概要
天然資源や農産品の輸出に依存した結果、国内製造業が衰退し失業率が高まる現象のこと。
新興国に見られやすい経済問題である。
1977年にイギリスの雑誌エコノミストから生まれた造語。
由来
オランダでは、1960年頃に北海で膨大な天然ガスを産出しており、1973年の第一次石油危機によりエネルギー価格が高騰することで天然ガスの売却収入が増大。
この収入を原資にして高レベルの社会福祉制度を構築することができた。
その一方で天然ガス輸出拡大によってオランダの旧通貨単位「ギルダー」の為替レートは高騰。同時に労働者賃金の上昇を招くと輸出製品の生産コスト上昇も加わって、工業製品の国際競争力は激減。経済は悪化した。
経済の悪化に伴い、経済成長下で増大させた社会保障負担は財政を圧迫し、財政赤字が拡大。歳入が減った状況で更なる増税が必要になり、オランダは深刻な経済危機に陥ることになった。
この現象をイギリスのエコノミスト誌が呼称したのが「オランダ病」である。