※この項目には、アニメ『ケムリクサ』の物語の根幹に関わるネタバレを含みます!アニメ未視聴の方はご注意ください!
「そんなことしてたら、ワカバまで死んじゃうよ...」
「お父さんも、お母さんも無理して...もうあんなの嫌だよ..!」
「もし、ワカバまで...!」
概要
cv:小松未可子
その正体はワカバが「ケムリクサ」を使用しての“星の文化財転写”の作業中に偶然転写してしまった地球人の少女、つまりケムリクサで出来たホモ・サピエンスのコピーである。
本来は生物が転写される事は無いのだが、彼女の場合すでに死亡していた為に肉体が転写されるというイレギュラーな事態により体が復元、それをワカバが蘇生を試みた所で意識を取り戻し、以後ワカバと共に生活するようになった。
お喋りかつ感情豊かで自分を救ってくれたワカバを父か兄同然に慕っている年相応の少女だが、観察眼、記憶力、洞察力、好奇心に優れ、ワカバが仕事で扱っているケムリクサの使い方もすぐに覚えてしまい、さらに異なる色を組み合わせて新しいケムリクサを生み出してしまうなど、発想力にも優れている。
ただしアオに関しては年齢制限が掛かっており使う事が出来ない。
その一方で臆病、というか怖がりであり、お化けや怪談は大の苦手。
もっとも作中でワカバが話したのは「本当に有った(ケムリクサを使った)人体実験失敗談」という洒落にならないモノであり、大の大人でも聞きたがらないものだが。
前述の通り彼女のオリジナルは既に亡くなっており、また親も亡くしている為、地上に戻る気は無いらしい(そもそも現在の地球がどうなっているのかすら不明)。
その親の死因も「無理をして」という台詞から過労死と推測され、転写作業で働きづめのワカバに親の姿を重ねている節も見られた。
本編での顛末
それからはワカバやムシ達と共にそれなりに楽しく暮らしていたが、転写の仕事に忙殺されているワカバの姿を見て、「印刷トナーに当たるケムリクサの働きを抑えれば少しは休めるのでは」と考え、複数のケムリクサを組み合わせて他のケムリクサの機能を阻害する「赤いケムリクサ」を生み出した。
しかし、「赤いケムリクサ」は彼女の意図を離れ急速に生長、ケムリクサを抑制どころか機能停止させるほど強力な物へと変貌してしまい、この赤い木の放出するケムリクサを破壊する危険な赤い粒子により周辺のケムリクサは全て無力化され、それから新たにケムリクサを生成する事も出来なくなり、もはや仕事どころかこの空間での生活さえ困難な状態になってしまう。
この事態に際して、りりだけでも守ろうとしたワカバによって彼女は何枚もの“壁”の向こう-端島-にまで転移・避難させられる。
端島まで飛ばされた彼女はそれでもワカバを助けようと決意。再びケムリクサを合成を行い、新たに「マゼンタ色の葉」を作り出す。これにはモモと同じく一人の個体を複数に分割し、さらにその個体をそれぞれ全く別の存在へと作り替えるという性質を秘めており、これを用いて自分の体を再構築する事で“大人の体を得て「壁」の年齢制限を突破”し、さらに“一人で失敗した場合に備えて”複数の個体でワカバ救出に当たらせようという大胆な計画を実行に移す。
大雑把に言うと“大人になる”為の方法とは「自身をヒトではないケムリクサへ還元し肉体を再構成する」というもので、ミドリ以外は人には使えないようにできているケムリクサだが、プリント時にはヒトであるかの判別の前に抽出する事まではできていたため、そこで彼女は肉体の抽出を行いその段階でケムリクサへ変化させるという手順を踏む事により、自身を事実上のケムリクサで動く全く別の生命体へと変換するという事である。
しかし、これには複数のケムリクサの組み合わせた作用による複雑な工程を経なくてはならず、どこかでクサの動作が止まってしまえば消滅、成功してもこれまでの記憶や人格が維持される保証は無く、そしてクサで動く体は確実に「赤い木」の標的になるという、どう転んでもリスキーなものであった。
このため、変換の完了前に筆記能力のあるダイダイの葉に簡単なメッセージとその最後にワカバを助けて欲しいというような旨の文章を残すも、自分が消失するまでの僅かな時間でワカバの正確な居場所を確認しようと自身の記憶を記憶の葉を介して見返した際にミドリの苗床になって消滅していたワカバの姿を目の当たりにしてしまう。
既に自分のやろうとしている事が無意味だと悟り、最後のワカバに関する記述を塗り潰すと、その後で「好きに生きて」という殴り書きを残して自身は消滅。
その直後に、りょう、りつ、りん、りく、りょく、りなら六人の姉妹が誕生し、ここから『ケムリクサ』の物語が始まる事になる。
ちなみに彼女の服装は同人版でのわかばが着ていた服によく似たデザインをしている。
りりと姉妹の関係性
りりが6姉妹のオリジナルである事は間違いないと思われるが、彼女が新たに作り出したケムリクサで願ったのは分割の部分を除くとあくまで“大人になった自分”のみである。
でありながら、実際に誕生したのは外見年齢どころか格好も性格もバラバラの6人の女性であり、この中でまだ年長と言えるのが、りょう、りつ、りんの三人くらいで、それでもだいたい高校生か大学生くらいの見た目であり、残ったりく、りょく、りなに至ってはほとんど小中学生程度の体と、およそ成人と言える個体は一人もいない。
しかも、実際に生まれた姉妹が防壁に干渉しようとしてもりくには動かせず、次にりんが本体を使用したら警告モードになった事から“壁”の制御は年齢制限では無く個人認証、つまりワカバ(わかば)にしか出来ないようになっていたか、あるいは実年齢を見抜く機能が付いていたと思われ、りりの「大人であれば壁を開ける」という考えは最初から外れていた事になる。
さらに言うと、全員の格好もチャイナ服(りょう)だったり、巫女装束(りつ)だったり、タイツ(りん)だったり、パーカー(りく)だったり、学生服(りょく)だったり、メイド服(りな)だったりと、それぞれの衣装の統一性も共通性も全く無い。
加えてそのほとんどが自身の格好に合った知識と概念を有しておらず、りり自身もそういった現代のサブカルチャーの概念に触れるような描写が一切ないため、一体何がどうしてこんなマニアックかつバラエティ豊かなコスプレ集団が誕生したのか、具体的な理由や理屈は全くもって謎。
あげく全員の性格さえオリジナルのりりとはかけ離れた者ばかりで、りり側のキャラクター描写が乏しいのもあり、彼女のパーソナルが姉妹達の何に反映されているのかは判断し辛く(りくは地球における動物の存在に言及し、りつは自身のキャラにネコの影響が見て取れるが、過去にりりが動物の事について語るシーンは無い)、唯一りりが持っていた感情と共通しているりんのわかばに対する恋心さえもりりの意識から来ているものなのかは定かではないなど、ワカバ=わかばと比べてこのりりと姉妹のキャラクターとしての関係性については非常に曖昧になっている点が多い。
関連イラスト
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りん(ケムリクサ)…五感では無く身体そのものを受け継いだ事と中の人が同じことから、分割後の姉妹の中でりりに一番近い存在と考えられる。
りんとわかばが激闘の果てに「赤のケムリクサ」を打ち倒し、流れたエンディングテーマ「INDETERMINATE UNIVERSE」。
…その歌を歌うのは、いつしかりん、りつ、りなの3人に。
そしてエンディング場面に光が差し、左側をよく見ると…
りりが、ワカバに向かって行く姿のシルエットがあった。