概要
アノンは元来はモンスターではなく、砂漠の国であるグビアナの女王様であるユリシスのペットである黄金の皮膚を持つトカゲであった。「アノンちゃん」と呼ばれ、リボンをつけられているが性別は雄である。日差しが苦手で脱走していたが、主人公に連れ戻された。
ワガママな女王は、貴重なオアシスの水を沐浴場に引き入れたのを皮切りに、アノンの面倒を見る家来達にも無理を言いつけるなど好き勝手をしていたが、アノンには優しく心を開いていた。女神の果実を手に入れた女王はそれをスライスして沐浴場の水に入れると、それを食べたアノンは巨大化してギガントドラゴン(リボン以外は下位種のギガントヒルズにそっくり)のような化け物に変貌し、女王を攫って逃げ去った。
主人公は、グビアナ城にいる人々から情報を聞き、先代王の築いた地下水道の最深部でアノンと対峙し、闘う事になる。彼は女王様に惚れていたらしく、動物の本能で女神の果実の力を感じ取り、人間になろうとした。その結果、人間語(ただしかなり汚い関西弁)を話せるようになり、自分は人間の男性なのだと錯覚するようになった。それにより、
「……なあ、ユリシスはん。わてと一緒に、これからスウィートな人生を……。」
と女王様を口説いていたのだった。だが、妖精のサンディに「あんた、女王様のことが好きだったってワケ? トカゲのくせに?」とバカにされたため怒り狂い、襲いかかってくる。
性能
アノンは外見通りのパワー型であり、200もの攻撃力で力押しして来る。特に、必殺技でもあるツメで切り裂く攻撃と「かえんのいき」は脅威であり、動きを止める「おたけび」と並んで注意すべきである。錬金で丈夫な防具を作り、かつ「スクルト」と「ドラゴン斬り」があれば楽に勝てる。日差しに弱かったと言う設定どおり光属性か、ハ虫類の弱点である冷気の魔法も有効。
忠義と愛の果てに
敗れたアノンは、自分が火を吐く龍と化した事を戦った結果に悟り、「わて、人間とちゃうわ」と自分が人外であることを認めるが、
「……せやけど、ここでくたばるわけにはイカンのや。ユリシスはんを、あの城に……あの敵だらけの城に帰すわけにはイカンのや……。わては、死ぬまでやるで……。」
名誉を得るための地下水道造りで多忙であった先王の愛を受けられず、家来を信用せずにこき使う猜疑心とワガママの塊になった女王様を、信用ならない家来共の手から助けられるのは自分だけ。そう感じていた真意を虫の息で語るアノンの前に、女王によってクビにされた侍女ジーラが駆け込んでくる。ジーラだけでなく、大臣を始めとして女王様を気遣う家臣も多かったのだ。
彼女の思いやりと忠義を見届けたアノンは改心し、自分の浅知恵を恥じるように笑って主人公に女神の果実を託した。こうして力尽きたアノンの巨体が光と共に崩れ落ちた時、復元された果実の傍には、元のトカゲになった彼が佇んでいたのであった。
その後、優しい気持ちを取り戻したユリシス女王の治める幸せな国となったグビアナの幸運をもたらすトカゲとして人気者になり、善政に勤しむ主人の姿を見つめるアノンの姿があった。
余談
なお、自分が人間になれたと勘違いした時、「どやっ! イケメンやで~っ!」と吠えるなど、如何にご主人様を愛していたかが分かるが、どこかコミカルなセリフも多い。その一方で、
「アンタも人間ちゃうやろ?しかも木の実に詳しいと見たで」
「おおきに……。天使のような、旅人はん……。」
など、主人公の素性(元天使)を見抜くと言った鋭い洞察力を持つキャラでもある。