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概要

男性の“紅世の王”。炎の色は青。I巻から秘法『都喰らい』を行った“徒”として語られ、X巻およびS巻『キープセイク』に登場。カムシンには「青き棺の天使」と形容された。

仮面をつけた蒼い天使の姿をしている。真名は「棺の織手」。

人物

思慮深く温厚で、他者に対してあまりにも優し過ぎる性格。それは在り方がかつての己に似た、マティルダとアラストールに対しても向けられていた。

『清なる棺』という、周囲の因果から閉鎖された強力な凝固空間を作り出す能力を持つ。優れた自在師であり、同時に強大な統御力を持つ当時の乱獲者の中では最強の“王”。自在法『都喰らい』を編み出し、無数のトーチに『鍵の糸』という仕掛けを用いて『都喰らい』を行い、都市丸ごとの“存在の力”を得るとともに使いこなす事で自身を強大な存在にした。又、その“存在の力”を『九垓天秤』にも分け与え、強化していた。

本編で直接戦闘したのは一度だけであり、その相手はアラストールであった為に全く歯が立たなかった。そのため、彼個人の戦闘力がどの程度のレベルかは不明。

以下ネタバレ注意

元々は最古のフレイムヘイズの1人として活動していた“王”で、本来の真名は“冥奥の環(めいおうのかん)”。世界のバランスを守ると言う使命に燃え、契約者の少女『棺の織手』ティスと共に、“徒”の組織を幾つも壊滅させた英雄だった。太古の“祭礼の蛇”を『久遠の陥穽』に放逐した戦いには、ティスと共にフレイムヘイズ側として参戦し、イルヤンカ達と戦った模様。

しかし、契約者ティスが人間の裏切りで殺された際に彼女への愛情に気づき、彼女の喪失を恐れて『清なる棺』で亡骸の崩壊を防ぎ、同時に周りの人間を貪り喰らい“存在の力”を得ながら、ティスと言う「心通じた場所」を起点として自身を強引にこの世に再召喚、世界のバランスを脅かす“徒”と同様にこの世に顕現した。

以後は、自身と契約したフレイムヘイズの称号である“棺の織手”を名乗り、フレイムヘイズの使命を放棄してティスを蘇らせる術を求め、フレイムヘイズと敵対しながら世界を旅する。そうして様々な“徒”と出会い、やがて『九垓天秤』と呼ばれる強大な力を持つ九人の“王”を従え、とむらいの鐘(トーテングロッケ)を組織するに至る。

契約者ティスを蘇らせる事は叶わなかったが、彼女の最後の願い「私たちの子供が欲しい」を叶える為に、存在の『分解』と『定着』の自在式を刻んだ金属板(『大命詩篇』の断篇)と宝具『小夜啼鳥(ナハティガル)』の力を用い、自身と愛するティスの存在を融合させた『両界の嗣子』を生み出そうとした。

とむらいの鐘が強大な組織となったのは、彼が出会った“徒”を誰も見捨てなかったからであり、癖の強い『九垓天秤』全員から慕われているところからもその人格面での優しさを窺える。愛し合う者同士が共に生きる事を望んだが叶わなかった過去を持つ故か、マティルダとアラストールが愛し合っている事を知ると、世界のバランスを守る為に死ぬ事を承知で自身を討滅しようとする二人に同情し、二人の間にも子である『両界の嗣子』を作らせ仲間にしようと説得するが、最終的に『天破壌砕』で顕現したアラストールと激突、全く歯が立たずに討滅された。

ユダヤ教・キリスト教で堕天使アザゼルの別名を持つ、カナンで崇拝されたアシズという同名の砂漠の神が存在する。

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