概要
「もこてゐ」とは、東方Projectの藤原妹紅と因幡てゐのカップリングを指す。
両者とも『東方永夜抄』に初登場した。その後両者ともゲームや書籍などの複数の作品に登場している。
迷いの竹林
両者とも現在は迷いの竹林を主な活動範囲としており、同時に、二人ともここを生活拠点としている(てゐは迷いの竹林の永遠亭に居住)。
迷いの竹林はその地理的、あるいはそこに集う妖精の悪戯や妖怪の襲撃などの理由から文字通り迷ったら容易に抜けられない場所であるとされる。
しかしながら、この迷いの竹林を安全に脱出する方法が「もこてゐ」に関連して二つある。
一つは、妹紅に案内を頼むことである。
妹紅は迷いの竹林の道案内を行うこともあり、人間の里からより優れた医療的能力のある永遠亭まで求めに応じて案内をしてくれる。また、時折迷い込む人間などを人里まで送り届ける事もしている。
迷いの竹林では妹紅は極めて頼りになる存在である。
もう一つは、迷いの竹林の中でてゐを見つけることである。
てゐは「人間を幸運にする程度の能力」を持ち、その影響からかてゐを見つけられればその「幸運」で迷いの竹林を抜ける事が出来るという。ただしてゐを見つけること自体が困難でもあるため、こちらは前者ほど安定的に何度も頼れる方法ではないようである。
永遠亭
永遠亭はてゐ、妹紅の両者にとって極めて縁の深い場所である。
先述のようにてゐは現在永遠亭に居住しているが、これには次のような経緯がある。
てゐは『永夜抄』より数百年前、どういうわけか蓬莱山輝夜の能力や八意永琳の知恵と技術などの仕掛けによって隔離されていた永遠亭に入り込むことに成功した。その理由について、永琳今日でも不明であるとしている。てゐは永遠亭へと入った後、持ち前の智恵と策略、人心を見抜く鋭い眼力で以て天才・永琳と対等に契約を交わし、さらに永遠亭へと住みついた。
このとき、先述の仕掛けによって時間的に静止し「歴史が発生しない」はずの永遠亭の歴史が一部開始しており、永遠亭が「始まった」ことで、それはやがて妹紅の、文字通り永遠の仇敵である輝夜との再会にもつながるのである。
「健康」
両者とも「健康」という点にも共通点がある。
てゐは「 健康に気を遣った 」ため長生きであるとしており、妹紅は自称「 健康マニアの焼鳥屋さん 」である。その外見・容姿からは想像できないほどに長命な彼女たちは、その人生時間の長さについて「健康」という観点から解説しているのである。
古い神々
てゐは『儚月抄』(漫画版、小説版)において、永琳との会話中に複数回別々の神々を知っているかのような発言をしている。このときてゐが挙げたのは、てゐの元ネタとも縁が深い大国主と天石門別命(アメノイワトワケノミコト)である。
一方の妹紅も、小説版において古くからの神と直接の縁があったことが語られている。こちらは主に木花咲耶姫であり、かつて妹紅はその姿を見、声も聞き、会話もしている。
いずれも日本神話に登場する、神代の時代からの存在である。東方Projectの世界観においてはこれらの神々は明確な造形をもって描かれたわけではない(※)が、「もこてゐ」の二人は、上記のような神々を通しても縁を持つのである。
ただし、てゐが大国主を慕うような発言をしたりしているのに対し、妹紅が語った木花咲耶姫との縁は壮絶なものであったなど、両者それぞれの縁のあり方は異なっている様子である。
※木花咲耶姫は『儚月抄』小説版中で複数の会話に加え、容姿について「 この世の物ならぬ美しさ 」などの記述がある。ただし作中で姿は描かれていない。