仮面ライダーにおける変身ベルト
昭和ライダー、平成ライダー、令和ライダー問わずほとんどの作品で変身に用いられるキーアイテムとして位置づけられている。
改造人間設定が多かった昭和作品では取り外しが不可能な体内埋め込み式、強化服的な設定が多い平成作品では着脱可能な場合が多い(あくまで割合の話であってどちらにも例外あり)。
『仮面ライダー龍騎』以降は、バックル部分だけを持ち歩く変身者も増えた。仮面ライダー剣からはバックルからベルトが伸びて装着されるタイプが登場し、平成二期のライダーベルトの殆どはこのブレイドの形式を基に(バースドライバーや、ウィザードライバー、ゴーストドライバーなどの例外を除き)普段はバックル部分のみで戦闘時に腰に装着するとベルトが伸びて巻かれる方式である(ブレイド、ディケイド、フォーゼ、鎧武、エグゼイド 、ビルドなど)。
平成作品、とりわけ『ディケイド』以降は「~ドライバー」に統一されている。
龍騎以降はベルトにアイテムをセット、読み込ませて変身するパターンが定番となっている。
また平成ライダーの中には、ベルトを変身機能として使わず、または変身後にベルトが存在せず、銃や剣、ブレスなど手持ちの別ツールで変身する者も存在する(仮面ライダー響鬼に登場する一部の音撃戦士、仮面ライダーカブトに登場する一部のマスクドライダーシステム、仮面ライダーディエンド、仮面ライダーネクロムなどが該当)。
変身ベルトの技術
平成作品からいえば、シリーズごとに仮面ライダーに変身するベルトの製作技術(人間の手で作られたものに限る)は異なり、しかも年々上がっている傾向がある。世界観の差こそあれど、時代の流れと言えるだろう。
極端な例を挙げると、2001年の『仮面ライダーアギト』に登場する仮面ライダーG3は、試作品を2つも作り、開発期間もかなりの期間を費やしたようだが、結局は変身ベルトとまではいかず強化スーツを装着してなるライダーとなった。しかし2003年の『仮面ライダー555』には(オルフェノク限定だが)1万にわたる「ライオトルーパー」に変身できるベルトが生産され、2004年の『仮面ライダー剣』ではついに純粋な『人間』が変身することが可能なベルトを民間の研究所が開発。2010年の『仮面ライダーOOO』にはエネルギー源は必要だが、変身者に特異性を求めずに変身できるバースドライバーが民間企業によって開発されており、2013年の『仮面ライダー鎧武』では、ベースがあるとはいえライダーに変身できるベルトが多数生産され、さらには誰にでも変身できるように改良されるという昔では考えられない程の高さを見せている。
また、『仮面ライダーキバ』に登場する仮面ライダーイクサの変身ベルト「イクサベルト」はまだまだ改良が必要とはいえ1986年(昭和61年)にロールアウトされており、すでに昭和の時代からベルトを使って強化スーツを身に纏う技術ができているという例もある。
ギミックや構造の変遷
昭和ライダー
殆どが取り外し不可能な体内埋め込み式である。ギミックに関しても、一部分が回る、一部を取り外し武器にできる、程度の簡素なものが多い。
平成ライダー
- クウガ、アギトに於いては昭和ライダーに近い変身する際に出現するタイプで、ギミックも発光やスイッチといった簡素なものであった。仮面ライダーG3においても、バッテリー装置としての役割が強かった。
- 龍騎〜ブレイドあたりから機械的な要素が強くなってくる。また試験的要素も多く、龍騎は持ち運び可能となっており、ファイズにおいては音声を発するようになり、ベルトの操作で必殺技の発動も兼ねるようになった。喋るベルトの誕生である。加えて、ベルトにアイテム(カードデッキ、フォン、カード)をセットして変身するようになっていった。ただ、ブレイド、響鬼では必殺技の発動はベルトとは別のツールであったり、手探りの部分もまだあった。
玩具の売り上げもあって、ある意味変身ベルトの試験期であり転換期となった。
- カブト〜キバ
このあたりから変身ベルトのスタイルが徐々に固定化され、変身の他、フォームチェンジ、必殺技の発動を兼ねるのがお約束となった。ただ、ベルトに武器が懸架されることがほぼ無くなった。
ベルトの装着方式としては、実体のベルトを変身時に腰に巻いたり、変身時にベルトが出現したりと様々である。
- ディケイド〜フォーゼ
ディケイドからはフォームの切り替えが多く、それに伴ってベルトにセットするアイテムもコレクション要素が強いものとなっていった。また、ダブルからは「◯◯と◯◯」といった複数のアイテムを組み合わせて変身するようになっており1作毎に変身の際、一度に使用するアイテムの数が増えている。ベルトの音声に関してもインパクトの強いものとなっていった。ベルト装着方式としては普段はバックルのみで腰に装着するとベルトが伸びて巻かれるタイプが定番となった。
- ウィザード〜ゴースト
ギミックや音声に関してはほぼ変わらず。流石に無理が出てくるのか一度の変身に使用するアイテムは1種類になり、強化形態以外では複数のアイテムを組み合わせることもほぼなくなった。劇中設定としては、ベルトや変身アイテムが量産されることも度々。ベルトも同じもしくはベルトは違えど、サブライダーも共通規格のアイテムを使うことが多くなっていった。
- エグゼイド~ジオウ
基本的にはウィザード〜ゴースト期と同様。主な相違点はダブルドライバーのように、作品のメインとなるベルトには装填スロットが2つ備わっていることが挙げられる。
ダブルドライバーと同じく状況に応じて2つのアイテムを切り替えて変身する点で言えばビルドが該当する。
一方でエグゼイドとジオウは単に変身するだけなら一つのアイテムで可能で、片方のスロットに別のアイテムを装填することで強化変身を行うという共通点がある。鎧武で例えると「ゲネシスコアが標準搭載された戦極ドライバー」といったところか。
さらにエグゼイドとビルドとジオウにおいてはダブルドライバー+エクストリームメモリのように、スロットを二つとも占有するアイテムも存在する。
令和ライダー
- ゼロワン
基本は平成2期後半と変わらずベルトにアイテムを装填して変身。ただ、サブライダーに固有のギミックが多く組み込まれている。
剣や銃となるベルトや平成初期のようなスイッチ式のベルトなど他種多様。
- セイバー
メインライダーのベルトが武器も兼ねる珍しい形式。
玩具の変身ベルト
最初はタカトクトイスより低価格の変身ベルトが発売されたが、これは形のみを真似たものでTV同様のギミックなどは搭載されていなかった。
のちにポピーより変身ギミックが搭載された高価格の「光る 回る 変身ベルト」が発売され(前述のタカトク版変身ベルトとは販売価格帯が異なる事を根拠に「住み分け」を行うとした)これが常識的外れの多大な好評を得ることとなった。これをきっかけとして東映は変身ベルトの商品化をポピーへと一本化させる。
のちポピーは親会社であるバンダイに併合され、以降は現在に至るまでバンダイより発売されている。また現在では「変身」および「変身ベルト」はバンダイの登録商標である。
「仮面ライダー」のみではなく「超人バロム・1」どころかマッハバロン変身ベルトまで商品化されていたため、昭和期は変身と書いて何か別の呼び方をしていたことになる。
現在では、同じ変身ベルトでも、いくつものバリエーションが存在している。
DX版
放送時に発売されているオーソドックスなもので「光る」「鳴る」などの発光、サウンドギミックが搭載されていて劇中のベルトを再現している。しかし、子供向けにサイズが小さくされていたり、劇中の仕様と違っていたりもする事もある。
特に平成二期以降は、カードやメモリ、メダルなどのアイテムとベルトが連動し、そのアイテムを交換して違うフォームへと変身遊びできる造りになっている。
劇中未登場やオリジナルビデオなどのオリジナルアイテムもある。
コンプリートセレクション版(コンセレ版・CS版)
大人向けの変身ベルトで、劇中の仕様に変更されたりしていて、文字通り大人も装着出来るサイズになっている。
値段も大人向けで、かなり高価に設定されている。
レジェンド版
レジェンドライダー(歴代の仮面ライダー)達の変身ベルトの廉価版といえるバリエーションである。
DX版の再販ではなく、機能や機構を省略・削除されていてる「簡易版」である。だが、人によってはDX版とのあまりの違いに「劣化版」とも呼ばれていた。
スーパーベスト版
こちらはレジェンド版とは違い、DX版の再販で、当時は別売りをされていたフォームチェンジアイテム等を追加して販売されていた。
コンプリートセレクションモディフィケーション版(CSM版)
新規金型であったり、コンセレ版の廉価版であったり、DX版をブラッシュアップした物だったりとで多様なバージョン。
コンセレ版同様高価な大人向けであり、サイズ感がDX版の仕様の物もあるが、大人も装着可能になっている。
劇中の名台詞やBGMを流せる機能が追加されているものもある。
値段はコンセレ版同様、それなりのお値段になっている。
そんな値段にもかかわらずプレミアムバンダイでは、1次予約受注が開始から10分程で終了し、サイトのサーバーもダウンするほど。
ver.20th
スーパーベスト版同様再販DXにアイテムを追加して再販されたもの。
現在のラインナップは以下の10種類。
・デンオウベルト
・ディケイドライバー
・ディエンドライバー
・ダブルドライバー
・ロストドライバー
・戦極ドライバー
・ゲーマドライバー
・バグルドライバー
・バグルドライバーⅡ
・エボルドライバー
この他、マキシマムマイティX&ハイパームテキガシャットのセットも販売されている。
上記のようにDX版以外のシリーズでも各作品の主役ライダーだけではなく、武装アイテム、パワーアップアイテム、サブライダー達の変身ベルトもラインナップされている。
しかしながら、DX版以外のシリーズを通しても、発売されたベルトやアイテムはあまり多くなく、作品によってサブライダーはおろか主役ライダーのベルトすらまったく発売されていなかったり、また、主役ライダーの武装アイテムやパワーアップアイテムが一切発売されない例も珍しくない。
撮影プロップとしての変身ベルト
変身用やスーツに使われるプロップは玩具のように細かなギミックは内臓されない一方で、レバー操作や反転などの重要なギミックは設定通りに組み込まれる。また、撮影の度に傷が入ったり、最悪、紛失といったハプニングも少なくなく、その度に補修や新造を行わなければならない為に美術スタッフが苦い表情を浮かべる事もしばしばあったという。(橘朔也役の天野浩成氏のインタビューより意訳)
この他、アクション用やアップ用スーツによってビジュアル面での質感や色合い、ベルトの厚みが変わる事がある。(厚みに関してはドライブドライバーはそれが顕著)
なお、撮影が終了すると撮影用のプロップは役者自身にあげる事が多いらしく、そこから家族や知人に手渡す事もあるため、社内に残っている事は少ないらしい。
その為、当時演じたキャストが久々にレジェンドとして返り咲く際には、DX版やプロップに近いCSM版で代用する事もある。
変身アイテムとしての変身ベルト
変身ベルトの電子音声は変身アイテムのスタンダードとして定着しつつあり、スーパー戦隊やウルトラマン、果ては魔法少女やプリキュアなど変身ヒーローや変身ヒロインのおいても変身アイテムに電子音声が多く採用されている。
また、武器アイテムや召喚アイテムやロボット玩具などにも多く採用されているので、近年の特撮を始めアニメや玩具でも電子音声はスタンダードになっている。
一覧
※太字は主役ライダーが使ったことのあるベルト。
※()は擬似ライダーのベルト
※{}は怪人のベルト
昭和ライダー
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令和ライダー
仮面ライダーシリーズ以外の作品における変身ベルト
恐竜戦隊ジュウレンジャー | ダイノバックラー/ドラゴンバックラー | |
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JAN4542099680030 | 堀商店 光るヒーローベルト | クウガ+メテオ型万能ベルト |
ArmorHero Lava | 焰颶鎧甲召喚腰帯 | |
ArmorHero Lava | 嘯峭鎧甲召喚腰帯 | |
ArmorHero Captor | 捕將召喚腰帯 | |
ウルトラマンSTORY0 | ゴライアン | 名称不明の変身ベルト |