死竜フォルサクス
ふぉるさくす
エルデンリングでは狭間の地を現在の姿に変えたストーリーに関わる重大な戦争として「破砕戦争」がある。しかし、その前に狭間の地では2度大きな戦争が起きている。
一つは不滅の火を擁する巨人と黄金律の軍勢が争い、黄金の時代の幕開けとなった巨人戦争。
もう一つは破砕戦争の前、太古竜グランサクスの王都ローデイル襲来を発端となり開戦した古竜戦役である。
この古龍戦役、熾烈な人と竜の大戦争となり、未だに王都ローデイルにはグランサクスの亡骸が横たわる等今に続く深い傷跡を残した戦争であるが、その最後にデミゴッドの一人、黄金のゴッドウィンとある古竜が友諠を結び、のちに竜と人の交流の始まりとなったという正の側面もあった。
その友諠を結んだ竜こそ、古竜フォルサクスである。
その見た目はゲーム後半のステージ「アルター高原」や「崩れゆくファルム・アズラ」にて登場する電撃で形成された角を持つ四つ脚の巨大な『古竜』と全く同じである。しかし、その体色は黒く歪んでおり、放つ竜雷もまるで怒れるかの如く激しいものとなっている。
最も特筆すべきは顔から首にかけてびっしりと生えた謎の突起物。明らかに内側から突き破るように生えたそれが文字通り彼を「蝕んで」いる。
竜型モンスターとしては完全な隠しボスであるもう一体を除けば竜型で最後に戦うことになるボスとなる存在。
しかしデミゴッドのようにゲームの進行上ストーリー上で絶対に倒さなければならない存在ではなく、あるルートを進んだ際、そのルートのラスボスとなる存在であり、ルートを選ばなければ戦うことなくゲームをクリアすることは可能である。
非常に強面なボスであるが、その成り立ち、現在に至るまでのバックボーンは極めて儚いものとなっており、倒さなくてはならないボスとしては同情を誘うものがある。
エルデンリングの舞台である狭間の地にて、彼の存在はデミゴッド「黄金のゴッドウィン」と前述の古竜戦役で争い、敗れた後に友情を交わした存在として知られる。
元々エルデンリングにおいて竜は前時代のエルデの王であり、黄金律の軍勢に敗れたことでその地位を奪われた存在である。そのため、時代を経て起きたグランサクスのローデイル襲撃はある意味で復讐、もしくは反乱とも言えるものであった。
しかしここでゴッドウィンと彼による友情が結ばれたこと、そしてグランサクスの撃破により古竜戦役は終焉を迎え、王都ローデイルのあるアルター高原には古竜を奉るためのような施設があったり、別の大陸から侵入してきた不届き者を排除するために巡回している個体が存在するなど、持ちつ持たれつな関係となっており、それは他の地方においてもリムグレイブの飛竜アギールに燃やされることを求める市民や、ケイリッドにも竜の巣ともいえる竜塚が存在するなどで確認できるように、竜は狭間の地の生態と文化に深く根付いた存在となっていた。
陰謀の夜
しかし、彼とゴッドウィンとの友情に亀裂が入る事態が発生する。陰謀の夜である。
黄金律の運命に抗うデミゴッドと黒き刃の刺客によって、生を貴ぶ黄金律の申し子であり、死ぬはずの無いゴッドウィンが殺害されたのである。
これによってゴッドウィンは初めて魂が死亡した「死王子」となり、彼の呪いともいうべき影響力によって黄金律にとって唾棄すべき「死に生きる者」が狭間の地にあふれるようになってしまった。
しかし、黄金のゴッドウィンは本当の意味で死んではいなかった。ある存在がその死に抗っていたのだった。
それが彼、古竜フォルサクスである。
死王子の完全な死を止めるために死王子の眠る「深き根の底」の中で肉体を失っても尚抗い続けていたがその努力は徒労でしかなく、着実に『死』はフォルサクスすらも蝕んでいた。首から生える痛々しい突起物は「死の根」と呼ばれ、死に生きる者の力によって殺された者はこの根に全身を貫かれ死亡してしまう。だが、この死の根が生えても彼は絶命せず、ゴッドウィンの完全な死を水際でせき止めていたのだった。
だが、この行為が逆に死王子の中途半端な延命になっており、ゴッドウィンは正しく死ぬことが出来なくなっていた。
昏き者たちの時代
死王子の周囲はこの様、地上も破砕戦争によってエルデンリングが砕けて滅茶苦茶に、もはや八方塞りとなっていたこの状況に一筋の光明が射す。
「フィア」の登場である。
フィアは愛する死王子のため、素晴らしきデミゴッドなのに『死んだ』というただそれだけで唾棄すべき存在として憚られたゴッドウィンの再誕を求め、主人公である褪せ人と共に(というか半ば利用する形で)死王子のための大ルーンの獲得に邁進し、そして遂に肉体と魂の死の呪痕を獲得、百足環を合わせ死王子のための時代を産み落とさんがため、最後の仕上げにかかった。
死王子に抱かれ、その身に死に生きる者たちのためのルーンを宿すという悍ましい行為によって彼女は命を落とすも、その直前に死王子とフィアの願い、そして褪せ人の温もりを持ったルーンを用いてエルデンリングを修復し、死に生きる者たちが祝福される『昏き者たちの時代』の到来を為し得る・・・という使命を褪せ人に託し、褪せ人もこれを了承することになる。
その使命に立ちはだかる最後の障壁、それが死に抗い、死に蝕まれたゴッドウィンの友、
『死』竜フォルサクスであった。
開幕と咆哮時に、雷を降らせ着弾地点に死の霧を撒くという【死竜】らしい技を放ってくる。
如何にもなくすんだ黄金色をした死の霧は接触時に『死』という状態異常を蓄積させる。これを溜め切られると死を狩る者、Dや魔術師ロジェールを殺害したあの死の根に全身を突き破られて問答無用で死亡することになるため、絶対に回避しなくてはならない。
しかもこの霧をフィールド中にぶち撒けるため大幅に移動を制限されやすく、その後の回避にも影響する場合がある。
大まかな動きは古竜ランサクスとほぼ同じであるが、フォルサクスはランサクスが後半で使うような古竜の雷槍による範囲攻撃を初っ端から解放している。
更に体力が減るとランサクスの薙刀を用いた薙ぎ払い攻撃を開放し、BGMが変化する。そこから更に「フォルサクスの雷槍」という両手に古竜の雷槍を握り、二回の広範囲攻撃を放つ大技も解禁されるようになる。
その他、プレイヤーに纏わりつき、一定時間後に起爆する竜雷を付与するなど厄介な技も使うようになり、一瞬の油断や操作ミスで一気に戦況を覆される。
雷カットの低い装備で挑むとあっという間にその雷撃で命を消し飛ばされるため、雷カット率の高い装備を備えると幾分か戦いが楽になる。
古竜ランサクス、および崩れゆくファルム・アズラのモブ古竜を撃破できているならば大技も含め動きそのものは古竜と同じであるため、どうしても勝てないようならばファルム・アズラの古竜を倒して自信を付けても良いだろう。
何よりこのボスの難点は真っ暗な深き根の底というフィールドで真っ黒なフォルサクスと戦うことであり、画面の明度を低くしているとフォルサクスを物理的に見失いやすいことである。
勝つためにプレイ画面の明度を上げるのも一考である。
報酬
撃破すると「死竜の追憶」を入手できる。追憶は円卓で指巫女エンヤを通して強力な武器や技に交換可能であるが、フォルサクスの場合は武器が無くどちらも祈祷。「フォルサクスの雷槍」と「死の雷撃」のどちらかを選択することになる。
「フォルサクスの雷槍」は戦闘中に行ったように古竜の雷槍を2本持って地面に突き刺し、2連続の大爆発を引き起こす。祈祷から攻撃に入るまでが長いため対人では使いにくいが攻撃範囲が広いため雑魚処理や大型エネミーにひっかける性能は高い。攻撃前の浮遊中は強靱が入るため多少の妨害はスパアマでゴリ押すことができる。
「死の雷撃」は完全に対人向け攻撃。開幕フォルサクスが行ったように、古竜の雷撃とほとんど同じモーションから、雷の落ちた場所に「死」を蓄積させる霧を発生させる。
しかし雷が落ちる位置はランダムかつ、「死」は対人や敵対NPC以外に効果がないため、現状産廃祈祷となっている。