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概要
このような形態の結婚を認める社会、もしくは法律上の結婚制度のことを一夫多妻制と呼ぶ。
世界的にかなり広範に観察されるが、その成立要因については多様な説が並立しており、単純に論ずることはできない。
なお、現在の日本の法律では、複数の相手と同時に婚姻をすることは不可能であるが、お互い同意の上で複数の女性と一緒に暮らすことや子供をもうけることは法律には触れない。
イスラムにおける一夫多妻制
コーランに基づく法的制度。養える範囲までで4人まで妻を娶ることが可能である。しかし各妻の間には差をつけてはならないとされる(つまり全員正室である)。
二人以上の妻をもつ場合の男性の経済的負担は非常に大きいものとなるため、一定以上の社会的地位と経済的実力を持たない限り二人以上の妻を持つことは困難である。歴史的にも二人以上の妻をもつのはごく限定的なものであり、現在ではほとんどが一夫一妻制となっている。
なお、トルコとチュニジアでは法律によって一夫多妻制を禁じている。
アフリカにおける一夫多妻制
イスラム教国以外でも、宗教とは関係なく一夫多妻制である国が多い。
アフリカの一夫多妻婚では、妻たちは別々に暮らしていて、妻子の家を夫が順に訪れるという形態が一般的である。この種の一夫多妻が行われる地域には母系社会もしばしば見られる。
モルモン教における一夫多妻制
アメリカのモルモン教は一夫多妻制をとっていたが、神からの啓示により1890年に廃止されたとされる。
しかし少なくとも20世紀初頭まで、また地域によっては近年まで、一夫多妻婚が行われていたという。20世紀半ばにモルモン教主流派から分離したFDLS(モルモン教原理主義派)は現在も一夫多妻の教義を保持している。
日本における一夫多妻制
江戸時代までは上流社会において男子の跡取を生むという名目の元で側室制度があった。天皇や武士に限らず、富裕な商人が『妾』を持つ例は少なくなかった。
近代的な民法の施行により一夫多妻制は制度的にはなくなったが、近代以降も、地位ある男性が妻と別に愛人をもつ風潮は広くみられた。
一夫多妻の代表的な動物
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