概要
褪せ人がこの地に訪れたキッカケともいうべきデミゴッドであり、その旅路の端々に彼の痕跡が現れる。
重要人物である事には間違いないのだが、本人は既に死んでおり、その遺体は黄金樹の根元に埋葬されている。
黄金の寵児
マリカと、最初の夫であるゴッドフレイとの間に生まれた三人の息子たち、彼はその最初の子であった。
二人の弟に「忌み呪い」が現れ、地下に追放されてしまったことで、実質彼らの一人息子となった彼は、父であるゴッドフレイの壮健さと母マリカの嫋やかに棚びく黄金の髪を受け継いだ美男子であったとされ、数々の戦いでその活躍ぶりを讃えられた英雄でもあった。
特に古竜戦役においてローデイル城壁近くの地にて古竜フォルサクスと戦い、その後に終生の友誼を結んだことは、後に多くの祈祷や武器に記される程であった。
また、マリカ(≒ラダゴン)の子供達の中で長兄であるが、2.30代の容姿をしており、2人の弟はもちろん、従弟にあたるラダーンやライカードよりも若々しく見える。
だが、そんな溢れんばかりの加護を受けたかに見えた彼にも、運命は容赦無くその凶刃を振るう。
陰謀の夜
マリカの影従、黒き剣のマリケスが秘匿していた「死のルーン」。黄金律より除かれたそのルーンはあらゆる者に有限の死を齎す恐るべき力を持ち合わせていた。
しかしマリカに厳命されたにもかかわらず、マリケスは謀られ、その欠片を黒衣の一団に盗まれてしまう。
儀式により死のルーンが刃に宿され、不死の英雄であったはずのゴッドウィンはデミゴッド最初の死者として暗殺される。その忌まわしき事件は後に「陰謀の夜」と呼ばれた。
その企みには最低でも二人のデミゴッド、つまりマリカの親族が関わっており、マリカと黄金律への反乱が目的であるかのように思われた…
しかし、作中で手に入るアイテムの説明文からは黒衣の一団「黒き刃の刺客」の正体と、マリケスを裏切り死のルーンを盗ませた意外な人物の存在が明らかになり、陰謀の夜の真相は一層謎めいたものとなっていく。
魂の死者
黒衣の一団に襲われ、死のルーンにより殺されたゴッドウィンはデミゴッド最初の死者として、狭間の地に遍く根付く黄金樹の根元に厳かに、かつ丁重に葬られた。
しかし彼の魂は死んだものの、その肉体は死ぬことなく、その後も成長を続けたという。
その原因は詳らかではないものの、結局その肉体はもはや人であった頃の面影を留めない異形の姿へと変貌しきっていた。
序盤に於いて訪れることになるストームヴィル城のその最奥に存在するイカの様な形容し難い大きな顔は、実は死後の彼であることが付近に落ちているアイテムから察することが出来る。
しかし、それはどうやら狭間の地の隅にまで伸ばす黄金樹の根を伝って表出した瘤のような物らしく、その本体はこの地の遥か深き底に沈む根本に横たわっているという。
そして、その遺体は今はただこう称されている。
「死王子」
と。
その影響
彼の死後、狭間の地は本格的に狂い始めた。女王マリカは何処かに隠れてしまい、何者かがエルデンリングを破壊。散逸した大ルーンをめぐり、その子供たちは親がいなくなったこといい事に互いに争い合うようになった。
やがてそれは破砕戦争と呼ばれる大きな戦いとなり、長きに渡り続いた戦乱は凄惨を極め、狭間の地は汚れに汚れきってしまった。
また、中途半端に死のルーンを刻まれたゴッドウィンの肉体を黄金樹の根が取り込んでしまった影響か、この時から狭間の地の各地に「死に生きる者」即ち不死たちが出現し始めるようになる。
生のみを讃え、死を排除した黄金律。
皮肉にも同じ「黄金」の名を持つ者の「死」によって、それは壊れてしまったのである。
死ぬはずのないゴッドウィンの死が、エルデンリングのストーリーすべての始まりなのだ。
関連タグ
魔術師ロジェール 死を狩る者、D 死衾の乙女、フィア 獣の司祭グラング フォルサクス ストーリー上で関係する者たち
無名の王...こちらも主神の第一子とされ、竜との間に友誼を結んだことなどから自社のセルフオマージュとも捉えることが出来る。また後に名前を失ったことも同様である。
魔女ラニ...彼の死に深く関わる人物。ゴッドウィンは魂の初めての死者であり、彼女は肉体の初めての死者だという。
バルドル...北欧神話の光の神。親の寵愛を強く受けていたこと。その死によって世界が滅びる破滅的な戦争のキッカケになったこと。そして死後、その世界に留まり続けたことなど、かなりの面で影響を受けているようだ。
聖樹のミケラ...直剣「黄金の墓標」のテキストに書かれている通り、ミケラはゴッドウィンを「兄様」と敬愛しており、また彼の肉体が今でも地の底で呪われ続けられている事を理解している。
この事から彼が聖樹に宿ろうとしたのも、妹・マレニアの呪いを解くと同時にゴッドウィンの呪いをも解こうとしているのではないのかと考察されてある。