概要
地球連邦軍オークランド研究所で開発された強化人間専用試作型モビルスーツ。
ガンダム[ケストレル]の原型機であり、ガンダムタイプに似た頭部エクステリアを有するが、厳密にはガンダムタイプではないとされている。
当初はティターンズ傘下で開発が進められていたが、オークランド研究所の存続を考慮し、ドクター・アルヴィースら親エゥーゴ派によって宇宙での試験運用中に鹵獲に見せかけ2機がエゥーゴへと譲渡された。
エゥーゴに譲渡された2機の内、1号機はロサ・ギガンティアでテストが行われ、エーヴィ・アルヴァがテストパイロットを務めた際のテスト飛行中に起きた事故を契機に[ケストレル]仕様へ改修されている。
また、2号機は1号機とは別にグラナダでテストが行われ、その結果アーマー・エクステリアなどの装備が開発されており、その後も新型機開発のテストベッドとして運用されていたが、その役目を終えるとサラミス改級「デルフォイ」へと配備され、ネオ・ジオン残党と極左テロ組織「カメラード」によって占拠された小惑星基地「ダモクレス」の奪還作戦に参加。その際ヨーン・ユルヤナの乗機として運用された。
ガンダムタイプのモビルスーツではないものの、1号機が「ガンダム」として改修された事に加え、「V字アンテナがあればれっきとしたガンダムである」というヨーンの主張からデルフォイクルーからはガンダムとして認識されている。
機体構造や武装はケストレルとほぼ同一であり、三基の高出力ジェネレーターと、レーザーロケットエンジンによる高機動型モビルスーツとしてのコンセプトはこの時点で既に完成している。
[ケストレル]と異なり全身が濃紺を基調とした「ティターンズカラー」で塗装されており、また背部にフレキシブル・バインダーが搭載されている他、全身のビーム・ユニットの外装デザインもケストレルとは異なり、頭部に関してもガンダムMk-ⅤやガンダムTR-6 ハイゼンスレイⅡに連なるデザインとなっており、全体的な印象は大きく異なる。
なお、全身に配されているフィン状のアンテナはシャーマン・フレームの感度を上げる為の補器である。
1号機がケストレルへと改修する際には、汎用性向上や過剰な機動性を削ぐ目的でアンテナやフレキシブル・バインダーは排除されている。
なお、2号機のコア・ファイターについては[ケストレル]がひな鳥を意味する「コア・スクァード」をペットネームにしていたのに倣い、こちらはグリンブルスティ(猪)に対して子豚を意味する「コア・ピグレット」のペットネームを付けられている。