…ずっと、悲しいまま?
概要
『エルデンリング』DLCに登場する人物。
ミケラを追って影の地に導かれた同志たちの一人。
全身にずんぐりとした緑青鎧を着込み、常に壺を抱えている青年。「拾い虫」と呼ばれる仲間たちと共に物資調達を担当しており、ティエリエからも希少な「黒いシロップ」の調達を頼まれている。また、褪せ人にも漬物やキノコなどの各種アイテムを販売してくれる。
性格は非常に穏やかで素朴。言語能力が低いのか辿々しい喋り方をする。拾い虫たちを家族同然に大切にしており、シナリオのどの時期であっても、各地の拾い虫を傷付けるとムーアが敵対者として侵入してくる。
影の地の各地で拾い虫から貰える「拾い虫の製法書」をコンプリートするには、彼らやムーアとの友好関係が必要不可欠となる。
本編での動向(ネタバレ注意)
前述のとおり当初はベルラートの正門前で物資の販売を行うが、ミケラの大ルーンが壊れると、ムーアの場合は深い悲しみに浸るようになる。
この際に選択肢イベントが発生するのだが、ここで「ずっと、悲しいままだ」を選択するとその場を離れ、拾い虫のそばで死亡してしまう。
専用装備は手に入り販売アイテムも鈴玉で継承できるが、拾い虫の製法書を集め終わっていない場合は死なせないよう注意すべし。
一方で「忘れてしまえばいい」と伝えると、彼はミケラに自分のすべてを委ねる事を決意し、そこを去る。
どちらも選ばず「分からない」と言葉を濁し続けると、彼はずっとベルラート前で出店を続ける。後述の戦闘を終えたあとも彼は一人で物を売っており、「誰も来なくなったけど君だけは来てくれる」と寂しげに喜ぶ。
針の騎士レダと同志たち
…君と、戦う
悲しい、ことだ
上述の選択肢で「忘れてしまえばいい」と伝えて生存させた場合、終盤の『エニル・イリム』にて針の騎士レダや落葉のダンと共に敵として戦うことになる。
敵対NPCとしては高いHPと優秀なガード性能を持つ装備が相まって非常にしぶとい。「緑青の大盾」によるシールドバッシュは火力が高い上に喰らうと体勢を崩されてそのままハメ殺される危険があり、更には腐敗の状態異常を大きく蓄積する「大腐敗壺」を投げつけて他のNPCとの戦いに横槍を入れてくる等、集団戦においてトップクラスに厄介な敵となっている。
このようにイベントを進めると最終的に敵対する(しかも強い)上に、製法書をコンプリートした後なら殺害しても特にデメリットが無いため、おもに周回プレイヤーから真っ先に始末される事例が多発している。何とも悲しいことである。
余談
選択肢イベントにつながる独白と質問の内容は「母は子を愛さず、子を捨ててしまった」「なら、その子供たちはずっと悲しいままなのか?」というもの。
話している内容はかなり抽象的だが、実は似たような事を口にしている者が本編にいる。
それは「賢者ゴーリー」。彼の正体は人に化けた腐敗の眷属で、創造主が自分たちを生み出してそのまま放棄したという事を嘆くシーンが存在する。
加えて、敵として戦う際のムーアは重厚な鎧と大盾で身を守りつつ、大盾の戦技での吹き飛ばしか大腐敗壺の投擲が主。
おまけに彼の装備である「緑青シリーズ」のフレーバーにも「緑青は外なる神の贈り物」「腐食によって強度と重量を得ている」という。
商人NPCとしても、販売してくれるアイテムは素材を腐敗させて作る「肝漬け」系がメイン。
そしてなにより、彼の協力者である拾い虫だがその姿は腐敗の眷属そのものである。
「腐食の力を持つ装備」「朱き腐敗を相手に与える壺」「腐敗の眷属と仲良くできるという謎の特性」「ゴーリーとほぼ同じ内容の独白」という情報。
そこから推測できるのは、彼もまた人に化けた腐敗の眷属か、腐敗とエオニアの花を信奉する信徒だったのではないかという、少し薄ら寒さを感じる背景である。