解説
2000年にカプコンからPS用ソフト発売。ジャンル「ふしぎアドベンチャー」。
ふしぎな人物が住む「ふしぎアイランド」を舞台に、プレイヤーは刑事となって殺人事件の謎を解いていく。シュールなキャラクター、奇妙な建物、喋る道具、所々で見かける謎の小人…雰囲気や登場人物の「ふしぎさ」が全面に押し出されている。
しかし、その内容は不思議というよりシュールかつ理不尽で、どこか狂った登場人物たちに、常識の通用しない世界で振り回され続け、不条理な目に遭い続けることになる。エンディングもハッピーエンドとはほど遠く、ゲームの雰囲気のせいで軽くなっているがかなり凄惨な内容である。バグ等の不具合がある訳ではないが、暗すぎる内容と破綻っぷりが目を引く作品となっている。プレイするには色々な意味で精神力が必要。
登場人物
ふしぎ刑事
主人公。急な異動命令で本庁からふしぎアイランド署に赴任してきた敏腕刑事。作中で顔はでないが、かなりイケメンで切れ者らしい。おそらくほぼ唯一の常識人。
ネコニャ
地元K察官で、人語を喋るが完全なネコ。主人公の相棒となり、様々な場面で手助けをする。捜査に行き詰まると、ほぼ答えに近いヒントをくれる。コイツも十分狂っているのだが、この島の中ではかなりまともな性格をしている。
オマワリ
犬のK部補で主人公とネコニャの上司に当たる。「〜なのだ」が口癖。見た目からして既にうざいが、中身はそれ以上にうざい。設定で「かなり抜けた」人物とされているが、そんな生易しいレベルではない。ろくに調査もせずに思い込みだけで人を逮捕し、酷いときは処刑しようとする。不潔でいい加減、欲望に忠実で面倒なことはやろうとせず、責任はすぐ誰かに押し付け、やることなすこと全て的外れ、主人公の足しか引っ張っていない癖に態度はでかい、都合の悪いことはもみ消そうとする、というどうしようもない人物。
カワイコちゃん
主人公の初恋の女性。資産家の娘。物語冒頭に発生する殺人事件の被害者となる。
ハンサム
カワイコちゃんの元彼。裸蝶ネクタイ、手袋、スニーカーというスタイルだが、この世界では相当なハンサムらしく、「女殺し」と呼ばれている。口調がかなりチャラいが、性格はそれを通り越して最悪で、女を財布としか認識していない。
ハンプティ・ダンディ
バーの常連客。まず顔が相当にくどいが、喋り方も独特でかなりくどい。性格は純粋だが、寡黙で秘密が多く、話しているとイライラしてくる。
姐さん
バーのママ。足だけは美しい。姉御肌で割合話の通じる人だが、男の趣味は悪い。占いができるが、その際の動作がかなりキモい上に肝心の結果もアテにならない。
テナ
オネェ口調で喋るバーのマスター。噂話が大好きで、島では情報屋として通っている。一見ただのトカゲだが、その口の中にもう一つ人の口があるクリーチャー。
忍者
島の住人。元テレビスターらしいが今ではカワイコちゃんのストーカーと化している。その名の通り忍術が使える。重度のパンツフェチで、湿ったパンツも好きという変態。
コック
島のレストランのコック。腰は低いが職人気質で腕は確か。ニャジニャジを可愛がっているが実は‥。彼の厨房は今作随一のグロポイントである。
謎人物
島に最近越してきた人物。礼儀正しいが見た目が異常に怪しい。
ニャジニャジ
島に住む不思議な生き物で、天然記念物。ニャジとしか喋れないが、ネコニャは彼らの会話が分かる。
余談
本作のキャラデザ担当の一部は2001年発売の『逆転裁判』でも同職を担当している。
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以下、ゲームのネタバレにつき閲覧注意!
ストーリーを進めるとハンサムが行方不明になり、さらにオマワリ、姐さん、ハンプティ、テナ、忍者、コックが相次いで殺害される事件が起きてしまう。
そして終盤、姿を消したハンサムが主人公達により発見されるが、そこに現れた謎人物の正体が明かされ──
今作の一連の事件の犯人は何とゲーム冒頭で殺害されたはずのカワイコちゃんだった。
カワイコちゃんは自らが起こした事件の全貌を語り、更に自身の正体を明かすのだが……?
ここからは選択肢によってカワイコちゃんの正体及びエンディングが3パターンに分岐する。
- 正体がロボット
この場合のカワイコちゃんは彼女本人が作ったロボットで、本物のカワイコちゃんはロボットのカワイコちゃんによって殺害されていた。
そして自らに搭載されている自爆装置を作動させ拘束したハンサムを道連れに家もろとも爆破し最期を遂げた……。
主人公とネコニャは間一髪で脱出し事なきを得る。
- 正体が宇宙人
この場合のカワイコちゃんはフィリピー星から来た宇宙人である事を明かす。
地球を征服する為に来たと言うがハンサムに一目惚れし、征服を諦め彼を母星へ連れて帰る事を決めたと言う。
カワイコちゃんは嫌がるハンサムを拘束し、家型の宇宙船で地球を去って行った。
エピローグでは主人公は刑事を辞めタクシー運転手に転職。
その後カワイコから絵ハガキが届き、ハンサムと結婚し沢山の子供に恵まれた事が伝えられている。
カワイコは幸せな雰囲気だがハンサムの方はやつれる表情を見せていた。
- ふしぎ刑事、殉職
こちらのカワイコちゃんはロボットでも宇宙人でもない純粋な地球人であり、修行により身に付けた仮死能力で死を偽装していた。
主人公に計画を台無しにされたと吐露し最後の悪あがきとして、爆弾をばら撒きがこっそり逃げ出そうとしていたハンサム、主人公達を家に閉じ込め自爆を試みる。
主人公はネコニャだけを逃がし爆発の中に消えて行った……
エピローグでは主人公があの世で被害者達の幽霊に迎えられ、ネコニャは主人公の墓の前で泣いている。