む…”

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