演：林寛子
「ハヤテさん、私は忍者の子です、忍者の掟はわかっているつもりです」
変身忍者嵐第19話より
概要
主に1972年（昭和47年）4月7日より毎日放送・NET（現：テレビ朝日）系列で放送されたテレビドラマ『変身忍者嵐』の登場人物として知られるが、他にも石ノ森章太郎の『変身忍者嵐』（週刊少年マガジン連載)、『新・変身忍者嵐』（希望の友連載)、石川賢による作品『変身忍者嵐外伝』（冒険王連載）、にわのまことによるスピンオフ作品『変身忍者 嵐Χ（カイ）』（コミック乱連載）、その他、きだつよしによる『仮面ライダー響鬼』のノベライズ（講談社キャラクター文庫）にも共通して登場する。
石ノ森章太郎版、石川賢版においてはカスミの登場は途中まで。
にわのまことの『変身忍者 嵐Χ（カイ）』は、今のところ未完である。
きだつよしの『仮面ライダー響鬼』のノベライズでは血車党の壊滅後に伊賀くノ一をやめ、ハヤテを人間の体に戻すために医術の勉強をするカスミの姿が描かれている。
各作品の共通設定として
徳川家に仕える伊賀忍者タツマキの長女。
自身も一応忍術も会得している他、医術の心得もあり、傷の手当てなどが得意。
父タツマキ、弟ツムジと共に、血車党の抜け忍となって戦うハヤテ（変身忍者嵐）の仲間となり、共に血車党と戦う。
（注：にわのまこと『変身忍者 嵐Χ（カイ）』第2巻の段階では、徳川家はまだ幕府を開いていないなで、この作品において、カスミは『公儀隠密』ではない）
テレビ版の設定
弟のツムジとともに血車党に襲われたところをハヤテに助けられ、以降は共に血車党と戦うようになる。
明るく優しい性格。
第2話でハヤテから横笛「涼風」をもらう。この笛は吹くと特殊な音波を発し、ハヤテの愛刀「速風」と共鳴して、自らの危機をハヤテに知らせる能力を持っている。
第2話から第19話までは紫色の忍者装束と、水色のマフラー＆見せパン(アンダースコート?)を着ており、ベルトを着用していた。また特徴的な長髪はおろしていたが、第17話から総髪を後ろでまとめる髪型（現代でいうポニーテール）に変更。
第20話からは戦闘では黒い忍者装束、普段は町娘の服装となる（第19話ではそれまでの紫色の忍者装束と黒の忍者装束を併用）。
第29話では登場せず、第30話から32話は最後の方で少しだけ登場し、以降は姿を消す。
石ノ森章太郎（週刊少年マガジン版）の設定
第1話『化身忍群、闇に踊る』のみに、父のタツマキ、弟のツムジと共に登場。
化身忍者たちとの戦いで傷ついたハヤテをカスミが見つけ、その手当てをするのが出会いとなる。
ハヤテのズタズタに破れた着物を縫い直してあげるなど、女性らしい一面も見せる。
その後で化身忍者に操られた父のタツマキに、ツムジと共に斬りかかられるが、今度は突然現れた変身忍者嵐によって危機から救われ、また、嵐のおかげでタツマキも正気に戻る。
その嵐の正体がハヤテであることを知らされたところまでで、以降にカスミの登場はない。
なお、ここでのカスミの忍び装束は、テレビ版第19話以降に着用された黒の忍者服に近いイメージのものである。
石ノ森章太郎『新変身忍者嵐』（希望の友版）の設定
第2話『河童子ものがたり』より、第8話『血闘‼変幻狼男』まで登場。
父タツマキ、弟ツムジと共に血車党の化身忍者かまいたちに襲われているところを変身忍者嵐に救われるのがハヤテとの直接の出会いとなる。
が、自身も血車党の化身忍者でありながら、かまいたちの襲撃から自分を助けようとしてくれた河童子を変身忍者嵐が結果的に斬ってしまったことを悲しむシーンがある。
その後はテレビ版と同様、ハヤテとタツマキ、ツムジと共に血車党と戦う旅を続ける。
第3話でハヤテから着物を縫ってくれた礼として、『ハヤテの愛馬ハヤブサオーを呼ぶことが出来る笛』を渡される。
（『涼風』という名前は示されていない）
第5話で伊賀忍法カスミがくれという、大量の霞を発生させて煙幕がわりにする術を披露している。
最後の登場である第8話では、化身忍者狼男の人質としてハヤテの前に姿を現す。
化身忍者狼男（その正体は下忍とされる）が、嵐の羽分身の術に惑わされて斬られるものの、その瞬間、油断したハヤテに『化忍狼女』としての正体を現し、いきなり変身を解除したハヤテに噛みつく。
結果的に『化忍狼女』は、ハヤテの短剣に心臓を刺され、崖から落ちて絶命するが
このカスミが『化忍狼女』が化けたものであったのか？
それとも
ここでのカスミの正体そのものが『化忍狼女』だったのか？
についての判断は作中では示されていない。
ハッキリしているのは、以降本作品では最終話に至るまでカスミは登場していないということである。
（なお本作品におけるタツマキ、ツムジの登場は第7話まで）
石川賢『変身忍者嵐外伝』（冒険王版）の設定
第1章『ネコマンダラ』で血車党に弟ツムジと共に襲われているところをハヤテと、その父である嵐鬼十（谷鬼十ではない）に救出されるのが、ハヤテとの出会いとなる。
（テレビ版と似ているが、化身忍者がネコマンダラである点が異なる）
第2章で、ただ一度だけ涼風を吹いてハヤテを呼ぶシーンがあるが、その涼風がいつ、どのような経緯でカスミに渡されたかの経緯は作中では示されていない。
第10章を最後に、以降は登場しなくなる。
にわのまこと『変身忍者 嵐Χ（カイ）』（リイド社版）の設定
徳川秀忠を襲った化身忍者半裂（ハンザキ）から、秀忠を救った際に大ケガをしたハヤテを、父であるタツマキの指示により手当て、看護をしていたのが、ハヤテとの出会いとなる。
その後、化身忍者半裂（ハンザキ）によって人質にされるが、ハヤテが変身した嵐によって救出され、その事によってハヤテが『変身忍者嵐』であることを知る。
徳川家に仕える忍者として、敵方への潜入や、チャンスを見て敵将に斬りかかるなど、戦闘的な一面もある。
ハヤテが気になっている様子だが、恋愛感情まで至っているかどうかは今のところ不明。
小説仮面ライダー響鬼の設定
血車党の壊滅後にくノ一をやめて、ハヤテを人間に戻すために江戸で医術の勉強に専念しているという設定だが、作品の後半では『新血車党』との戦いにも参加する。
余談だが、本作品中ではカスミはハヤテのことを『ハヤテ殿』と呼んでいるが、読んでいて違和感を抱く人は少なくないように思われる。
