概要
漫画『アオのハコ』の主人公猪股大喜とヒロイン鹿野千夏のカップリング。
大喜は中学時代の終わり頃から体育館で共に過ごす千夏に片想いをしており、高校入学後には親の都合による海外転勤を蹴って一人日本に残る道を選んだ千夏と、お互いの母親が親友だった縁で同居生活を送ることになる。
憧れの先輩と一緒に暮らしながら、恋のライバル登場や自分に告白してきた予期せぬ存在に迷い悩み葛藤し、それでも例え報われなくても自分の気持ちだけはずっと変わらないと決意を固める大喜。
大喜を「いい同居人」として信頼しているが、彼を異性としてどう思っているのか自分の感情はよくわかっていない千夏。
積み重ねていく日々の中で確かな繋がりを得ていく二人の行く末は如何に。
以下、漫画『アオのハコ』の104話以降のネタバレを含みますので閲覧は自己責任でお願いします。
「俺 千夏先輩のことが 好きです」
「私も 好き 好きだよ いのまたたいき君」
大喜はバドミントン部の合宿で、千夏は実家として、それぞれ長野県に赴いた日。
凍りついた湖の上でそれぞれの素直な想いを伝え合い、二人は恋人となった。
交際を始めて以降は千夏が人気者であることや同居している為に問題になるのではないかという懸念から、信頼できるそれぞれの親友笠原匡と守屋花恋以外には秘密にしている。察しが良い針生健吾や、千夏に想いを寄せている松岡一馬はすぐに気づいたが。
大喜はどこまで行っても誠実で、千夏が試合中の負傷で予選敗退してしまった際もその苦しんでいる心を見抜きナチュラルに最適解に近い対応をするなど彼氏として懸命に彼女を支えていく。
一方で、千夏は大喜に急接近する兵藤あかりの出現で嫉妬したり、これまで見られなかった崩れた表情をするようになるなどミステリアスさが薄れ人間味が増してきている(「大喜くんに触りたくなってるの」とか言い出すなど、妙な方向に進み始めている感も…)。
総じて互いを高め合う良好な関係であるが、隠れるようにコソコソとしながら、堂々と周りに恋人同士だと公言できず人前で胸を張って応援すらできない後ろめたさに大喜は次第に忸怩たる思いが蓄積していき、交際スタートから半年ほど経過した夏祭りにおいて、あかりの(本人は善意のアドバイスで悪気はない)揺さぶりによって千夏を守る為に距離を置くことすら考えるようになってしまう。
……が、そこは多くの読者から「強すぎる」と呼び声高い千夏。
すれ違いなど起こさせる暇も与えず、間髪入れずに大喜と恋人同士である事実を周りに明かし、これにより学校中に関係が知れ渡り交際が公然となった。
それでも流石に同居している点だけは引き続き隠し、猪股家の両親にもまだ明かさないように決めた。
しかし、猪股家の父は僅かな距離感から関係を見抜いており、責めることなく節度ある付き合いをするように忠告するだけで優しく二人の仲を見守るように。
そして、もう誰に憚れることもなく晴れて想いを貫けるようになった大喜と千夏は、二人揃って全国大会に出るという夢を賭けた最後の舞台である冬に向け恋も青春も全力で駆け抜けていくのだった。
一瞬で消えてしまう花火
君の隣は
彼女の隣は
何卒 永遠に
匡が面倒な恋愛沙汰に巻き込まれ、あかりが大喜に対する自分の気持ちに戸惑い、大喜自身が学園のアイドル千夏と付き合った為に一部から妬みを買っているとは知る由もなく…。