※ネタバレが含まれるので注意※
「我は、ガイゾック星人によって作られたコンピュータードール第8号に過ぎない」
概要
CV:渡部猛
ガイゾックの真の支配者。物語の後半の頃にガイゾックに捕らわれた地球人の香月慎吾がバンドックからの脱出を試みていた際、初めてその存在が明かされた。
本当の姿は巨大な脳みたいな見た目(メインイラストがそれ)で普段は上記の巨大な目玉のような姿でキラー・ザ・ブッチャーに地球攻撃を指示していた。残虐かつ卑劣なブッチャーですら「ガイゾックの神」として恐れている。元々痩せた惑星の蛮族だったブッチャーをスカウトしてサイボーグに改造して指揮官に仕立てたのも彼であった。
その正体はかつてガイゾック星人が作った生体コンピューターで、その使命は「宇宙の秩序と平和を乱すであろう悪い思考を持った生命体の住む惑星を滅ぼす」と言うものである。そのプログラムに従って神ファミリーの先祖の故郷ビアル星を始めとする多くの惑星を攻撃し滅ぼしていた。つまりガイゾックによる破壊や殺戮の真意は「宇宙の秩序を乱すバグの排除」であった。
ビアル星抹殺から200年後に察知した地球も悪意ある生命体の惑星として襲撃したが神ファミリーの妨害に加え、ブッチャーが遊び感覚かつ独断で残虐ながら無軌道かつ非効率なやり方で作戦を遂行していたので彼には痺れを切らしていた。
そしてザンボット3の邪魔やブッチャーの詰めの甘さによる度重なる失敗が原因で地球から撤退する羽目になった挙句、遂にはバンドックが直接被害を受ける事態となってしまう。
「この愚か者めが! 自らの力に溺れ、この聖なるバンドックに破壊を招くとは何事か!」
怒った第8号はブッチャーに対し、強烈な電撃による容赦の無い懲罰を実行。そして神ファミリー抹殺の切り札として『ガイゾックの守護神』である2体のメカ・ブースト・青騎士ヘルダインと赤騎士デスカインの封印を解くと同時に、ブッチャーに自ら出撃するよう命令する。
しかし、結局ブッチャーは守護神たち共々ザンボット3に敗れて死亡、打つ手が無くなりとうとう自らバンドックで攻撃を仕掛け、催眠術によって自滅を促そうとする等、搦め手を行使して追い詰めるも神江宇宙太、神北恵子の2人が自分達の命と引き換えにザンブルとザンベースで特攻。その隙を突く形で神勝平のザンボエースが突入し破壊活動を行った事で機能停止寸前にまで追い込まれ、愛犬の千代錦も失いながらも最深部にまで乗り込んできた勝平と対峙した。
「憎しみ合い、嘘を吐き合い、我が儘な考え。まして、仲間同士が殺し合うような生き物が、良いとは言えぬ。宇宙の静かな平和を破壊する。我は、そのような生き物を掃除する為に、ガイゾックによって造られた……」
第8号は乗り込んだ勝平に自分の正体とその目的を明かすと同時に「家族や友人等が命を犠牲にしてまで、身勝手な地球の人間を守る必要があったのか?」「単に自分達の為に地球を守ったのか?」との問答をし合った。自分達の行為を「無意味」だったと認めたくなかった勝平は「地球は皆良い人ばかりだ」「地球は守らなければならないんだ」と返答をする。そして第8号は下記の言葉を残して爆発した。
「この悪意に満ちた地球に……お前達の行動を……わかってくれる生き物が……一匹でも……いると……言うのか……?」
最期まで地球人を信じようとしていた勝平だったが、結局はこれまでの戦いの中で経験した差別や迫害が尾を引いた為か、第8号の言葉を完全に否定するまでには至らなかった。
確かにコンピュータードール第8号の言う通り地球人は悪意を持つ身勝手な生き物ではあるが、いくら宇宙の平和のためとは言え幾多の惑星を襲っては滅ぼしてきたガイゾック(及びそれを作ったガイゾック星人)もかなり身勝手であると言える。
また他にも彼と同じようなコンピュータードールがあるのか、彼を作ったガイゾック星人は何者でまだ存在するのか、平和な惑星と言われたビアル星を滅ぼしたのか、いくつもの謎を残したまま「ザンボット3」の物語は終わった。
スーパーロボット大戦シリーズでは
意外にもスパロボへの登場は少なく、ザンボット3の物語の終盤を再現していることがあまりないため初登場は『COMPACT2第3部』。音声収録されたのは『Z』だけ。『第3次Z天獄編』では複数のコンピュータードールが現れるが、これらはいずれもガイゾック星人が作った別個体という半オリジナル設定。これらコンピュータードールの音声は第8号の音声を流用している(担当声優の渡部氏は2010年に亡くなられたためライブラリ出演)。能力は高水準だが底力以外に目立った特殊技能が無いため、それほど苦労せず倒せる。ただし天獄編のコンピュータードールは特殊技能なしでは弱いと判断されたのか大幅にテコ入れされ、多数の特殊技能と指揮命令中枢で一筋縄ではいかない強敵になっている。