概要
岸辺露伴は、ポッキー占いの意趣返しとして杉本鈴美に「うすいピンクのマニキュアの女の子は「恋に臆病」」「『肝心なところで本当の恋を逃す』」という心理テストを披露した。そして「恋でなくても 今何かを恐れている」と指摘する。
鈴美は、「隣のおばあちゃんから聞いた」という、とある一軒家で起こった15年ほど前の殺人事件についておもむろに語り始めた。
「 その事件の真夜中…… この家の女の子が寝室で寝てるとね…… 」
「 両親の部屋の方で「ピチャリ!」「ピチャリ!」って 何かがしたたる音で目が覚めたんですって 」
「 何の音だろう?女の子は「パパ!ママ!」って呼んだけど返事がないんですって 」
「 でも女の子はそんなに怖くなかったのよ 」
「 なぜなら女の子のそばには愛犬がいたのよ 大きな番犬よ 暗闇でもベッドの下に手をやると「ククーン」とあまえてペロペロ手をなめてくれたのよ 」
「 『「アーノルド」がいるから安心だわ』 」
「 だけどもあいかわらず「ピチャ!ピチャ!」って音が何十分も続いているんですって…………… 」
「 『どうしてパパとママはあの音に気がつかないんだろう……?』 」
「 ついに女の子は何の音か調べに行くことにしたのよ 」
「 廊下に出て「ピチャ!ピチャ!」って音の意味がわかった時 女の子にはじめて恐怖が襲って来たのよ 」
「 カベのコート掛けには愛犬アーノルドが首を切られてブラさがって死んでたの… その血がしたたってたの… ピチャピチャって音は………… 」
「 突然ベッドの下から声がしたわ! 」
「 『おじょうちゃんの手ってスベスベしててカワイイね クックックッ──ン』 」
「 『両親もすでに殺したぞ』 」
「 そして!その女の子も殺されたのよォ─────ッ 」
最後に鈴美は「 マニキュアの仕返しよ♡ 」と茶化す。が……、露伴と康一背後でその「ピチャリ ピチャリ」という音がし始めた。「隣のおばあちゃんから聞いた」話の通り、首を切られて血をしたたらせた犬「アーノルド」が、そこに立っていた。
混乱する康一と露伴に、鈴美言った。
「 そう… その「女の子」ってのはあたしなのよ…… 」
「 『幽霊』なの……… アーノルドとあたしは……… 」
そして、惑う2人にもうひとつ、鈴美が告げる。
「 『犯人』まだ捕まってないのよ…………… 」
「 この杜王町のどこかにいるわ 」