概要
ネタバレ注意
うちは一族の兵器として「うちはナナシ」と名付けられ、いつしか自身もそう名乗るようになっていたナナシだったが、産まれた時に両親から名付けられた本名は「うちはヒカリ」だった。
ボルトは大筒木トネリの協力により、父ナルトのキセキを取り戻す過程で、ナナシのキセキ(記憶)も発見し触れる事で彼女の本名を知るに至った。
しかし、その事について触れる前に彼女は力尽きてしまい、ボルトは彼女を救えなかった事に苦悩していた。
そんな中、再びトネリに導かれたボルトはナナシの能力と彼女が残した物により、自身が本来絶対に不可能な過去に限定的な歴史干渉を行う条件が整っている事を知らされる。
その条件とは
1.時が曖昧な空間である事、「忍者ヒーローズ」というゲームに見せかけられた幻術空間の事
2.満月の日である事、龍脈が活性化する為
3.過去と今で同じチャクラが混在した物質を持っている事、ナナシの死亡時現れたナナシとボルトのチャクラでできた結晶
のこと。
特に3が鬼門であり、チャクラは精神と肉体のエネルギーを混ぜ合わせて作るものであるため、「全く同じ」チャクラが今と昔に存在することはあり得ない(人間の肉体は長くとも一年で全ての細胞が入れ替わる、精神も刻々と変化していく)
その「昔の人物のチャクラ」と「今の人物のチャクラ」が混在した物質などさらに無理難題であるためトネリは「本来絶対に不可能」と断じている
しかし、こと今回に限り、ナナシという「戦国時代から精神も肉体もそのまま現在に現れた特例」が存在したことにより「ナナシが封印される前夜に飛び、彼女を救い出す」ことが可能になったのである。
しかしそれはナナシが封印されず、現代に現れないというタイムパラドックスにより、ボルトとナナシの出会いもろとも零が起こした事件が起こらなかった出来事になってしまう事を意味していた。
ボルトは覚悟の上でこれを承諾し、戦国時代へタイムスリップする事でナナシを彼女の助けを受けながらもうちは一族から開放する。
そして現代へ戻る時間が訪れ、体が消えゆく中で「これからはうちはヒカリとして、陽のあたる道を歩む事」をヒカリに伝え、激励の言葉を送って別れた。
以降の彼女は、「木ノ葉隠れ設立に伴い、一族と合流し、子孫もろとも族滅に巻き込まれ断絶した」のか、或いは「身分を隠し、在野の一般人として余生を過ごした」のか、その詳細は明らかになっていないが、少なくとも歴史や表舞台には現れていない。
ある日、火影室にて最近書物庫内から出てきた新しい戦国絵巻を読むナルトが居た。
シカマルに会議の時間だと呼び出されつつ、戦国時代の巻物の筈なのに良く見知った名前があり、訳がわからない、後でシカマルにも確認して欲しいと溢していた。
そこにはこう書かれている。
戦国期に、うちは一族という血の柵を抜け、自分の足で生きた一人の女性について、その記録を記す
その女性は、かつて兵器として利用され、生きていた
しかし、ある満月の夜、意を決し、一族を脱する。
その時から、名を改め、新たなる人生を歩むこととなる
自由の身になった後、彼女は闘いに利用されることはなく
質素に、けれども陽のあたることを喜び、優しさの中で暮らした
草木とともに。川の流れに揺られ。人に囲まれ。普通であることを噛み締めながら
彼女は過去について話すことは滅多に無かったが、ある出来事だけは嬉しそうに周りに話をしたという
その逸話の一部と、彼女の遺した言葉を記し、ここに筆を置こう
「兵器として利用され、生きる意味のない日々」
「永遠と続く闇の中で、突然現れた若き忍が、"運命"について教えてくれました」
「彼がくれた励ましの言葉は、私の中でいつまでも暖かな光を与えてくれています」
「あれから…再会は叶っていません。どこから来たのかもわかっていません」
「だから…自分の運命を歩める喜びと、幸せへの感謝が、いつの日にか…彼に届くと信じ…」
「私の想いを、陽の光に預けておきます」
「どうか…私の大切な友達…」
「うずまきボルトに届きますように…」
その他、彼女の過去や能力についてはうちはナナシを参照。
余談
「過去の時代へタイムスリップする」「タイムパラドックスとの兼ね合いにより、時代を超えた出会いの記憶を忘れてしまう」という経験は奇しくもボルトの父ナルトも『劇場版NARUTO疾風伝 ザ・ロストタワー』で経験している。
関連タグ
NARUTO BORUTO ナルティメットストーム うずまきボルト