ゲノン
げのん
いかにも俗人的な小人物であることが容貌や言動からにじみ出ている髭面の肥った男性。
チューダー帝国の貴族で「北方戦線総司令官」の地位にある。とはいえ、武功ではなく、有り余る財力で上りつめたものである。稚児趣味をもち、普段から美少年を小姓として侍らせている。
劇場アニメ版では白髪白髭と原作漫画やテレビアニメ版よりも老いた容貌であった。
チューダーとの間で百年戦争を戦うミッドランド王国に対峙するため、ミッドランド攻略の要である難攻不落の要塞「ドルドレイ」に総督として鎮座している。
数年前、まだ鷹の団が駆け出しの傭兵団だった頃、チューダーの貴族同士の紛争の際に鷹の団を雇っていた時期があり、ゲノンの持つ莫大な金が目当てで寄ってきたグリフィスと資金の提供と引き換えに一夜を共にした事がある。その後、鷹の団がミッドランドに雇われ、ゲノンも金の力でミッドランドとの戦線を担う総司令の任と総督の地位を得たため、敵対関係になるも、ゲノンは尚、美貌であったグリフィスに執着し、彼を虜囚として自身が所有する事を強く望んでいた。
そのため、グリフィスの生け捕りに拘って戦場の指揮権を乱し、それも一因となって最終的には鷹の団に敗北し、ドルドレイ要塞を陥落させられてしまう。部下にも見捨てられ孤立しながらの敗走中に遭遇したグリフィスに命乞いするも、ゲノンとの過去を清算したいグリフィス自らの手で討たれてしまった。劇中の描写からも良いところが全く無さそうな人物だが、少なくとも経済的な才覚は確かにあったようである。それによって得た金の力で全てを成してきた事から、己の欲は満たさずにはいられなくなってしまった故に破滅したと言えよう。
本国で皇位継承争いが起きていたチューダー帝国は、この大敗を挽回できる余裕がもはやなく、ミッドランド王国を屈服させる事(百年戦争の継続)を諦め、講和を受け入れざるを得なくなった。