CV:楠田敏之
概要
TVアニメ「獣の奏者エリン」の登場人物。教導師であり、暗殺者でもある。原作には登場しない、アニメオリジナルのキャラクター。
著者はキリクについて、『「掟」という言葉で象徴される、社会が生み出す制度の柵に捕らえられ、もてあそばれる一人間』と評している。しかしエリンに近づいた事がきっかけでその『柵』の存在に気付き、脱出する事に成功している。
2010年3月末に発売されたムック本(挿入歌CD付きブック)には彼を主役にしたサイドストーリーが掲載されている。
人物像
表の顔
毒専門の教導師であり、物語中盤で王都のタムユアン高等学舎から多額の寄付金付きでカザルム学舎に赴任してきた。学童達からの受けは良い。
しかし
裏ではダミヤの下で仮面の男として暗躍し、ヌックとモックに闘蛇の卵を盗ませようとしたほか、カザルムではエリンとリランの関係を詮索するなどしていた。イアルとは何度も剣を交え、互角以上の勝負を繰り広げた。リランの肩を矢で射抜いた張本人でもある。
常時、菓子を持ち歩いており、これで相手を懐柔したり、時には鋭利な飴を投げ付けて武器にもする。
大公領で下働きをしていたためか料理が得意で、作中では饅頭を作ってカザルムの学童に食べさせている。
生い立ち
真王領の貴族の家に生まれたが、両親の死後、大公領民であるモットン夫妻に、妹と共に引き取られる。しかし実際には、夫妻は真王領民との繋がりを得るためにキリクたち兄妹を利用していた。
夫妻に妹を殺されて恨みを抱き、彼らを自ら毒殺する。
以後は大公領民に対して、激しい憎悪を抱くようになる。
思想/人生観
前述の過去もあって自らを「籠の鳥」と称し、「人同士が分かり合えないのに、人と獣が分かり合えるはずがない」という考えを持っている。
当初は「リョザ神王国は清らかな者のためにあるべき」と説くダミヤに忠実に従っていた。キリクにとって清らかな者とは、妹のような者たちのことであり、彼らのために、自らは毒となって生きることを選んだ。
しかし、ただひたすら自然のままに王獣と共に生きようとするエリンを見るにつれて次第に心境が変化し、ダミヤや自分のやり方に疑問を抱くようになる。
作中での活躍
序盤より仮面の男としてイアルの前に現れるほか、真王誕生日には真王ハルミヤの暗殺をはかる。
31話にてカザルムに赴任。教導師として働きながらダミヤの手先として暗躍する。
役割上、重要な場面に立ち会うことも多く、リランが初めて飛翔した場面を目撃している。王都のラザル王獣保護場への移送時にはエリンに同行し、以後はダミヤのそばで動く。ダミヤがイアルに使った毒は、キリクが用意したものとされている。
当初はダミヤに忠実であったが、エリンの生き様を見るにつれて次第に心境が変化。自らの在り方に疑問を持つ。
エリンに妹のターヤを重ね、自分が彼女を追い込んでいることに苦しみを感じるようになる。
終盤、用済みになりダミヤに始末されそうになるも、エリンの手当を受ける。イアルと共闘し追っ手を撃退すると、エリンのことを託し、ダミヤのいる天幕へ向かうイアルを援護した。
最終回では持ち前の医術を人々の為に生かすべく、旅の医術師として庶民を相手に診察している様子が描かれており、エリンの故郷であるアケ村にも訪れている。