概要
1960年代に放送された時代劇コメディ「てなもんや三度笠」のアバンタイトルに行われるCMコントのオチで主人公・あんかけの時次郎(演:藤田まこと)が口にする決め台詞。
「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー!」が基本形だが稀に別バージョンもある。
大まかなアバンパートのやり取りはお堂の中から時次郎が現れ、「ええ、あっしゃあ泉州は信太の生まれ、あんかけの時次郎。義理には強いが人情にゃ弱い、男の中の男一匹…」と口上を述べていると扮装をした原哲夫(初期は殺陣師の的場達雄)が現れ、ひと悶着の末倒したところで決め台詞を発し、同時にカメラに向けて前田製菓のクラッカーを突き出す。
番組の人気に乗じて一躍流行語となった。
番組のスポンサーは前田製菓による一社提供だったため他の企業の製品の宣伝はない。
エンディングでは珍念役の白木みのると原哲夫が商品を紹介するコントも放送された。
映画『続 てなもんや三度笠』の冒頭ではテレビシリーズのように口上を述べて忍者を退治し「俺がこんなに強いのも…」といつも通りの決め台詞を発するが、そこで画面が乱れ「しばらくお待ちください」と表示された後に珍念の声に「これは映画やろ」とツッコまれるというセルフパロディがある。
またテレビシリーズでは冒頭のお堂の扉に飾られた絵馬に前田製菓の商標が描かれているが、映画版では馬の絵に差し替えられている。
前田製菓とは…
大正7年創業の製菓会社。創業当時からクラッカーやビスケットの製造を行っている。「あたり前田のクラッカー」とは主力製品の「ランチクラッカー」。
番組放送終了後も藤田まことを起用したCMを放送していたが、2010年に藤田が死去して以降はテレビ・ラジオのCMは放送していない。
しかし「あたり前田のクラッカー」というフレーズは同社のウェブサイト(⇒外部リンク)や商品の包装にいまでも使われている。