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正確には「キリコが飲むウドコーヒーは苦い」。

「あらゆる悪徳が武装するウドの街。 ここは百年戦争が産み落とした惑星メルキアのソドムの市。 キリコの躰に染みついた硝煙の臭いに惹かれて、危険な奴らが集まってくる。 次回『出会い』。 キリコが飲むウドのコーヒーは苦い。

今でいう「中二」感溢れるこのフレーズのインパクトは大きく、現代まで語り継がれる伝説となった。

解説

「ボトムズ」を語る上で、決して外せないポイントである「次回予告」、その中でも番組そのものの印象を決定づけたと言える名フレーズである。

バララント同盟との「もはや開戦理由も分からなくなるほど続いた」百年戦争が終結したボトムズ世界において、「停戦=平和」などという図式は有り得なかった。

疲弊と困憊の頂点を過ぎた惑星メルキアの主要都市ウドも、終戦後の戦地帰りが屯し、ならず者たちが徒党を組み、希少金属ヂヂリウムの採掘に必要な労働力を求めて人間狩りが横行している。

そして本来それらを取り締まるはずの治安警察が非合法な取引から賄賂を得て目を瞑るという、戦後日本の闇市を思わせる混沌とした世界が広がっていた。

主人公キリコはこの混沌としたウドの街に流れ着き、あるものの情報を求めてあてどなくさまよう日々を送っていた。荒くれものたちによる”ウドの洗礼”がキリコにも容赦なく襲い掛かるが、特殊部隊上がりの彼にとっては集る虫を払うような些事に過ぎなかった。その実力が方々巡って噂になり、アクの強いウドの町の住人たちがキリコのもとに次々と現れる……。

…という内容を僅か30秒でざっくり説明しきり、かつその手の筋のあんちゃんたちにとってはそそられる文体で、名優銀河万丈が朗々と読み上げるのだからコリャイチコロ。

ボトムズのハードボイルド小説然とした作風に、コーヒーという苦く重々しい飲み物は非常にマッチしており、それを〆に持ってくることで背伸びしたい年頃の男子心はガッチリ掴まれたのであった。

ちなみに予告でウドのコーヒーを強調しているが、実は劇中ではキリコはウドのコーヒーを飲んでいるシーンはない。3話ではキリコがゴウトから貰ったパンとスープをがっつくように食べるシーンがあり、画面内ではコップが存在しているが劇中では飲むシーンは一切なくそもそも飲料もコーヒーかどうか確認できない。もしコーヒーを飲んでいたと仮定するなら、食事中の画面外でコーヒー(と思われるもの)を飲んでいたのだろうか。

なお、この文面を執筆したのは総監督の高橋良輔

アニメにおける次回予告とは言わば一種の広告塔であり、視聴者相手に作品の方向性や色合いを明示し、かつ話そのものの手引きもしなければならない脚本家泣かせの作業であり、現場のすべてを俯瞰して把握できる総監督だからこそ書けた代物であった。

これ以降ボトムズ監督の仕事は予告を考える事とまで言われるほどに……

関連動画

余談

話題性とものが「コーヒー」という手軽さからか、商品化も行われている。

2006年12月1日にはホビーショップコトブキヤから『ウドの缶コーヒー「WOODO」』(微糖ブラック)、2018年6月29日にはサンライズとMK Labのコラボ商品として、リキッドタイプの「Polymer Ringer Liquid~ウドのコーヒー味~」が1,000本限定で発売された。そのほか「ウドのコーヒー マグカップ」も発売されている。

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ウドのコーヒーは苦い
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