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概要

物語に大きく関わってこないデミゴッド。その詳細は本編では断片的にしか明かされていない。

ただ物語の端々でその影をチラつかせており、エルデンリング世界に於いて重要な位置にいる存在であることは間違いないだろう。

なんせミケラの親は、女王マリカ英雄ラダゴンという正しく神と呼ばれる等しい血統であったのだから。

外見

実の所を言うとミケラ本人は物語の始まりからその姿を見せている。

狭間の地に飛び込む前に流れる、物語のあらましの中で異形の司祭に抱えられた黄金色の髪をした三つ編みの幼子が現れるが、それがミケラである。

やがてその司祭、血の君主を名乗る忌み子モーグに連れ去られ、狭間の地の底に広がる広大な地下世界の一角に鎮座する大神殿で、血に満たされた繭の中で眠りについていた。

ただ主人公が実際に見えることになるミケラは可憐で儚い幼子とは似ても似つかない、異常なまでにやせ細った腕(枯れた腕)だけを外に晒す、見るも無惨な姿へと変貌を遂げている。

ゲーム上では繭の中を見ることはできないが、解析によると内部のミケラは完全にミイラ化してしまっている。果たしてどのような事情によってこの姿になったのか、あるいはこれがミケラの本当の姿なのか。真相は謎に包まれている。

人物

褪せ人が王へと至る旅に於いて、ミケラが深く関わることはない。

そのため、その人物像は深く掘り下げられることは今の所はないものの、とはいえ道中で手に入るアイテムの数々からは幾つか垣間見えることがある。

  • 常に幼い

ミケラは常に「幼い」と言う言葉に紐づけられる。そのためにミケラには性の区別がない。

それは物語のあらましを見た褪せ人ならば、首肯するはずだ。

少年なのか少女なのか判然としないその姿は、彼だの彼女だのと三人称が基本的にハッキリしない理由に強い説得感を与えている。

俗な言い方に直せば、ミケラは性成熟手前で止まったままと言う解釈であろうか?

唯一、双子の妹であるマレニアは敬愛を込めて「兄様」と呼んでいる。

  • 愛の対象

ミケラを語る上で外せない要素が「」である。とはいえそれは巷で言われるような浪漫な物とは訳が違う。

魅了という言葉がある。「」という漢字には、不思議な力で人を引きつけ、心をまよわす。という意味がある。

ミケラの「愛」は正しくそのような力であったことが、「誘惑の枝」というアイテムから読み取ることが出来る。

無垢金の祈祷が施された枝木

神人ミケラは、あらゆる者から愛された

愛するを強いることができた

  • 無垢金の力

この力を針に宿し、身体に打ち込む事で、マレニアをはじめとする「朱い腐敗」に侵された者達の腐敗の侵攻を止める事が出来、自身の所有する聖樹騎士団はもちろん、朱の腐敗に侵されているマレニアの貴腐騎士団もミケラに感謝と絶対の忠誠を誓っている。

その慈愛の心は兵や民にも向けられており、民はその儚げな容姿の美しさからトリーナ(スイレン)に例えて「トリーナの聖女」「眠りの神トリーナ」と崇めている。「トリーナ」の名の付くアイテムのテキストからも彼がどれほど民から慕われていたかが窺え、また彼を信仰していた廃村などでもトリーナの花が植えられている(採取可能)。

その力は強力であったようで、一見ひ弱に見えるミケラが何故女王マリカの次代である「神人」の一人に数えられたのかをうかがえる。

ただそれ故に前述のモーグによる誘拐事件の引き金となった訳なのであるが……。

  • 黄金律とは異なる律の樹立を目指した

これは必ずしもミケラに限る話ではないものの、少なくないデミゴッドが黄金律に対して不審の念を抱いていた事が旅をする内にわかってくる。

その最たる例が魔女ラニが首謀したゴッドウィン殺害に始まる破砕戦争であるのだが、ミケラもまたその流れを汲んだ一人であった。

父であり、黄金律原理主義というバリバリの黄金律側であったラダゴンがミケラに贈ったという祈祷「ラダゴンの光輪」にはそのことがハッキリと示されている。

父ラダゴンの、幼きミケラへの返礼

しかし、幼きミケラは原理主義を捨てた

それが、マレニアの宿痾に無力だったから

無垢なる黄金、そのはじまりである

ミケラの妹・マレニアは生まれながらに癒せない宿痾「朱い腐敗」を内に秘めていた。

テキストを信じるのならばミケラは妹の持つ逃れられない宿命をどうにかしたいと思っていたようであり、それ故にその助けにならない黄金律を捨てたようである。

それがきっかけかは謎だが、後にミケラは聖樹に宿り、そして自らが新しい律を抱くもう一つの黄金樹に成ろうと企んだようである。

ただその目論みが失敗したことは、後に無惨な姿に成り果てたミケラを見ればすぐに気づいてしまうだろう。

総合するとミケラは永遠に幼い可憐な神であり、性別に区切られないその美貌は有りとあらゆる者を惹きつけ、時にそれは強制的なものであり、デミゴッドの中でも最強格の一人たる妹、マレニアをして『もっとも恐ろしい神人』と言わしめるほどの存在であった。

ただ妹を愛していたことは間違いなく、そのためには自らが新しい律を作り出すことにも躊躇がなく、そしてそれを実現可能な程の力を持っていた。

書いてみると分かるが、一見すると影の薄いながらも、化け物揃いのデミゴッドの中でも遜色ない程の実力者であったことが窺える。

直剣「黄金の墓標」のテキストに書かれている通り、そんな彼もまた兄・ゴッドウィンを「兄様」として敬愛しており、聖樹に宿る理由として、マレニアの呪いを解くだけでなく、魂が死しても尚肉体が暴走しているゴッドウィンに「完全な死」を与えるべく、呪いを解くためではないかと考察されている。

だが、まだ謎の多いデミゴッドである。

なお、一説では主人公もまたミケラと縁を持つ、或いは分御霊の一人なのではないかといわれている(余談の項も参照)。

作中では主人公に対して「怖い」等とミケラに通じるような印象を抱くキャラクターが何名か登場し、またミケラが「永遠に幼い=生まれてすらいない水子の神」であるのに対し、主人公は「操作するプレイヤー次第で外見も内面も千差万別に変化する」という、一種の「未確定の可能性」という共通項を持っているためである。

2023年2月28日フロムソフトウェアから、DLC『SHADOW OF THE ERDTREE』の開発が発表されると同時に、コンセプトアートが公開された。

そこには、何故かトレントの背にミケラが乗っている姿が描かれていた

後のインタビューでDLCは"影の地"に赴いたミケラの足跡を追うストーリーであり、DLCにおける重要人物であることや、モーグウィン王朝にある繭から垂れるものが「枯れた腕」と呼ばれること、その腕がDLCの入り口であることなどが明かされた。

キャッチコピーによると、ミケラは「約束の王を待つ」ようだが……?

キービジュアルには串刺し公メスメルが描かれており、ミケラの顔などは隠されるように描かれている。

トレーラーでは黄金色の髪を持つミケラ、あるいはマリカと思われる人物が影樹に手を掲げる姿が見られる。

2024年に入ってから公開されたトレーラーによって、DLCの内容がミケラの足跡を追う物語であること、ミケラの十字というシンボルが重要な意味を持つことなどが明かされた。

発売後は主に、針の騎士レダとその同志たちと行動を共にする物語である事が明かされ、影の地では彼の行動が多くの人々の運命を左右するものであったことが明らかになっている。

そして、彼自身についても聖女トリーナを巡るイベントや、最終決戦に姿を表すことから多くの事が明らかになった。

ミケラの十字

各地に存在する光の十字。ミケラの十字にはそれぞれ言葉が刻まれている。

また、影の城に辿り着くと「何処かで大ルーンが壊れた」と表記され、各地のミケラの封印が解除される。

三叉路の十字:「我が最初の肉体を、ここに棄てる」

正門前の十字:「我が肉体を削り、ここに棄てる」

ベラルートの十字:「我が左腕を、ここに棄てる」

関所の十字:「我が肉体を削り、ここに棄てる」

影樹を臨む十字:「我が瞳を、ここに棄てる」

柱坂の十字:「我が肉体を削り、ここに棄てる」

街道の十字:「我が心臓を、ここに棄てる」

モースの廃墟の十字:「我が肉体を削り、ここに棄てる」

保管庫四階の十字:「我が右腕を、ここに棄てる」

青海岸の十字:「我が迷いを、ここに棄てる」

大穴の十字:「我がを、ここに棄てる」

ラウフの古遺跡東:「我が最後の肉体を、ここに棄てる」

螺旋塔の十字:「全ての恐れを、ここに棄てる」

なお、ミケラの大ルーン影樹の化身を倒すとドロップする。

レダと同志達

ミケラの十字付近にいるNPC。

彼らのイベントを進める事で協力してくれる。

針の騎士、レダ

赤獅子、フレイヤ

角人

老兵アンスバッハ

ムーア

ティエリエ

落葉のダン

余談

pixiv上で確認できるイラストは基本的にイメージ画であり、主に先述した幼子の姿に寄せて描かれている。

扱いが扱いであるため、宿痾通りの幼い姿ままか、成長したらといった妄想で描かれるかは描き手による。観れば予想はつくはずだが、一見してわかるようタグ付けを推奨する。

……を拗らせた血の君主が出没することもある。

「あんた、ミケラ様に縁がある」

とある指読みの老婆から褪せ人(主人公)に対して発せられる言葉。

ミケラの聖樹に至るためのアイテム「聖樹の秘割符」。百智卿ギデオンが虐殺を行っても見つけられなかったそれを"あんた"、つまり褪せ人が得られるように助言してくる流れでの発言となっている。

DLCを踏まえた一つの仮説として、主人公はミケラから暗にアシストを受けていたのではないか?という見解がある。

霊馬トレントや遺灰を召喚する「霊喚びの鈴」など、主人公は「トレントの古い主」から間接的に継承したものが多いのだが、トレントのかつての主(の一人)はミケラであることがコンセプトアートにて示されている。これらを駆使して褪せ人は狭間の地を探索し、二本指の指示によってデミゴットたちを屠ることになる。だが、このデミゴッド狩りはミケラの企てに加担するものであるという興味深い観点がある。とあるデミゴッドたちの死が彼にとって必須であるため、ミケラにとって褪せ人を支援する利益があることになる。

主人公に至っては封印の木を焼くまで殆どミケラに利する行動ばかりしており、都合のいい存在だったのは確かである。

実は本編没エンディングとしてミケラの王(というか褪せ人が聖樹となる?)となるものが用意されており、指読みの老婆の台詞はおそらくこのルートを想定したシナリオの消しきれなかった残骸と思われる

「小さな苗木、小さな苗木

 さあ、大地におかえりよ

 けれど忘れないでおくれ

 君は僕のものだって

 だからさあ、受け取っておくれ

 僕の豊穣、僕の雫を

 渇きを満たし、身体に巡らせ

 何度も、何度も、芽吹くといい

 そして大きく、大きくなって

 いつかきっと

 僕と一緒に夢を見よう

 エルデンリング、エルデンリング

 美しい律の、優しい夢を」

また、ルート途中で狂い火の王となった場合の分岐もあったようだ

「王になろうとする人よ

 どうか、僕の幻視を忘れないで

 新しい貴方の世界で

 美しいものも、そうでないものも

 すべてそのまま芽吹くように」

コメント

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