概要
『ど根性ガエル』の作者吉沢やすみの娘で、自身も漫画家として活躍する大月悠祐子が2015年から連載しているエッセイ漫画。
掲載誌は週刊アスキー(KADOKAWA)→ヤングアニマルDensi(白泉社)→マンガPark(白泉社)。
2015年に『ど根性ガエル』の実写ドラマ化が放送されることを機に開始された。
週刊アスキーの連載は10話更新で終了し、2016年よりヤングアニマルDensiに移籍、更に白泉社のデジタルコミック専門サイトのマンガParkに再移籍。2020年で完結している。
内容
これまで語られることの少なかった吉沢家の内情、特に父の吉沢やすみの家庭内暴力やそれを原因とする家庭崩壊の様子を、娘の大月悠祐子(本名:優子)の視点で描く。
初期は「感動的な家族の再生ストーリー」という方向性で連載されていたものの、現在もまだ関係はぎこちなく完全なる再生には至っていないことが描写されている。
特に第15話ではこれまで少しずつ立ち直りつつあるように描かれていた家族の現在の状態が、根本的なところで改善できていなかったことが明かされ大きな話題となった。
作中では両親からの虐待や大月自身の夫婦仲の悪化、仕事上の悩みなどで精神的に追い詰められていく様子が克明に記されており、柔らかい絵柄ではあるが、かなり陰鬱な描写が多い。
柔らかな絵柄とは異なり後述することを含める家族や前出版への陰惨な仕打ちの暴露シーンで心をえぐられることが大きいため。覚悟を決めて一読することを勧める。
移籍の経緯と単行本の刊行について
もともとはweb限定での公開となった週刊アスキーでの連載であったが、単行本1巻の売上は芳しくなく、12話での打ち切りが決まってしまった。
その後、2巻をKADOKAWAで刊行することも可能であったが、他社での連載と単行本刊行ができなくなることから大月が原稿を引き上げ、他社に売り込むこととなった。なお、アスキーでの担当編集も連載継続を希望しており、もし移籍が難しければ個人的に他社を紹介する、と応援していた。
夫の大井昌和から話を聞いたヤングアニマル編集部にオファーされヤングアニマルDensiに移籍。白泉社が自社のマンガサイトやアプリを統合することに伴い、マンガParkに再移籍となった。
単行本はKADOKAWAから1巻が発売され一度絶版。白泉社から再度1巻が発売され、2020年で完結されている。
KADOKAWA版1巻には吉沢と大月の対談が収録されていたが、先述の第15話で吉沢が対談中に怒って会場を出て行ってしまったこと、和やかな会話になるようKADOKAWA側に内容を改竄された経緯が語られている。白泉社版1巻では同じく漫画家の父を持つ大島永遠(父は大島やすいち)との対談となっている。