概要
『神曲奏界ポリフォニカ』のクリムゾンシリーズの登場人物の1人。
サンテラ・ボルゾン率いる新生“嘆きの異邦人”の三強とされる超一流の神曲楽士の一角のサモン・サーギュラントと契約を結ぶ外見年齢10~13歳程度の少女の姿をしたフマヌビック形態の上級精霊。サーギュラントからは愛称の“イアリ”で呼ばれている。
精霊特有の羽根は黄金色をした蝶の翅の様に見えるデザインとなっており、普段は通常の精霊たちと同じサイズをしているが、大きな力を発揮する際に展開する時は巨大なサイズとなる特徴を持つ。
長い金色の髪の毛に黄色い瞳が特徴のゴスロリ風の衣装を身に付けた一見すると非常に可愛い美少女だが、性格は非常に残忍なサディストで、人間を解体すると楽しい玩具くらいにしか考えていない。
また、組織の裏切り者を粛清するパニッシャーの役割を担っており、その役目を嬉々として行っていた事から、同じ組織のメンバー達からも“殺戮する黎明(スロータラス・ドーン) ”の二つ名で呼ばれ非常に恐れられていた。
ただし、契約者のサーギュラントには「サーギュゥ」と呼んで年相応の少女の様に甘えたりするなど実の親の様に懐いている。
実は生まれついて始祖精霊たちに匹敵するほどの強大な力を持っていたが故に人間だけではなく精霊たちからすらも恐れられ避けられてきた過去を持ち、その孤独感を振り払うために“強者は残忍で恐れられるもの”だとして自分をごまかし続けてきた結果、現在の様な性格になっているだけで、本来の彼女は以外にも義理堅く優しい一面を覗かせる(いわゆるツンデレで、我儘娘といった方がしっくりくる)。
サーギュラントとはそんな孤独な日々を過ごしていた時に出会っており、黄昏の公園で最愛の娘を亡くし、絶望を抱えて一人孤独に神曲を奏でていた彼の抱えた自分と同じ境遇に惹かれ(上から目線で)契約を申し出たという経緯があり、彼と契約を結んでからはサーギュラントと行動を共にすることが喜びとなった。
なお、内心ではサーギュラントの一番大切な者になりたいと願っているが、同時に亡くなった彼の娘には敵う事は不可能とも悟っている為、その思いを押し殺しながら日々を過ごしている。
三強の契約精霊たちの中では最も強大な力を持っており、単純なエネルギーだけなら、上述したように始祖精霊にも匹敵するほどの破格の力を持っている一方、それ故に創意工夫などせずとも常に力推しで全て片付けてしまっていた為に、(本人の性格も手伝って)力の使い方自体が大雑把で非常に拙いという弱点を抱えている。
一度はサンテラ・ボルゾンによる再奏世の最中に誕生した始祖精霊の一種である“世界の種子”に取り込まれ消滅するが、フォロンとコーティカルテの活躍により“世界の種子”が破壊された為、サーギュラントと共に復元、復活を遂げる。
復活後は奏世楽器を四楽聖から奪う為に暗躍する政府のタカ派が送り込んだ秘密部隊“特装奇兵”の連係プレイからサーギュラントを護るために傷付き瀕死の重傷を負うが、彼女を救うために火事場の馬鹿力を発揮し自身を抱えて逃走し続けたサーギュラントのおかげで偶然にもドルバス神曲学院に逃げ込み九死に一生を得る。
その後、成り行きで不承不承ながらも奏世楽器の秘匿に協力する事となり、自分たちとチームを組むこととなったフォロンとコーティカルテと喧嘩を繰り広げながらも少しずつではあるが穏やかな日常に馴染んで行く事となる。
全てが終わった後、サーギュラントと共に姿を消した彼女は彼の一番大切なものになりたいという願いを叶える為に羽を消していれば人間と変わらない容姿を利用し、ほとぼりが冷めるまで親子として潜伏するという方法を提案。
その願いは聞き入れられ、現在は凰都ヴィレニスで安アパートの部屋を借りてサーギュラントは神曲楽士ではなくとある飲食店の従業員として、自身はどこかの学生として通うという普通の暮らしを日々送っている(なお、サーギュラントの事は「父ちゃん」(実の娘はそう呼んでいたらしい)と呼んでいる)。
なお、コーティカルテたちとは奏世楽器の秘匿に協力して以来、腐れ縁となっており、物語の重要な節目で連絡を受けては協力する関係の間柄となっており、コーティカルテとは半ば喧嘩友達のような仲となっている模様。
余談
作者自身は彼女がここまで人気を得るとは思っていなかったらしい。