もう二度と、誰にも、盗ませはせぬ
概要
知性ある獣たちの聖域、「崩れゆくファルム・アズラ」の最奥にて立ちはだかる巨大な獣人。
女王マリカの影従であった彼は、黄金律を掲げる彼女の敵を次々に打ち破っていく程の実力を持っていた。
その強さを見込まれた彼はマリカから危険な「死のルーン」の管理を任されるのだが、しかし失敗してしまい、破砕戦争の始まりとなる黄金のゴッドウィンの死を引き起こしてしまう。(ただこれに関してはいくつか疑惑も存在するのだが...)
それ故彼は死のルーンがもう二度と盗まれないように、神殿を訪れた褪せ人に襲いかかってくる。
戦闘
獣の司祭
ボス戦に於ける第一段階。本戦闘のBGMは「Beast Clergyman」と楽曲名はこちらの名称が使われている。当初は自らの名前を明かすことはない。
見た目はボロい布切れを羽織った大柄の人物。
右手に持った巨大な短剣と左手による引っ掻きによる近接戦闘に、獣の祈祷という岩の投擲や爪の衝撃波が合わさった遠距離攻撃を合間に入れてくる戦い方を仕掛けてくる。
大柄な体躯を生かした攻撃は確かに脅威ではあるものの、そこまで対処は難しくはない。
……死よ
今一度、我が剣に
体力を一定値まで減らすと、獣の司祭は体勢を大きく崩す。そして、左腕のタリスマンに短剣を突き立て、自らに封じた死のルーンを剣に宿してゆく。
赤い死の力たる瘴気が漏れ出し、炎となり司祭として纏っていた布を焼く。
短剣は巨大な黒き剣となり、司祭はそれを抜き放つ。
天に咆哮し、黒き巨躯が現れる。
ゆっくりとこちらに振り向くその姿は、かつての女王の影従。
デミゴッドたちが運命の死と恐れた黒獣である。
黒き剣のマリケス
文字通り獣の如き俊敏さと、無骨な剣から放たれる赤い斬撃によってこちらを翻弄する強敵。
攻撃にはエルデンリングの敵独特のディレイが掛かっており、絶妙に回避しづらい技も多い。
赤い斬撃の力は死のルーンそのものであり、当たれば一定時間最大HPを減少させた上でこちらのHPをジワジワと削ってゆく。
かつてデミゴッドの死すら意味したというその名に恥じぬ強さは、最凶としか形容できない。
宙を舞いながらの攻撃もあり、また視覚的に見辛い事もあるのが、このボスの強さでもある。
極め付けは、一回転しながら剣を地面に突き刺し広範囲に死のルーンの斬撃を放つ技。この技は、縦切りからの派生で撃たれる場合が結構あり、それを念頭に置いてなければ、その火力と体力減少の効果により一瞬で死亡してしまう。また、念頭に置いていたとしても余りにも広い範囲により、回避しても数回判定に引っかかることもある。この技は対処法を知らなければ回避が難しい。
その対処法とは、距離にもよるがマリケスの方向に向かってローリングする事である。前方向への判定がとても広い技だが、逆にマリケスの懐に潜ればモロに当たるなんて事はそうそう無いはずだ。この性質はフロムゲーのボスらしい性質だろう。一応猟犬のステップによって無理やり乗り切る事もできるが現在地と逃げるべき方角を誤れば当たるのは変わりないため、攻めの姿勢を崩さないことが重要である。
また、彼への対抗策に、火山館イベントをクリアした場合、ファルム・アズラの一角に侵入してくる背律者ベルナールを倒すことで得られる、『冒涜の爪』がこのボスに対する極めて強力な特攻を持っている。マリケスの攻撃は空中で斬撃を連続して飛ばす攻撃等で最後に剣が光り輝くときがある。この「剣が輝いている状態で斬りかかる」攻撃の時に冒涜の爪を使うとパリィの判定が発生し、少量のダメージと共に10秒以上マリケスがまともに動けなくなる特殊ダウンが入る。この時も苦し紛れの反撃があり、そうそう当たることは無いが当たると普通に大ダメージを受けるため注意。
これまで戦ったボスとは比べ物にならない程の強敵ではあるが、何度も死ぬことが出来る特権を駆使すれば自ずと勝機は見えてくるだろう。
褪せ人・・・、運命の死を奪い
何を、殺す?
マリケスを倒すと、彼が封じてきた死のルーンが現れる。
褪せ人が求め続けた最後の一欠片である。
触れようと近付くと、その形は崩れ、彼の者を巻き込み、瘴気は炎となり一気に燃え広がっていく。
封じられていた死のルーンは解き放たれた。
狭間の地に「運命の死」が齎され、死を廃し、生を謳う黄金律は終わりを迎える。
それは同時に「王」へと至る旅も終わりを迎え始めた事を意味していた...。
彼との死闘で得られた追憶からは彼の得物である特大剣『マリケスの黒き剣』か、その剣の幻影を振るう祈祷『黒き剣』を指読みにより得られる。共に死のルーンの力を残しており特大剣は戦技「運命の死」、祈祷は幻影の剣より放つ光波により命中させた敵の最大HPを減少させHPをジワジワと削ってゆく。
獣司祭 グラング
臭う...、死だ...
...
喰らわせろ
ケイリッドの東北部、巨大な湾に突き出す半島にある巨大な神殿の奥に蹲るボロ布を纏った巨人。
訪れた褪せ人に対して、「死の根」という物を持ってくる様に依頼する。
「ティビアの呼び舟」と呼ばれる存在が落とすそれは、狭間の地に密かに侵食する死の現れであるという。また死の根は呼び舟が落とすだけでなく、各地に隠された地下墓にも眠っている。
彼に一つ目のそれを渡すと、お返しにその存在を感知する「獣の瞳」と筋力の上昇に恩恵をもたらす「獣爪の聖印」をくれる。
以降の報酬の詳細は、次の様な物になっている。司祭であるためか祈祷が多いものの、かなり攻撃的な性格を帯びた物ばかりである。
死の指の個数 | 報酬 |
---|---|
2個目 | 祈祷「獣の石」:複数の小石を的に投げつける祈祷。モーションに隙が無く、攻撃力もある程度ある優秀な術 |
3個目 | 祈祷「獣の生命」:祈祷らしい祈祷。唱えることで、一定時間HPが回復する状態を体に宿す。FP消費が少ないため、回復量の少なさに目を瞑れば非常に有用 |
4個目 | 戦灰「獣の咆哮」:咆哮を空気の刃とし、前方に放つ戦技「咆哮」の変化球版。技量ステータスにより威力が上がる。威力はそれほどでは無いが、その射程は非常に長い。少ないFP消費で連発に向く |
5個目 | 祈祷「獣爪」:地面に爪を突き立て、扇状に広がるように五本の衝撃波を放つ祈祷。タメによって威力と射程が上がる特性を持つ |
6個目 | 祈祷「グラングの岩」:彼が授ける祈祷の中では上位の物の一つ。連発の効く燃費の良さと威力の高さはさながら「獣の石」の上位版といったところ。強靭も削ってくれるため、防御力の高い敵にも効く |
7個目 | 武器「獣爪の大槌」:獣爪の巨大な槌。それはとある黄金の獣を模した物であるという。戦技は「獣王の爪」。獣の爪と同モーションであるが、範囲攻撃扱いになっており、燃費の良さもあって遥かに扱いやすくなっている |
8個目 | 祈祷「グラングの獣爪」:獣爪の上位版。自分を中心に十本の衝撃波を放つ。威力が高く、発生も早いため、使い勝手が向上している |
9個目 | 強化素材「古竜岩の鍛石」:別れの印と彼が送る最後の品。武器を最後まで鍛え上げるのに必要な最上位の鍛石。それは空に浮かぶ古い遺跡に由来するという |
四つ程渡した後に訪れると、突然此方に襲いかかってくる。
これは所謂イベントクエストであり、ある程度削ると、苦しみの声と共に地面に蹲る。
...やめてくれ
もう忘れない 我が罪、渇き...
だから、やめてくれ...
まるで言い聞かせるかのような懺悔を吐露し、戦意を喪失し、そのまま動かなくなる。
その後祝福を挟んで再び訪れると、元の場所に戻り、褪せ人に死の根を持ってくるように再度伝える。
そして九個まで彼に渡し切ると、今までの働きに感謝の念を示しながらも、自分に出来ることはもうないと言い、咆哮と共に神殿から姿を消した。
その後は再登場しないかのように思われたのだが...。
褪せ人...まさか、お主が...
なぜ...
彼のクエストを最後まで進めると、ファルムアズラの神殿にいるマリケスのセリフが通常の物とは異なる物に変化する。それはマリケスと獣の司祭の間に繋がりがあることを示している。
しかし、単なる同一人物とも言い切れず、どちら一方を倒していてもそれぞれのイベントは恙無く進行する。
このことに関しては有志によって幾つかの考察がなされており、褪せ人の数に応じて解釈は異なっていく。謂わばいつものフロム。
関連タグ
魔女ラニ…彼から死のルーンの欠片を盗み出した一団を率いた首謀者。神人の一人であり、部下に同じく獣人である「半狼のブライヴ」がいるなどマリカと共通点も多い。
奇しくも彼らの最後も似通っており、ある種の鏡合わせの関係にあると言えるだろう。
永遠の女王マリカ彼が従う神であり、同時に「死のルーン」を託された相手でもある。黄金樹の時代を完璧なものとするため、最も信頼のおけるマリケスに「死のルーン」を託したはずなのだが…?
…すまぬ、マリカよ
黄金律は、もう、戻らぬ…