概要
人間が生きるこの世とは異なる別世界“紅世”の生命体である“紅世の徒”、彼らがこの世で行う蛮行によって世界に歪みが生じることを危惧した同胞が生み出す戦士の名称。
人喰いを行う"紅世の徒"たちを討ち滅ぼす(討滅する)存在であり、討滅される側からすれば同胞殺しにあたる。
フレイムヘイズは元人間である『器』のほうを指し、『神器』と呼ばれる道具の形に収まった上位の“徒”である“紅世の王”の二人一組が基本となる。
この世の法則から外れた存在であるため、不老であり肉体的成長もしない。さらに常人を超える治癒能力や耐久能力を持っており、腕が千切れるなどの肉体的な欠損も時間経過で元に戻り、なおかつ傷跡も全く残らない。
人間としての人生経験が積みにくくなっているため、フレイムヘイズの精神的成長は通常の人間より遅くなりがちである。
食事や睡眠などの生理行動は不要である。とはいえこれらの動物的習慣を放棄しているフレイムヘイズは稀であり、人間であった時の何かしらの行動を習慣的に継続している者は非常に多い。
不老のフレイムヘイズにも死の概念はあり、外傷による死亡以外にも、「本体がフレイムヘイズであることをどちらかが望まなくなった」場合には肉体が砕け散り消滅する。
フレイムヘイズが死亡しても“王”の側は死亡せず、“紅世”に帰還することができる。故に一人の“紅世の王”が二人以上のフレイムヘイズの誕生を経験することもある。
フレイムヘイズには内に宿す“王”毎に決まった称号があり、『○○の××手』という表現をする。
他作品を用いて簡潔に言えば、“紅世の徒”は怪人であり、“フレイムヘイズ”は仮面ライダーに当たるだろうか。
その場合、フレイムヘイズ『○○の××手』という称号は仮面ライダーの固有名に相当するだろう。
誕生の過程
この世の人間と契約を結ぶことによって誕生する。
ただし人間ならば誰でも良いというわけではなく、何らかの形で“紅世”由来の何かに対して強い感情を抱いた者でなければならない。
その感情を抱いた人間を“王”が感知した時、両者の間で次元を超えた会話ができ、契約が可能な状態となる。
フレイムヘイズとなる人間は、契約時に人間である時に生きたであろう全ての時間を代償に“王”を召喚し、“王”はそこに生じた隙間に入り込み力を与える。
この代償によって、人間であった時の周囲との関係性は問答無用で失われ、この世の法則から外れた存在になる。
これらの代償と対価を人間側が同意した時、契約は成立し、その人間という存在は消滅しフレイムヘイズとして誕生する。
契約には前述の強い感情が必要であるため、フレイムヘイズの多くは“紅世の徒”に対する復讐者である。
また、強い感情を抱く人間という意味で、フレイムヘイズになる人間は若年層が多くなる傾向にある。
なお、『フレイムヘイズ』という言葉の語源は契約の場面にあり、契約者が目に映すこの世と“紅世”の狭間の光景を「炎の揺らぎ(flame haze)」と称したことに由来する。
本編終了時点では、1000名以上のフレイムヘイズが存在する。
能力
フレイムヘイズが用いる力には契約した“王”の性質が反映され、彼らは“王”と同じ色の炎を宿す。
前述の耐久性の他、『自在法』と称される魔法のような技術を行使することができる。
フレイムヘイズは人間であった時に有する、過去現在未来に渡る世界や他者への影響力が大きければ大きいほど、契約した“王”も大きな力を振るうことができる。
簡単に言えば、徳川家康やジャンヌ・ダルクのような後世の歴史に刻まれるような存在であれば強い才能を有するということである。
作中主人公のフレイムヘイズであるシャナはフレイムヘイズになる前提での人生を送ってきているため、才能を有するのはある意味自然であると言える。
基本的な自在法(技)
炎弾
呼んで字の如く、熱量を砲弾のように撃ち出す初歩的な攻撃の自在法。
清めの炎
身体の汚れを落としたり、体内の毒を解毒することができる自在法。
封絶
本編の現代時系列において、最も頻繁に利用される初歩的な自在法の一種。ドーム状の結界『因果孤立空間』が形成され、結界内部は“紅世”由来のものを除いた全ての時間が停止する。結界外部からは内部の状態を把握することは困難であり、“紅世の徒”が隠密行動をするのに重宝する。
フレイムヘイズの側が使用することにもメリットはあり、結界内部で停止したものであればどれだけ破壊されたとしても結界が張られる前の状態にまで修復することができる。
因みに構築された封絶の中にこの世の存在が後から入ってきた場合、入ってきたもの全部が封絶に囚われる。
調律
“紅世”の力によって歪まされた世界を「本来あるべき姿」になるように修復する自在法。
元に戻すのではなく「本来あるべき姿」のイメージを基に再構成する技術であり、封絶内での完全修復とは異なる。
自在法の中でも普遍利用できない高度な技術であり、これを行うベテランのフレイムヘイズは『調律師』と称される。
彼ら『調律師』が活躍を続けていたことにより、この世は崩壊を免れてきたとされている。
外界宿(アウトロー)
フレイムヘイズはその誕生の過程上、個人行動する方向性に行き着きがちである。
復讐を終えて暇な、または変わり者のフレイムヘイズによって、そのフレイムヘイズたちの活動のための情報交換・支援を行う組織及び、その互助施設が誕生した。これを現在は『外界宿(アウトロー)』と総称している。
設立当初は休息所・溜まり場といった側面しか持ち合わせていなかったが、19世紀頃に世界の組織としての体裁が確立された。
この施設の管理者はフレイムヘイズだけでなく、“紅世”を知る人間も構成員として採用されている。更に世界経済に企業という形で参入を果たすとともに、フレイムヘイズの能力を利用して人間社会の様々なコネクションと財源を手に入れている。
この世界の日本において、仙台、京都、博多に本部、東京に総本部が存在する。
主なフレイムヘイズの一覧
名称は「契約者/契約主の王」として表記。
シャナ/アラストール | マージョリー・ドー/マルコシアス | ヴィルヘルミナ・カルメル/ティアマトー |
キアラ・トスカナ/ウートレンニャヤ・ヴェチェールニャヤ | サーレ・ハビヒツブルグ/ギゾー | カムシン・ネブハーウ/ベヘモット |
戦友・同胞
メインキャラクターたちと知己の同胞。
過去のフレイムヘイズ
本編開始前に存在したフレイムヘイズ。
大地の四神
アメリカ大陸を長年"紅世の徒"から守ってきたフレイムヘイズ。全員意図的にフレイムヘイズの適性を高めてから契約しており、"徒"からは『魔物』と称されている。
大陸内での『内乱』を境に、"徒"を積極的に討滅することに否定的になっており、それぞれが独自の価値観によって行動している。