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キャッスルオブドラゴン

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きゃっするおぶどらごん

1989年にアーケード向けにリリースされたアクションゲーム。(メイン画像のキャラクターはアーケード版に登場する敵キャラ。)

概要

『キャッスル・オブ・ドラゴン (CASTLE OF DRAGON)』および『ドラゴンユニット (DRAGON UNIT)』は、1989年にアーケードゲームとして稼働したアクションゲーム

タイトルが複数存在するが、単純に日本版と海外版の違いだけで別タイトルではない珍しいケース。

日本では『CASTLE OF DRAGON』のタイトルで販売され、ゲーム中タイトル・インストカード・基板のマニュアルでの表記も同タイトルに準じているが、ゲーム中タイトルのみが『DRAGON UNIT』になっているケースも存在する。

(おそらく厳密に地域を分けずにいずれかのタイトルで稼働させていたものと考えられる。)

(基板のジャンパによってどちらのタイトルが表示されるかが決まっているとの情報あり。)

移植

翌1990年に『ドラゴンユニット』のタイトルでファミコンに移植されたが、こちらのゲーム内容はアーケード版との違いが大きいため、本記事末で別に解説する。

アーケード版の忠実な移植は、2025年1月2日にSwitchPS4向けにハムスターよりアーケードアーカイブス(以下アケアカ)シリーズのタイトルとしてリリースされている。アケアカ版でのIARCレーティング表示は16+(16歳以上)。

なおアケアカの独自オプション「こだわり設定」ではタイトルロゴを「DRAGON UNIT」に変更することもできる。

メーカー表記

本作のメーカーの表記や情報には複数の社名が挙がっている。

  • アーケード版のタイトル画面ではアテナまたはセタのいずれかが表示される。(セタの米国法人が北米地域での販売を担当し、北米でのディストリビューターはタイトーアメリカとROMSTARが担当しているとのこと。)
  • アミューズメント通信社が発行していたアミューズメント業界紙「ゲームマシン」1989年9月15日号(16ページ)では、開発はセタ、基板販売はエイブルコーポレーションと記されている。(出典:アーカイブPDF
  • 国内ファミコン版『ドラゴンユニット』のメーカー表記はアテナ。一方、同内容の海外NES版『CASTLE OF DRAGON』でのメーカー表記はセタUSA。
  • アケアカでは当時のメーカーはアテナとされている。

(※本記事の親記事には、アケアカによる2025年最新の出自情報であるアテナを設定している。)

ストーリー

平和な国、ウェンラリー王国……

しかし突如現れた獰猛なドラゴン「ズリーブ」が街を破壊し、城を襲い、姫をさらって自らの城の最上部に幽閉してしまう。

その話を聞いた隣国の若き王DukeとNardaは、姫を救い出すためドラゴンの城へ向かう。

※ なお、ファミコン版ではストーリーがより詳しく綴られており、ダークラーザ帝国国王・ゴダールが全世界を我が物とすべく、太古に封印されたキングドラゴン・ズリーブを復活させたが制御に失敗。目覚めたズリーブは怒り狂い、周囲の国はおろかダークラーザ帝国すらも焼き払い破壊の限りを尽くし、ウェンラリー王国に魔物を送り込み姫をダークラーザ城へと連れ去った、とされている。

ゲーム内容

特色

中世ファンタジー(剣と魔法の世界)を舞台としたアクションゲーム。

比較的大きく描かれたキャラクターが目立つほか、全体の雰囲気として、敵のやられモーションが流血や爆発や炎上であったり、BGMが短いループながらギターやドラムを前面に押し出したハードな曲調であるなど、シリアスで激しい闘いを思わせる派手な演出が目を引く。

ゲーム開始時やラスボス直前など随所に挿入される、迫力ある全画面サイズで描かれたアニメ調のCGイラストも見どころのひとつ。

ゲームシステム

サイドビューの片道スクロールのアクションゲーム。2人同時プレイ可能。

ライフゲージ+プレイヤーストック(残機)制。操作は1レバー+3ボタン。レバーで移動、ボタンで攻撃・ジャンプ・屈み動作を行う。

3ボタン同時押しでスーパーウェポン(フラッシュ型のボム)を1ステージにつき1回発動できる。(発動可能状態では爆弾マークが表示される。なおクレジットによるコンティニュー後も再発動が可能になる。)

主人公は剣と盾と全身鎧で武装しており、盾は敵弾をノーダメージで受けることができるため、屈みボタンは敵弾と盾の高度を合わせるために使う。ダメージを受けるとライフゲージの減少と共に鎧が段々と外れていく演出がある。ライフもしくは残りタイムが無くなってしまうとプレイヤーストックを失う。なお死に戻りはなく、その場で復活する。(コンティニュー時も同様。)

ステージ構成も多彩で、奥行きが存在し手前と奥の2つのラインを行き来できるステージや、横スクロールに限らず下方向もしくは上方向にスクロールするステージもある。

ボス戦中にいわゆる「ラスト1機」の状況になると、妖精が飛んできてアイテム(トマホーク)を置いて行くという救済システムも備えている。

システムの注意点として、敵に接触した際はプレイヤーと敵の双方がダメージを受ける仕様になっている。また、プレイヤーがダメージを受けても無敵時間が発生しない。

そのため、プレイヤーよりも耐久力の高い大型ザコやステージボスに体当たりされると一気にライフを奪われる(ほぼ即死)ので要注意。

出現アイテム

アイテムはステージの随所にあらかじめ設置されている事がある。

また、燭台などのオブジェを破壊すると出現したり、敵を倒した後にコインが出ることがあるが、こちらは一定時間が経過すると消えてしまうので注意。

コイン(スコア獲得)を除き、いずれのアイテムもライフが0になると全ての効果を失う。特にハイスピードシューズを失うことによる機動力の激減は大きな痛手になるので注意。

アイテム

  • コイン … スコア獲得。
  • ハイスピードシューズ … 靴の形のアイテム。獲得するたびに移動速度が上昇。
  • アーマー … 主人公の兜の形のアイテム。ライフ全回復。
  • 砂時計 … 制限時間20秒追加。
  • ガントレット … グローブの形のアイテム。約8秒間無敵。

武器

剣以外の武器を獲得すると遠距離攻撃ができるようになり、近距離での攻撃も威力が上昇する。

  • … 初期装備の武器。
  • チェーンボール … 先端にトゲ付き鉄球がついた鎖を伸縮させて攻撃する。剣より威力が高く、より遠くまで届く。攻撃した敵を突き飛ばすことができるが、鉄球が戻る時に当てると逆に敵を引き寄せてしまうため注意。
  • トマホーク … 画面端まで届く投斧で攻撃する。近距離攻撃はチェーンボールより高威力。

剣のパワーアップアイテム

水晶の見た目をしたアイテム。色によって効果が違う。

いずれも獲得後15秒間、武器をパワーアップした剣に変更する。効果が切れると獲得前の武器に戻る。

効果時間中に別の水晶を取ると、その効果が切れた際に前の水晶の効果を引き継ぐ。またステージクリア後も効果を引き継ぐ。

  • … 剣から画面端まで届く炎の斬撃を飛ばすことができる。近距離攻撃はトマホークより高威力。
  • … 剣を振ると前方に雷が発生するようになる。近距離攻撃は赤水晶より高威力。
  • … 剣から画面端まで届く青い弾を飛ばすことができる。威力は緑水晶と同等。出現箇所の少ないレアアイテム。

エンディング

エンディングは、1Pでクリア・2Pでクリア・相打ちの3種類。それぞれ固有のCGイラストが用意されている。

ちなみに2人同時プレイではラスボス撃破後に2人で決闘となり、勝者側のエンディングになる。

ラスボスと相打ち、もしくは2人の決闘で相打ちになると相打ちエンド(バッドエンド相当)となる。

また、ノーコンティニューで全ステージをクリアした場合は演出が若干変化する。

エンディング後のスタッフロールでは、最後に「Take it easy」(ここでは「じゃあね!」の意)の文字とともに本作メインスタッフ3名の名前が表示されるが、ノーコンティニュークリアの場合はここでスタッフのモノクロ写真が表示される。

さらなる余談だが、この写真ではそのうちの一人が指を立てているが、アケアカ版では握りこぶしに見えるように画像が加工されている。

ステージ

6つのステージで構成され、全ステージクリア後にラスボス戦となる。

※ラスボスのズリーブ以外の敵キャラ名は、正式名称が不明なためすべて仮称。

STAGE 1

城の中を進むステージ。ファミコン版のステージ1「THE WENLARY CASTLE」と見た目がほぼ同じであるため、魔物に攻め込まれたウェンラリー城と推測される。

奥行きがあり、手前と奥のラインを行き来できる。

敵キャラは敵兵士や四足獣・コウモリ型・蜂型の魔物など。ステージボスは光弾を発射してくる魔術師2体。

STAGE 2

レンガ造りの建物の中を進むステージ。足場に段差があり、トゲの敷き詰められた床やトゲ付き吊り天井など即死レベルのトラップが待ち受ける、正確なジャンプと注意力が求められる構成。

ステージ中には前方から矢が飛んでくることがあるが、ジャンプや屈み・盾で躱すほか、攻撃で撃ち落とすこともできる。

敵キャラは女剣士(詳細後述)8人のみ。ステージボスはおらず、最深部の鍵を取るとクリアとなる。

STAGE 3

洞窟と石造りの建造物が合わさったような場所を上から下へと降りていくステージ。

敵キャラは二刀流の大男や、左右から飛んでくる蝶型の魔物。大男は耐久力が高いため接触ダメージに注意。最下部でボスのメデューサ(詳細後述)が待ち受ける。

STAGE 4

森の中の墓地を進むステージ。奥行きがあり、手前と奥のラインを行き来できる。途中には浮遊する岩の上をジャンプで進む場面も。

敵キャラはゾンビ・スケルトンや、鳥型・巨大蜂型の魔物など。

ステージボスは二足歩行する甲殻類型の魔物が2体。機動力が高く、時折前方へ大きくジャンプするので体当たりされないよう注意。

STAGE 5

不気味な樹木を背景に、足場を下から上へと登っていくステージ。スクロールは上方向のみで、画面外へ落下するとミスになるため要注意。

敵キャラはトレントや、跳ねる火の玉。所々で画面端から伸びてくるドリル状の障害物にも注意。

ステージボスはおらず、最上部の鍵を取るとクリアとなる。

STAGE 6

ラスボスのドラゴン・ズリーブが潜む城。奥行きがあり、手前と奥のラインを行き来できる。

雰囲気や敵キャラの顔ぶれはSTAGE 1に似ているが、出現する敵の数が段違いに多くなっている。

ステージボスは双頭のドラゴンが2体。多量の光弾や、盾で防げない火の玉を放つ。時折前方もしくは後方へ大きくジャンプするので体当たりされないよう注意。

STAGE 6をクリアすると、いよいよズリーブとの最終決戦が待っている。

登場キャラクター

プレイアブルキャラ

Duke / デューク

1プレイヤー側主人公。ウェンラリー王国の隣国の若き王の一人。青い全身鎧を身にまとっている。ファミコン版ではカタカナ表記。

Narda

2プレイヤー側主人公。ウェンラリー王国の隣国の若き王の一人。赤い全身鎧を身にまとっている。1人プレイ専用となってしまったファミコン版では登場しない。

サブキャラクター

レイラ姫

ドラゴンにさらわれたウェンラリー王国の姫。アーケード版では名前が出なかったが、ファミコン版ではこの名が付いていた。

妖精(仮称)

正式なキャラクター名は不明。

所謂お助けキャラの妖精。ボス戦中にラスト1機の状況になると画面外から飛んできて、トマホークを置いて去っていく。

容姿はミディアムヘアーでレオタード型の衣装を着た、背中に妖精羽の生えた女の子。出現するステージによってカラーリングが異なり、髪は緑か紫、衣装は紫か青。

ちなみにゲームの内部的には接触判定のない敵キャラとして扱われている模様で、お助けキャラであるにもかかわらず3ボタン同時押しのスーパーウェポンで倒すことができてしまう。このため妖精がトマホークを出す前にスーパーウェポンを発動してしまうとトマホークが取れなくなってしまうので要注意。

敵キャラクター(一部)

※ズリーブ以外は正式なキャラクター名が不明なため仮称。

Zuriv / ズリーブ

王国を襲い、姫をさらったドラゴン。このゲームのラスボス。アーケード版では画面の半分を覆うほどの巨体を持ち、炎を吐いたり、長い首で頭を振り回して襲いかかってくる。

女剣士(仮称)

ステージ2に出現する女ザコ

剣と盾を構えた、赤茶色の長髪の女性。青緑色で統一したレオタード型衣装・肩当て・グローブ・金属製ブーツを身につけている。

基本行動パターンは左右への往復移動。自分のいる足場の上を端から端まで歩いて往復し、段差を越えてくることはない。時折垂直にジャンプしたり、剣を振る。剣を振った際には、剣の形をした飛び道具が回転しながらゆっくり飛んでくる。

主人公の攻撃に反応し、盾を構えてガードすることもある。

彼女を倒すと「きゃあっ!」と短い悲鳴を上げ、(他のザコ敵と同じように)身体から血を吹き出し、爆発して消滅する。

このステージにしか登場しないが、このステージで出現する敵は彼女たちのみである。なおファミコン版では当該ステージがカットされてしまったため登場しない。

メドゥーサ(仮称)

ステージ3のボス。

主人公の倍ほどの背丈がある巨大な蛇女。下半身と頭髪が蛇になっており、目は青く、口から光弾を飛ばして攻撃してくる。その表情は不気味さと恐ろしさが漂うが、一方でネックレスとブレスレットの装飾品以外は一糸纏わずという大胆な容姿も特徴の一つ。ちなみに一部海外向けのバージョンおよびアケアカ版では緑色のブラを付けている。

一定時間が経過すると画面の反対側からもう一体が出現する。2体に挟まれ両側から光弾を撃たれると非常に厳しい状況となる。1体しかいないうちに倒せれば2体目と戦わずにクリアできるが、ダメージも覚悟の上で速攻を仕掛けていかなければ難しい。

なおファミコン版でもステージ4に登場するが、ボスではなく道中の敵キャラとなっている。またグラフィックが簡略化され主人公とほぼ同じ大きさにサイズダウンしており、アーケード版での迫力は影を潜めてしまった。出現数も1体のみに留まっている。

備考

本作(アーケード版)のグラフィックデザイナーは江崎稔氏。ゲーム中のCGイラストを描いているほか、全てのドットの打ち込みも担当している。

氏は現在、有限会社マジテックの代表取締役を務めるほか、多くのアニメ作品にレイアウト&作監として関わっている。(出典:本人のツイフィール

江崎氏は本作のアケアカリリースに際し、X(旧Twitter)で開発当時について言及。

(該当ポスト:#1#2#3#4

当時社長から海外で売れていた『ラスタンサーガ』ぽいモノをとの意向がありデカキャラや見た目を意識したこと、プログラマーに『オペレーションウルフ』や『地獄めぐり』を担当したTOM氏を迎え完成させたことなどを明かしている。

関連動画

アーケードアーカイブス キャッスル・オブ・ドラゴン

ハムスターによるアーケードアーカイブス版のプロモーション動画。

内容はステージ3クリアまでのデモンストレーションプレイ。

ファミコン版『ドラゴンユニット』

国内では1990年2月27日に『ドラゴンユニット (DRAGON UNIT)』のタイトルでファミコンに移植され、アテナからリリースされた。

(※海外では1989年に『CASTLE OF DRAGON』のタイトルのままNESに移植され、セタUSAからリリースされている。)

しかし性能や容量の制限により忠実な移植は叶わず、その内容は大幅に簡略化されてしまった。

同時プレイは廃され1人プレイ専用。グラフィックは全体的にサイズダウンし、一部の敵キャラはカットされた。敵のやられモーションも煙のような小爆発のみとなり、派手な演出は影を潜めてしまった。ステージの奥行きや上下スクロールも廃され、シンプルな横スクロールのみとなった。それに伴い全体のステージ構成も変更され、アーケード版にあったステージがカットされたり、オリジナルステージへの差し替えが行われている。

システム自体の変更としては、プレイヤーストックが廃されライフゲージの他に経験値ゲージがある。経験値ゲージが最大になるとライフゲージの最大値が増える。残りタイムによる時間制限もなくなった。

アーケード版ではライフの減少と共にその鎧が段々と外れていくが、ファミコン版では軽装でスタートし、鎧アイテムを取る事で全身鎧の姿になる。

妖精の役割も変更され、道中に出現してライフを回復してくれるようになった。

結果、ゲームの世界観は留めているものの、プレイ感覚としては全く別物のゲームとなってしまっている。しかしアーケード版では敵の配置数が多くタイム制限も厳しいため忙しい印象なのに対し、ファミコン版では敵と1対1でじっくり戦うシーンが多いため、移植度とは別にプレイヤーの好みによって評価が分かれる部分もある。

こちらのファミコン版は、2020年6月16日にプロジェクトEGGへ移植されている。

また関連する作品として、このファミコン版『ドラゴンユニット』の流れを汲んだ精神的続編とも言えるアクションゲーム『ソードマスター』が、1990年12月21日に同じくファミコンにてアテナからリリースされている。

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