こんなところ
こんなところ
「じゃあ、警視総監の依頼でこんなところへお前を潜り込ませたのは無駄じゃなかったんだな」
第23話「恐怖!精神病院」での問題発言。
主人公の泉研のパパである泉博は、警視総監の依頼で我が子を白痴(知的発達障碍者)であるかのように装わせて精神病院に入院させた。
研は院長が病棟を隠れ蓑に何か企んでいることを探り出しており、面会時にバリカンが看守をキチガイな踊りで怒らせて誘き出した隙に、研がパパにその事を報告。
その際のパパの返答が上記のセリフである。
仮にも医者であるにもかかわらず精神病院を「こんなところ」呼ばわりする倫理観の無さからチャー研の印象的なセリフの一つとして定着し、転じてチャー研を愛好するチャーケニストが集う場所を指して「こんなところ」と呼ぶようになった。
その後の研の調査により「こんなところ」の地下には大型ミサイルが建造され、しかも着弾目標地点がヨーロッパという非常に大雑把な攻撃を企んでいたことが発覚した。
第23話は他にもいろいろあれな描写が多いので、ある意味必見である。
その後の公式配信では不適切な表現があることを認めつつも作品の歴史的価値を尊重し、無修正で公開されている。
『チャージマン研』が放映されていた1974年は、マスコミによる偏向報道も手伝って、今よりも精神病患者に対する偏見が根強かった頃である。多くの精神病院で医療関係者による患者への虐待行為が多数発生しており、『チャージマン研』と同じ頃に発表された作品においても、「こんなところ」「キチガイ病院」など、差別的な言葉が使われることが多かった。
そのため、パパが精神病院を「こんなところ」と呼んだのはある意味おかしくないとする意見も存在する。(ここまで際どい表現が多い作品は、放映当時でも滅多にないとも言われるが)
パパは決して精神病院を侮蔑する意図で「こんなところ」と発言した訳ではないとする意見がある。
- 作中の「こんなところ」では患者に十分な衣服も与えていなかったり、職員が患者やその家族に対して横柄な態度で接したりと何かと問題が多く、そういった劣悪な環境をパパは「こんな(患者を大切にしない)ところ」という意味で暗に批判していた。
- 精神病でもない研を「こんなところ」に潜入させた負い目から、「こんな(息子が入院する必要のない)ところ」と思わず発言してしまった。(研は実際狂っているだろとか言ってはいけない)
- 研から地下で秘密裏に兵器を作っていることを聞かされたので、「こんな(兵器が作られているような)ところ」あるいは「こんな(なんの変哲もない)ところ」と評した。
……と言った反論がチャーケニストの間で唱えられている。もちろん飽くまで仮説であり、当時の世相と23話での精神病患者の描かれ方から考えても、精神病院を侮蔑の意図が込められている可能性も十分考えられるが。