概要
そうりゅう型潜水艦は、海上自衛隊の潜水艦の型式の一つ。1番艦そうりゅうは2009年に就役した。
従来の海上自衛隊の潜水艦が、原子力推進ではないディーゼル潜水艦の常として潜水状態の機動力が限られていたのに対し、AIP(非大気依存推進機関)として「スターリングエンジン」を採用して潜航能力を向上させた。また、艦尾の舵が、今までは縦横(十字型)に配置されていたのに対し、斜め(X字型)になり運動性が高まり破損の危険性も減っている。これらのため、海自史上最大で、通常動力潜水艦としても世界でも有数の水上排水量2900トン/水中4200トンに達している。
おうりゅう以後の艦は速力や高速巡航能力向上を目的として、スターリングエンジン(と鉛蓄電池)より大出力・大容量のリチウムイオン蓄電池を搭載する方式に変更となった。
なおスターリングエンジン搭載型・リチウムイオン蓄電池搭載型共通事項として、潜水艦としては珍しく潜水艦用交流電動機(永久磁石同期電動機)を搭載している。
これは鉄道やハイブリッド車などで発展した技術であるインバータ制御技術を潜水艦にも用いたもので、可変速機構の省略や消耗部品の少なさなど保守管理の面からも多くのメリットを齎すものとなっている。
このように画期的なものになったためか、海自の潜水艦の命名規則は本型から、旧海軍の空母などと同じ瑞祥動物の名前を付けてもよいことになり、本型はいずれも「~りゅう」(~龍の意味)という名前になっている。
同型艦
- はくりゅう(白龍)
- けんりゅう(剣龍)
- ずいりゅう(瑞龍)
- こくりゅう(黒龍)
- じんりゅう(仁龍)
- せきりゅう (赤龍)
- せいりゅう(清龍)
- しょうりゅう(翔龍)
- おうりゅう(凰龍)
- とうりゅう(闘竜。兵庫県加東市の名勝「闘竜灘」より襲名)